【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜Facebook「Haiku Column」〜 ☆【俳句界】2023年1月号☆

2022年12月25日 23時11分42秒 | 月刊誌「俳句界」

俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

〜Facebook「Haiku Column」〜
☆【俳句界】2023年1月号☆
 
◆俳句総合誌『俳句界』2023年1月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】、2022年6月には【冬・新年】を出版しました。「HAIKU」6号と「歳時記」春・冬・新年は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

The January issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the January issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published. 
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata. 
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

Janvier aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆ Janvier aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata. 
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

永田満徳選評・向瀬美音選訳(仏・伊)・中野千秋訳(英)

【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】  
(Facebook「Haiku Column」より)

タンポポ  亜仁寿(インドネシア)

秋茄子や苦労の色に母の愛 
〔永田満徳評〕
「秋茄子」は小粒で実がしまり、甘みがある。酒粕に漬けて美味しく食べることができる。丹精込めて漬けこんでいる姿に「母の愛」を感じている情景だろう。茄子漬に限らず、母というものは家族のために身の粉にして働くものである。「苦労の色」に染まった母への感謝は万人共通であり、共感できるものである。
 
タンポポ  亜仁寿(Indonesia)

autumn eggplant -
my mother's love in the color of struggle life
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
"Autumn eggplant" is small, firm and has a sweet taste. You can eat it deliciously by pickling it in sake lees. It must be a scene where you feel "mother's love" in the way you pickle it with great care. Not only eggplant pickles, mothers work hard for their families. Gratitude for a mother who is dyed in "the color of hardship" is common to all people, and it is something that everyone can sympathize with.
 
 
オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)

桐一葉去り際の様美しき 
〔永田満徳評〕
「桐一葉」は葉が風もなくばさりと音を立てて落ちて、秋の訪れを示す。楕円の広い葉が夕日に照らされながら桐の枝から離れていく情景はまさに美しい。美しい女性の場合もまた、華やかな生涯であればあるほど、この世からの「去り際」に、ドラマチックで鮮烈な生き様を人々の脳裏に残すことをうまく描いている。
 
Olfa Kchouk Bouhadida(Tunisia)

feuille de paulownia -
toute belle elle quitte la dernière la cérémonie 
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Les feuilles à une feuille du paulownia tombent sans vent et émettent un son, signalant l'arrivée de l'automne. Le paysage des larges feuilles elliptiques tombant des branches de paulownia à la lumière du soleil couchant est vraiment magnifique. Dans le cas d'une belle femme, plus sa vie est glamour, mieux elle dépeint le mode de vie dramatique et vivant laissé dans l'esprit des gens lorsqu'elle "quitte" ce monde.
 
 
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)

鮭泳ぐ潮に逆らふわが人生 
〔永田満徳評〕
「鮭」が産卵のために故郷の川の流れに逆らって遡る様は壮観で、生命の力強さに羨ましささえ感じる。その鮭の溯上に対して、潮流に逆らって生きてきた自分の「人生」を振り返っているのである。人間の場合、人生の流れに逆らわず生きて行くことがどれほどに難しく、困難であるかは誰しも思うことで、納得できる。
 
Angela Giordano(Italy) 

salmon ...
my life always against the tide
salmoni ...
la mia vita sempre controcorren
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
È uno spettacolo spettacolare vedere i salmoni nuotare controcorrente contro il flusso dei fiumi della loro città natale per deporre le uova, e provo persino invidia per la forza della vita. Ripenso alla mia "vita", vissuta controcorrente contro la corrente del salmone. Nel caso degli esseri umani, tutti possono comprendere quanto sia difficile vivere senza andare contro il flusso della vita.
 

【今月の季語(Kigo of this month】     
(Facebook「Haiku Column」より) 
 
【 秋麗 あきうらら akiurara / beautiful autumn / automne serein 】
ミレラ ブライレーン(ルーマニア)

秋麗や老カップルは手を繋ぎ 
Mirela Brailean(Romania) 

beautiful autumn -
two elderly hand in hand

ダニエラ ミッソ(イタリア)

日の中で伸びをする猫秋麗 
Daniela Misso(Italy) 

nice fall day –
a cat stretching in the sun
 
【 稲妻 いなずま inazuma / lightning / éclair 】
ポール カルス(マルタ)

稲妻に打たるる湖のジュージューと 
Paul Callus(Malta)

sizzling -
the lake hit by lightning

カディジャ エル ブルカディ(モロッコ)

稲妻や時間の空にひび入り 
Khadija El Bourkadi(Morocco)

fêlures dans la voûte du temps
éclair
 
【 ハロウィン はろうぃん Harōin / Halloween / Halloween 】
シルビア ビストッチ(イタリア)

ハロウィンや祖父の歯のなき笑ひ顔 
Silvia Bistocchi(Italy)

zucche di Halloween -
il sorriso sdentato della nonna 

Zamzami Ismail(Indonesia)

Halloween
different time loop
ザンザミ イスマイル(インドネシア) 

ハロウィンや異なる時間繰り返す 
 
【 啄木鳥 きつつき kitsutsuki / woodpecker / pic pivert 】 
エウジェニア パラシヴ(ルーマニア)

啄木鳥や誰がディナーに来るでせう 
Eugénia Paraschiv(Romania)

pivert
devine qui vient dîner?

ナニ マリアニ(オーストラリア)

啄木鳥や慣らしつつ履くハイヒール
Nani Mariani(Australia)

woodpecker
learn to wear high heels
 
【 竜胆 りんどう rindo / gentian / gentiane 】
タンポポ  亜仁寿(インドネシア)

竜胆や北国の青空届く 
タンポポ  亜仁寿(Indonesia)

gentian -
the sky of northern country reaching me

ナッキー クリスティジーノ(インドネシア)

大切な祖母のレシピや濃竜胆 
Nuky Kristijno(Indonesia)

gentian
treasuring grandma’s traditional herbs recipe
 
【 南瓜 かぼちゃ kabocha / pumpkin / citrouille, potiron 】
クリスティーナ チン(マレーシア)

大きさと形を競ふ南瓜かな 
Christina Chin(Malaysia)

farmer's market
the shapes and sizes of pumpkins

キム オルムタック ゴメス(オランダ)

南瓜の種焼いて祖母との会話かな 
Kim Olmtak Gomes (Holland)

roasted pumpkin seeds -
chat with granny in the kitchen
 
【 檸檬 れもん remon / lemon / citron, citronnier 】
アンヌ‐マリ ジュベール‐ガヤール(フランス)

絞りレモン飲んでバカンス話かな   
Anne-Marie Joubert-Gaillard  (France)

citron pressé-
autour d’un verre le récit de nos vacances

バリー レビン(アメリカ)

檸檬切るボウルの中に笑みあまた 
Barrie Levine(America)

lemon wedges
many smiles in the bowl
 
【 黄落 こうらく kōraku / yellow drop / goutte jaune 】
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)

黄落や仏陀の足に日が差して 
Angela Giordano(Italy) 

ginkgo leaves
at the foot of the Buddha the sun stops
foglie di ginko
ai piedi del Budda si ferma il sole

マリア ビアンカ(イタリア)

黄落や芝生に徐々に色を付け 
Maria Bianca(Italy)

foglie ingiallite-
colorano il prato a una a una

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Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2023.1月号〜

2022年12月25日 23時03分36秒 | 月刊誌「俳句界」

俳句大学国際俳句学部!

Facebook「華文俳句社」
〜【俳句界】2023.1月号〜

◆2023年『俳句界』1月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。

俳句大學國際俳句學部的通知!

~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku  2023・1〜

◆2023年『俳句界』1月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。

華文俳句【俳句界】2023,1月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳
 
解隔離後的新髮型
秋日明媚

皐月
〔永田満徳評論〕
雖然台灣目前,在佩戴口罩預防冠狀病毒感染的要求和飲食限制方面有放寬的情形,然而為了以防萬一,還是謹慎防疫為妙。「秋日明媚」之時,詩人把疫情後留長的秀髮改變成新的造型。因隔離導致居家活動增多,新髮型或許比較適合這樣的情境。我對此般隔離後的放鬆心境,頗能苟同。
 
隔離後の新しき髪秋うらら

皐月
台湾ではコロナウイルス感染症に対するマスク着用義務条件や飲食ルールの規制が緩和されつつあるものの、予断を許さない状況である。「秋うらら」の気候も手伝って、伸びかけになった髪を隔離後に新しい髪型にセットしたのである。外出を控える昨今では自宅での再現度が高い髪型であろう。隔離後の解放感を髪型で味わっているところが共感できる。
 
 
阿婆露出皺紋的笑臉
九降風

鄭如絜
〔永田満徳評論〕
「九降風」是秋天的季題,是臺灣新竹地區的氣候現象。入秋後,北方颳來日益增強的季風。活過大半輩子的祖母,臉上深層的皺紋,是她跟自己戰鬥多年後浮現的微笑。詩人以「笑臉」和「九降風」的兩項對照組合,描繪一位強風襲捲中仍以皺褶的笑臉迎人的阿婆。
 
皺くちやな祖母の笑顔や九降風

鄭如絜
〔永田満徳評〕
「九降風」は秋の季語で、台湾の新竹地区あたりの気候現象。秋以降は北から吹くモンスーンが強くなる。人生を生き抜いてきた深い皺のある祖母の笑顔は自分自身との戦いの末に身についた微笑みである。「笑顔」と「九降風」との取合せによって、強風が吹き捲っても、何食わぬ笑顔でやり過ごすたくましい「皺くちやな祖母」を描いているとみていい。
 
 
阿嬤端詳補好的牛仔褲
秋日墜

慢鵝
〔永田満徳評論〕
「秋日墜」是秋天的季題,意旨宛如滑入井底的打水桶,秋天的夕陽速速沉落。這裡的情境應當是祖母正在縫補孫子的牛仔褲時,秋日在不知不覺中下山了。孫子是祖母心頭上的一塊肉,不管怎樣,都是祖母的摯愛。無論孫子如何,祖母總能以不變的愛來愛他,對此我深受感動。
 
祖母の縫ひ付くるジーンズ釣瓶落し

慢鵝
〔永田満徳評〕
「釣瓶落し」は秋の季語で、井戸の底へと落ちていく釣瓶のように、秋の日が急速に暮れていく様。祖母が孫のジーンズを縫い付けている間に、急に日が暮れてしまった情景であろう。「孫は目に入れても痛くない」と言うほど、祖母にとって孫はかわいいものである。どんな孫であれ、分け隔てなく愛情を注ぐ祖母という存在が描かれていて、心惹かれる。

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〜Facebook「Haiku Column」〜 ☆【俳句界】2022年12月号☆

2022年11月25日 22時47分05秒 | 月刊誌「俳句界」

俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

〜Facebook「Haiku Column」〜
☆【俳句界】2022年12月号☆
 
◆俳句総合誌『俳句界』2022年12月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】、2022年6月には【冬・新年】を出版しました。「HAIKU」6号と「歳時記」春・冬・新年は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

The December issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the December issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published. 
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata. 
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

Décembre aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆ Décembre aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata. 
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

永田満徳選評・向瀬美音選訳(仏・伊)・中野千秋訳(英)

【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】  
(Facebook「Haiku Column」より)
 
ポール カルス(マルタ)

朝顔やまたの日の出に感謝して 
〔永田満徳評〕
「朝顔」はその名の通り、朝開く花。早朝に可憐な花を咲かせ、昼過ぎには萎んでしまう。朝顔が「日の出」を感謝している一物仕立ての句とも、朝顔が咲いているそばで、早朝に起きた作者が朝日に感謝している二物仕立ての句とも読み取れる。いずれにしても、暑さも和らぎ、晴天が続く初秋という気候の雰囲気をうまく表現している。
 
Paul Callus(Malta)

morning glory -
thankful for yet another sunrise
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
As the name suggests, 'morning glories' are flowers that open in the morning. They bloom prettily in the early morning and wilt in the late afternoon. The haiku can be read either as a one-article haiku in which the morning glory gives thanks for the 'sunrise', or as a two-article haiku in which the author, who wakes up early in the morning beside the morning glory blooming, gives thanks for the morning sun. Either way, it well expresses the atmosphere of the weather in early autumn, when the heat eases and the weather remains sunny.
 
 
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)

蟋蟀の声柔らかくなるしじま 
〔永田満徳評〕
「蟋蟀」はコオロギ科の虫の総称で、秋に鳴く虫の代表格。昼間は草の下や人家の近くにひそみ、夜になるとしきりに鳴く。一匹か、二匹であろうか、蟋蟀の鳴き「声」が「柔らかく」聞こえるくらい静かだということ。松尾芭蕉の〈古池や蛙飛びこむ水の音〉の句意と同じく、物音によって、かえって「しじま」が生まれる現象をよく捉えている。
 
Angela Giordano(Italy) 

il canto del grillo sempre più lieve
quiete autunnale
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
'Cricket' is a generic name for an insect, representative of the insects that chirp in autumn. During the day they lurk under the grass or near people's houses, but at night they chirp frequently. The 'voice' of one or two cricket is so quiet that it can be heard 'softly'. Like Matsuo Basho's phrase 'the sound of the water as a frog jumps into an old pond', the phenomenon of a 'stillness' being created by the sound of things is well captured.
 
ザンザミ イスマイル(インドネシア) 

収穫後の田んぼ案山子の孤独かな 
〔永田満徳評〕
田打、田植、稲刈といった稲作に関わる一連の作業が済んだ「田んぼ」に、鳥から稲を守るために立てられた「案山子」がぽつんと残っている情景。そこには一仕事を終えた案山子の充実感とともに、「孤独」感が描かれている。この案山子の姿は事を成し遂げた人間の晩年の有様と置き換えてみると、じつに深い感銘を覚える句となる。
 
Zamzami Ismail(Indonesia)

o fields resting after harvest
scarecrow's loneliness
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
In the rice paddies, where a series of tasks related to rice cultivation, such as rice striking, rice planting and harvesting, a scarecrow, which was erected to protect the rice from birds, remains alone. The scene depicts a sense of fulfilment as well as a sense of 'loneliness' for the scarecrow, which has completed its work. If the image of the scarecrow is replaced by that of a person in the later years of life who has achieved something, the haiku is deeply moving.
 

【今月の季語(Kigo of this month】     
(Facebook「Haiku Column」より) 

 
【 秋の声 あきのこえ akinokoe / autumn voice / voix d'automne 】
フテン フルティ(チュニジア)

秋の声やや黄ばみたる詩の手帳 
Feten Fourti(Tunisia)

voix d automne
une feuille de mon carnet de poésie jaunit un peu

アブダラ ハジイ(モロッコ)

猫鳴きて窓辺に秋の声ありぬ 
Abdallah Hajji(Morocco)

miaulement du chat
à la fenêtre voix d'automne
 
【 秋の雷 あきのらい akinorai / lihtning / eclairs 】
ジオバンナ ジオイア(イタリア)

秋の雷人形を撫でてゐたりけり 
Giovanna Gioia(Italy)

tuoni d'autunno -
accarezzo la mia bambola

パトリチア カバローネ(イタリア)

秋の雷高鳴る鼓動おさまらず 
Patrizia Cavallone(Italy)

tuoni in autunno -
i battiti del cuore sono assordanti
 
【 露 つゆ tsuyu / dew, dew drop / rosée 】
イン イスマイル(インドネシア)

露の玉母が最後の言葉かな 
In Ismael(Indonesia)

dew drops
last message from my mom

ミケレ ポキエロ(イタリア)

子供らが飛べば芝生の露も飛ぶ 
Michele Pochiero (Italy)

un bimbo salta-
schizza fresca rugiada tra l'erba fitta
 
【 流れ星 ながれぼし nagareboshi / shooting star / étoile filante 】
ジョーノ ファディ(インドネシア)

それぞれの人に意味あり流れ星  
Jono Fadli(Indonesia)

each person gives their own meaning
shooting star

アリアニ ユハナ(インドネシア)

流星や平和への道切望す  
Ariani Yuhana(Indonesia)

shooting star
strong desire to reach peaceful target
 
【 台風 たいふう taifu / typhoon / typhon 】
ガブリエラ デ マシ (イタリア)

台風や泥と涙の混じりたる 
Gabriella De Masi(Italy)

tifone-
il fango misto alle lacrime

アリアニ ユハナ(インドネシア)

大国の成すべきことや台風来 
Ariani Yuhana(Indonesia)

typhoon
US must be responsible upon European
 
【 新酒 しんしゅ shinshu / new sake / sake nouveau 】
バーバラ オルムタック(オランダ)

新酒酌むひと口ずつに癒す過去 
barbara olmtak(Holland)

sip by sip addressing past mistakes
new sake

フランソワーズ マリー チュイリ(フランス)

新走り漱石句集読んでみる 
Françoise Marie Thuillier(France)

le sake nouveau -
un recueil de Sôseki m'enivre 
 
【 村芝居 むらしばい murasibai / village theater / theatre villageois 】
ナニ マリアニ(オーストラリア)

村芝居地元野菜の売られたる 
Nani Mariani(Australia)

village theater
farmer's vegetables are very fresh and cheap

キム オルムタック ゴメス(オランダ)

俳優を乗せたトラック村芝居 
Kim Olmtak Gomes(Holland)

village theatre
the truck with actors moves on
 
【 渡り鳥 わたりどり wataridori / migratory bird / oiseau migrateur 】
カディジャ エル ブルカディ(チュニジア)

渡り鳥夢に国境なかりけり 
Khadija El Bourkadi(Morocco)

vol d'oiseaux migrateurs
le rêve n'a pas de frontiéres

ラシダ ジェルビ(チュニジア)

渡り鳥風は飛翔を告げにけり 
Rachida Jerbi(Tunisia)

le vent lui apprend à voler~
oisillon migrateur

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Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2022.12月号〜

2022年11月25日 22時41分48秒 | 月刊誌「俳句界」

俳句大学国際俳句学部!

Facebook「華文俳句社」
〜【俳句界】2022.12月号〜

◆2022年『俳句界』12月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。

俳句大學國際俳句學部的通知!

~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku  2022・12〜

◆2022年『俳句界』12月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。

華文俳句【俳句界】2022,12月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳


翻找國旗的眷村伯伯
國慶日

玉香
〔永田満徳評論〕
「国慶日」(国慶節)是臺灣的季語。中華民國的建國紀念日是10月10日,也是1911年武昌起義的發動日。國慶日時,許多台灣人會帶著家人或朋友去觀賞國慶煙火。這位「眷村伯伯」因為對中華民國的建國日相當有感觸,因此在家裡翻箱倒櫃的尋找國旗。這是那個世代所共享的愛國情操,描繪成一首俳句。
 
国慶日伯父掻き捜す国旗かな

玉香
〔永田満徳評〕
「国慶日」(国慶節)は台湾の季語で、建国記念日。1911年10月10日に発生した武昌起義を中華民国の建国記念日としている。国慶日は家族や友達と祝福の花火を見にいくことが多い。「伯父」は中華民国の建国に思い入れが強く、国慶日ということで、「国旗」をかき回したり、ひっくり返したりしてさがしているのである。伯父の世代に共通する愛国心の一端をよく描き出している。
 

一筆防疫津貼
重陽

明月
〔永田満徳評論〕
「重陽(節)」是台灣傳統的節慶。「防疫」在現今的時事脈絡下是指預防新型冠狀病毒肺炎的感染。「津貼」是重陽節時政府撥發的敬老金。俳句的畫面是作者想將重陽的敬老金用在防疫上。在飲菊花酒避免染疫的重陽,作者藉由描繪防疫津貼,而祈願新冠狀病毒肺炎的感染痊癒。這是一首應時的俳句。
 
重陽や予防手当の封書受く

明月
〔永田満徳評〕
「重陽(節)」は台湾においても伝統的な祝日。「予防」とは新型コロナ感染症対策のことである。「手当」は重陽節に政府から貰った敬老金。感染症予防のために敬老金を役立てようと思っている。疫払いの日でもある重陽の日に届いた予防手当の「封書」を描くことによって、新型コロナ感染症の平癒を祈願しているのである。今日的テーマをうまく取り入れている。
 

斷掌的男孩
毛蟹

玉香
〔永田満徳評論〕
「斷掌」可說是屬於好運氣的幸運手相,特別是男性斷掌,更是財富大獲成功的象徵。一個擅長讀手相的人,捧著身旁正在剝毛蟹的人的手,細細觀察,揭露其中的奧秘。斷掌的好運氣和毛蟹的鮮味相互配搭,襯托出兩人之間的好感情,不時瀰漫著共享佳餚的幸福感。
 
断掌の相のをのこや毛蟹食ふ

玉香
〔永田満徳論〕
「斷掌」とは幸運の手相であり、特に男性の斷掌の持主は金運に恵まれるという。手相見に心得のある人が「毛蟹」を剥いている相手の手をちょっと拝見とばかりに手に取っている情景だろう。斷掌という「手相のよさ」と毛蟹という「海の幸」との取合せによって、親しい者同士で語らいながら食卓を囲んでいる幸せなひと時を過不足なく切り取っている。

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Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2022.11月号〜

2022年10月26日 22時23分15秒 | 月刊誌「俳句界」
俳句大学国際俳句学部!
 
Facebook「華文俳句社」
〜【俳句界】2022.11月号〜
 
◆2022年『俳句界』11月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。
 
俳句大學國際俳句學部的通知!
~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2022・11〜
◆2022年『俳句界』11月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。
 
華文俳句【俳句界】2022,11月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳
 
鄧紹佳
影子衣領筆挺
立秋
〔永田満徳評論〕
根據日曆,秋天從「立秋」這一天開始。有時白天的熱氣已經超過了大暑的程度,但黃昏時吹起涼風,仍然可以感受到秋天的跡象。「影子衣領筆挺」,是御寒的姿態還是躲避他人的姿態?或許是回家路上的一個片段,亦或偵探辦案時的一個場景?此俳句饒富戲劇性,並且引人遐思。
鄧紹佳
立秋や背広の襟立つる影
〔永田満徳評〕
「立秋」は暦の上ではこの日から秋に入る。昼間の暑さは大暑を凌ぐ日もあるが、夕暮れ時にもなれば涼しい風が吹き、秋の気配がどことなく感じられる。「背広の襟立つる影」は、寒さをしのぐしぐさか、人目を忍ぶしぐさか。はたまた、帰宅途中の景であろうか、張り込み中の刑事の景であろうか。ドラマ性があって、色々と想像させるところがいい。
 
※.
皐月
翻讀聖經的更生人
秋收
〔永田満徳評論〕
「秋收」是秋天的收割或是「收穫」的結束。春天萌芽,秋天結果,收割完了,便完成了大自然的碩果。翻讀聖經所帶來的醫治,給予囚犯帶來幸福感,也因此能減少他們心靈創傷的負面影響。伴隨著秋收的季題,「翻讀聖經的更生人」還描繪了一個人正準備迎接人生的果實,著實引人入勝!
皐月
秋収め聖書を捲る更生者
〔永田満徳評〕
「秋収め」とは秋の取り入れ、またはその終了のこと。春に蕾をつけ、秋に実を結ぶ、そして収穫することで、自然の実りは完結する。聖書に基づいた心の癒やしが受刑者に幸福感をもたらし、トラウマの悪影響を減少させるという。秋収めという季語とともに、「聖書を捲る更生者」もまた、人として実りを迎える準備をしていることを描いていて、心惹かれる。
 
鐵人
遺留灰燼旁的祭菓
謝燈腳
〔永田満徳評論〕
「謝燈腳」是台灣的季語。在寺廟為了招來孤魂野鬼,豎立幾公尺木製或竹製的的燈篙。人們準備了很多「祭菓」(供品),為了供奉給另一個世界的神靈和孤魂野鬼,為了避免今世的災難。此俳句將焦點放在「供品點心」,將台灣農曆七月的祭典特徵描繪得淋漓盡致。
鐵人
灰のそばにお供への菓子謝燈腳
〔永田満徳評〕
「謝燈腳」は台湾の季語。寺廟では燈篙、つまり孤魂野鬼(祖霊や鬼)を招くために、高さ数メートルの木製の棒や竹の棒で提灯を吊り下げる。人々は多くの「祭菓」(お供え物)を用意し、孤魂野鬼へお供えをすることで、この世の災いを防ぐのである。「お供への菓子」に焦点を当てることによって、旧暦7月に行われる台湾の祭事の特徴をみごとに描き出している。
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