俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2021・1〜
◆俳句総合誌『俳句界』1月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】を出しました。「HAIKU」6号と「歳時記」は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
janvier aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆L janvier de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
The January issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the January issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
Haiku Column(俳句大学)今月の秀句(「俳句界」R3.1月号)
永田満徳選評・向瀬美音選訳
(Facebook「Haiku Column」より)
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】 永田満徳選評・向瀬美音選訳
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(Facebook「Haiku Column」より)
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アンナ マリー ジュベール ガヤール(フランス)
おそらくは愛情欲しく風邪の妻 美音
〔永田満徳評〕
「風邪」を引くと誰しも心細く、甘えたくなるものである。その甘えは求愛の裏返しであることに気付き、「妻」をいたわる気持が表現されていて、心惹かれる。
Anne-Marie Joubert-Gaillard
rhume-
peut-être une demande inconsciente d’amour
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Lorsqu’on attrape un «rhume», on se sent seul et on a besoin de gentillesse. On a envie de douceur, et que son pqrtenqire prenne soin de nous.
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イスマン カーン(チュニジア)
詩歌とは緑と白の冬の山 美音
〔永田満徳評〕
「冬の山」は確かに夏の山ほど豊かではないものの、木々の「緑」と雪の「白」のコントラストが際立つ。その景色に「詩歌」の何たるかを掴み取ったところがいい。
Ismahen Khan
poésie
montagne d’hiver entre vert et blanc
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Les "montagnes d'hiver" ne sont certes pas aussi riches que les montagnes d'été, mais le contraste entre le "vert" des arbres et le "blanc" de la neige ressort bien. Il est bon de saisir ce qu'est la «poésie» dans le paysage.
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オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)
冬の朝珈琲を囲む自宅待機 美音
〔永田満徳評〕
コロナ禍であればなおさら、寒い「冬の朝」、一家総出で温かい「珈琲」を囲み、家族の絆を確かめているのである。コロナ禍の一家団欒をうまく切り取っている。
Olfa Kchouk Bouhadida※
matin d'hiver ~
tous réunis autour d'un café au confinement
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Plus encore dans le cas du coronavirus, le "matin d'hiver" froid et le "café" chaud de toute la famille sont là pour confirmer les liens de la famille. Le lien familial est bien saisi.
【今月の季語(Kigo of this month)】 永田満徳選評・向瀬美音選訳
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(Facebook「Haiku Column」より)
【 短日 たんじつ tanjitsu / short day / journée courte 】
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カメル メスレム(アルジェリア)
短日や扉の鍵の滑りたる 美音
Kamel Meslem
courte journée
la clé à sa porte glissée
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イン イスマエル(インドネシア)
祖母語るお伽話や日短か 千秋
In Ismael
short day
a long fairy tale from my grandmother
【 冬銀河 ふゆぎんが fuyuginga / the winter galaxy / voie lactée d’hiver 】
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バーバラ オルムタック(オランダ)
思ふこと光となりて冬銀河 千秋
Barbara Olmtak
each inner thought a ray of light
winter galaxy
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ナニ マリアニ(オーストラリア)
微笑みに惑はされたる冬銀河 千秋
Nani Mariani
the winter galaxy
I got lost seeing your smile
【 冬景色 ふゆげしき fuyugeshiki / winter landscape , winter scene / paysage d’hiver 】
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バーバラ オルムタック(オランダ)
モネの絵のごとき鵲冬景色 千秋
Barbara Olmtak
solitary magpie in a winter landscape
Monet's paintbrush
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ジャン リュック ファーブル(スイス)
をちこちに煙突の煙冬景色
Jean-Luc Favre
partout la fumée blanche des cheminées
paysage d’hiver
【 ショール しょーる sho-ru / shawl / châle 】
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ジュリア グズマン(アルゼンチン)
まだ姉の香水残るショールかな
Julia Guzmán
her perfume still in the shawl -
sister's memory in the air
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フランシスコ パラディノ(イタリア)
母の四季織り込まれたるショールかな
Francesco Palladino
wool shawl
all seasons of my mother