【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2021・1〜

2020年12月24日 00時40分14秒 | 月刊誌「俳句界」

俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

 

〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2021・1〜

 

◆俳句総合誌『俳句界』1月号が発行されました。

◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。

◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。

◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。

◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。

◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】を出しました。「HAIKU」6号と「歳時記」は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。

◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。

◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。

◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。

◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。

◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。

◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

 

janvier aout de 「HAIKUKAI俳句界」!

〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜

◆L janvier de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.

◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata. 

◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

 

The January issue of 「HAIKUKAI俳句界」!

〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜

◆the January issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published. 

◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata. 

◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

 

Haiku Column(俳句大学)今月の秀句(「俳句界」R3.1月号)

  

永田満徳選評・向瀬美音選訳

(Facebook「Haiku Column」より)

【今月の秀句monthly excellent Haikus    永田満徳選評・向瀬美音選訳

 

(Facebook「Haiku Column」より)

アンナ マリー ジュベール ガヤール(フランス)

  •  

おそらくは愛情欲しく風邪の妻 美音

〔永田満徳評〕

「風邪」を引くと誰しも心細く、甘えたくなるものである。その甘えは求愛の裏返しであることに気付き、「妻」をいたわる気持が表現されていて、心惹かれる。

 

Anne-Marie Joubert-Gaillard

  •  

rhume-

peut-être une demande inconsciente d’amour

〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕

Lorsqu’on attrape un «rhume», on se sent seul et on a besoin de gentillesse. On a envie de douceur, et que son pqrtenqire prenne soin de nous.




イスマン カーン(チュニジア)

  •  

詩歌とは緑と白の冬の山 美音

〔永田満徳評〕

「冬の山」は確かに夏の山ほど豊かではないものの、木々の「緑」と雪の「白」のコントラストが際立つ。その景色に「詩歌」の何たるかを掴み取ったところがいい。

 

 

Ismahen Khan

  •  

poésie

montagne d’hiver entre vert et blanc

〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕

Les "montagnes d'hiver" ne sont certes pas aussi riches que les montagnes d'été, mais le contraste entre le "vert" des arbres et le "blanc" de la neige ressort bien. Il est bon de saisir ce qu'est la «poésie» dans le paysage.




オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)

  •  

冬の朝珈琲を囲む自宅待機 美音

〔永田満徳評〕

コロナ禍であればなおさら、寒い「冬の朝」、一家総出で温かい「珈琲」を囲み、家族の絆を確かめているのである。コロナ禍の一家団欒をうまく切り取っている。

 

 

Olfa Kchouk Bouhadida※

  •  

matin d'hiver ~

tous réunis autour d'un café au confinement

〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕

Plus encore dans le cas du coronavirus, le "matin d'hiver" froid et le "café" chaud de toute la famille sont là pour confirmer les liens de la famille. Le lien familial est bien saisi. 

 

 

【今月の季語(Kigo of this month)】        永田満徳選評・向瀬美音選訳

 

 

 

(Facebook「Haiku Column」より)

 

【 短日 たんじつ tanjitsu / short day / journée courte 】

カメル メスレム(アルジェリア)

  •  

短日や扉の鍵の滑りたる 美音

Kamel Meslem

  •  

courte journée

la clé à sa porte glissée

イン イスマエル(インドネシア)

  •  

祖母語るお伽話や日短か  千秋

In Ismael

  •  

short day

a long fairy tale from my grandmother

 

 

【 冬銀河 ふゆぎんが fuyuginga / the winter galaxy / voie lactée d’hiver 】

バーバラ オルムタック(オランダ)

  •  

思ふこと光となりて冬銀河  千秋

Barbara Olmtak

  •  

each inner thought a ray of light

winter galaxy

ナニ マリアニ(オーストラリア)

  •  

微笑みに惑はされたる冬銀河  千秋

Nani Mariani

  •  

the winter galaxy

I got lost seeing your smile

 

 

【 冬景色 ふゆげしき fuyugeshiki / winter landscape , winter scene / paysage d’hiver 】

バーバラ オルムタック(オランダ)

  •  

モネの絵のごとき鵲冬景色  千秋

Barbara Olmtak

  •  

solitary magpie in a winter landscape

Monet's paintbrush

ジャン リュック ファーブル(スイス)

  •  

をちこちに煙突の煙冬景色 

Jean-Luc Favre

  •  

partout la fumée blanche des cheminées

paysage d’hiver

 

 

【 ショール しょーる sho-ru / shawl / châle 】

ジュリア グズマン(アルゼンチン)

  •  

まだ姉の香水残るショールかな  

Julia Guzmán 

  •  

her perfume still in the shawl -

sister's memory in the air

フランシスコ パラディノ(イタリア)

  •  

母の四季織り込まれたるショールかな 

Francesco Palladino

  •  

wool shawl

all seasons of my mother

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〜Facebook「華文俳句社」Kabun Haiku 2021・1〜 

2020年12月24日 00時36分40秒 | 華文俳句

俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

 

〜Facebook「華文俳句社」Kabun Haiku 2021・1〜 

 

◆2021年『俳句界』1月号が発行されました。

◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。

◆2018年11月1日には、二行書きの華文俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。

◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行しています。ついに、全季節を網羅した「歳事記」は10月に発行されました。これで季重なりの問題が解消されるでしょう。

◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。

◆2020年『俳句界』3月号の特別レポートにおいて、「熊本大学」で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。

◆どうぞご理解とご支援をお願いします。

 

俳句大學國際俳句學部的通知!

 

~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku  2021・1〜

 

◆2021年『俳句界』1月號已出版。

◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。

◆2018年12月1日已出版華文俳句的合著,『華文俳句選』。

◆2020年『俳句界』3月號以八頁的篇幅特別報導了於「熊本大學」舉辦的「華文俳句の可能性」座談會。

◆請各位多多支持指教。

 


華文俳句【俳句界】1月号


永田満徳選評・洪郁芬訳


 

洪郁芬

  •  

三兩個天融在一塊兒

秋色澄明

〔永田満徳評論〕

滿天稀疏的雲朵散佈著,相互連接或分開,是秋空常見的景像。將淡雲重疊的部分形容成「融在一塊兒」,聚焦在遼闊的秋空,更顯現此刻秋色澄明的情境。

洪郁芬

  •  

いくつもの空溶け合つて秋気澄む

〔永田満徳評〕

多くの雲がまばらで広がっている雲が結ばれたり、離れたりする秋の空はよく見かける情景である。薄い雲と雲との重なりを「溶け合つて」と表現しているところが、澄み渡った秋の空をうまく切り取っていて、いかにも季語「秋気澄む」と言ってよい。

 

明月

  •  

奶粉罐手作的復古風

秋燈籠

〔永田満徳評論〕

餵養愛子的「奶粉罐」閒置一旁。秋燈籠黯淡的燈彩,將鐵罐漆上一層復古的色調,凸顯了手作的溫暖觸感。此俳句生動地描繪親子之間日常的互動情景。

 

明月

  •  

粉ミルク缶は手作りのレトロ調

秋の燈籠

〔永田満徳評〕

「粉ミルク缶」は我が子の授乳用のものであろう。‘秋灯し`ともいうべき薄暗い「燈籠」に照らす「粉ミルク缶」は、なお一層、レトロ感が浮かび上がり、「手作り」の良さが際立つものである。親の子に対する普遍的な情景をうまく描いている。

 

旭維

  •  

竿尾彎成九十度

鯊魚

〔永田満徳評論〕

不經意的釣魚,竟然釣到一尾鯊魚!手裡魚竿的竿尾已經彎成九十度。雖然沒有言及釣客,但是他慌張的神情歷歷在目。一個釣魚的驚險時刻凝聚在這一剎那。

 

旭維

  •  

釣竿の穂先が九十度に曲がる

〔永田満徳評〕

魚釣りをしていたら、「鮫」が釣れてしまったのである。釣竿の曲がった角度を具体的に「九十度」と言ったところがよく、大物が掛かって、大慌てしている様子を的確に表現していている。一つの魚釣りの一齣をうまく切り取っている。

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