☆ 第4回 俳句大学三賞発表 ☆
【第4回 俳句大学大賞】
篠崎央子『火の貌』
(ふらんす堂)令和2年8月
※全般的に俳句的な目が確かで、血族や血に関する民俗学的、神話的な世界をベースに、スケールが大きく、大胆で、自在な発想が魅力である。眩しすぎるほどの発想は天性のものであると言ってよく、しかも、俳味があって、読み応えのある句が揃う。(永田満徳)
「第4回 俳句大学大賞准賞」
川越歌澄『キリンは森へ』
(俳句アトラス)令和2年6月
※ 文學の森主催の第1回「北斗賞」の選考委員として、川越歌澄を「俳句の骨法をきちんと踏まえた上で決して気負わず、しかも独自の世界が展開されている。」として強く推薦した。今回の『キリンは森へ』では、川越歌澄という個人的、さらには集合的無意識を介して、高い詩境の展開を見せている。(五島高資)
選考委員 : 岡田耕治 (大阪教育大学特任教授・「香天」代表) 、木暮陶句郎 (「ひろそ火」主宰) 、五島高資 (俳句大学副学長) 、斎藤信義 (「俳句寺子屋」主宰) 、仲寒蟬(「牧」代表)、永田満徳 (俳句大学学長)
【第4回 俳句大学新人賞】
該当者なし
選考委員 : 大高翔 (「藍花」副主宰) 、五島高資、仙田洋子(「天為」同人)、辻村麻乃 (「篠」主宰) 、永田満徳、松野苑子(「街」同人会長)
【第4回 俳句大学評論賞】
該当者なし
「第4回 俳句大学評論特別賞」
〔国際部門〕
Anikó Papp
【季語の研究】「風」の名前に季節感
※「俳句大学評論賞」に毎回応募し、その熱心さには脱帽に価する。受賞作品は、ハンガリー在住ながら、日本の春夏秋冬の季語を例に挙げながら、季節によって表現の仕方が変わっていくこと、また、例えば「風」でも、それぞれの季節によって、「風」の印象が違い、季節の特色があることを究明しているところが評価できる。(永田満徳)
選考委員 : 井上泰至 (防衛大学校教授) 、加藤直克(自治医科大学名誉教授)、五島高資、永田満徳
【選考資料】
「第5回俳句大学大賞候補」
【岡田耕治】
渡辺誠一郎『赫赫』(深夜叢書社)令和2年10月
「ふくしまの大根一本ふりまわす」
など、静謐な秀句が収められている。
田 彰子『田さん』(ふらんす堂)令和2年7月
「旅に出てザボンのように眠りたし」
など、独自の境地を切り開いた。
豊里友行『宇宙の音符』(沖縄書房)令和2年9月
「オリオンの火種をもらうウイルスよ」
など、現実を捉える大きな眼差しが光る句集。
【木暮陶句郎】
藤本美和子『冬泉』(角川書店)令和2年9月
名取里美『森の螢』(角川書店)令和2年11月
篠崎央子『火の貌』(ふらんす堂)令和2年8月
【五島高資】
鴇田智哉『エレメンツ』(素粒社)令和2年11月
朝吹英和『光陰の矢』(ふらんす堂)令和2年11月
川越歌澄『キリンは森へ』 (俳句アトラス)令和2年6月
【斎藤信義】
小池康生『奎星』(飯塚書店刊)令和2年10月
川越歌澄『キリンは森へ』 (俳句アトラス)令和2年6月
菅敦『仮寓』(書肆アルス)令和2年8月
【仲寒蟬】
太田うさぎ『また明日』(左右社)令和2年5月
篠崎央子『火の貌』(ふらんす堂)令和2年8月
【永田満徳】
篠崎央子『火の貌』(ふらんす堂)令和2年8月
三島広志『天職』(角川書店)令和2年2月
青島玄武『優しき樹』(文學の森)令和2年3月