明日のパンが無いことに気付いて、ゴミ出しのついでにコンビニへ出かけた。パン1つでは恥ずかしい気がしてウロウロしていると、後ろの女性から声をかけられた。「一緒にこれも払ってくださいます?」。ビックリして振り返ると、マンションのエレベーターで一緒になる若い女性だった。
ニコニコと笑顔が零れる。ジイジをからかった冗談だ。後から、私も冗談でハグして、「いいですよ。これからもお付き合いしてください」と、返せばよかったかなと考えたり、いやいやそんな事したらセクハラで警察沙汰だと思ったりした。始めて若い女性から声をかけられ、有頂天になってしまったようだ。
雨が降っているのに傘もささず、歩いて来る高齢の女性がいた。思わず傘を差し出そうとして、躊躇した。女性は杖をついていたから、傘をさすことが出来ないのだ。もう数歩で入口に辿り着くのに、わざわざ惨めな思いをさせてもいけない。そんな思いが巡っていると、反対側から高齢の女性がやって来た。
すれ違って、「アレッ?」と声をかけてきた。我が家で一緒に飲んだこともある知り合いの女性だった。余りの変貌に驚いていると、「余命4ケ月と宣告されているけど、まだ生きているの」と言う。確か自慢の息子がいたはずだ。「息子に看取ってもらわないといかんよ」と話すと、「名古屋転勤にしてもらって、見守りしてくれている」と言う。
「家に居ると、足腰が弱るので、ちょっと買い物に行くの」と話す。マンションの住民も高齢化で、彼女のような人が増えている。若い女性に声をかけられた時は、ドキマキしたのに、ヨボヨボになってしまった女性を見ると悲しくなってしまう。自分も傍から見たら、彼女と変わらないヨボヨボのジイジなのに。
秋篠宮家の長男、悠仁さまの記者会見をテレビで見て、18歳とは思えない受け答えに「さすが」と思った。私は18歳の時、何を思い何を考えていたのだろう。もう青春に戻ることは無いが、思い出に浸ることなら出来る。そんな時は、もうすぐ81歳になるジイジであることを忘れてしまうだろう。
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