【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜季語で一句 34 〜 『くまがわ春秋』9月号

2022年09月01日 00時47分59秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜季語で一句 34 〜
 
◆『くまがわ春秋』9月号が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
季語で一句(R4.9月号)
 
江口秋子
柴犬の尾の裏は白夏野原
【永田満徳評】
生い茂った草が風に靡いている「夏野」に愛犬を放った情景。勢いよく駆け出した犬の様を犬の尾に焦点を当て、叢の青と「柴犬の尾」の白とを対比させて、色彩あざやかに描き出しているところがいい。
【季語の説明】
「夏野」とは夏草の茂る野原。夏野原。「夏野」と言えば、緑濃く、強い日差しを受け、草いきれでむせかえる野原、あるいは、青々と生い茂った草が風にいっせいに靡く草原を思い浮かべる。阿蘇五岳の一つ、烏帽子岳の北麓に位置する夏の大草原では、大きな池と放牧された馬とが織りなす牧歌的な風景が広がる。
【季語の説明】
「夏野」とは夏草の茂る野原。夏野原。「夏野」と言えば、緑濃く、強い日差しを受け、草いきれでむせかえる野原、あるいは、青々と生い茂った草が風にいっせいに靡く草原を思い浮かべる。阿蘇五岳の一つ、烏帽子岳の北麓に位置する夏の大草原は、大きな池と放牧された馬とが織りなす牧歌的な風景が広がる。
 
夏帽子(なつぼうし)   「夏-生活」
桧鼻幹雄
アマゾンや開高健の夏帽子
【永田満徳評】
帽子と言えば、陽射し除けの需要が多い「夏帽子」である。作家の開高健は、冒険の旅ごとに帽子を替えていたという。アマゾンへの旅ではどんな帽子を被っていただろうかと興味がそそられる句である。
【季語の説明】
「夏帽子」は暑さ、紫外線などから、髪、肌を守るための帽子。夏帽ともいう。近年は、熱中症対策としても有効であり、保冷剤をいれられるような物もある。麦藁帽やパナマ帽もあるが、女性のかぶる鍔広の真っ白な帽子が夏帽子らしい。お洒落なファッションアイテムであり、男性も似合いの一品を探すのも楽しみである。
 
灯籠流し(とうろうながし) 「秋-行事」
桧鼻幹雄
灯籠を流してあとのぬくき闇
【永田満徳評】
初盆は、通常のお盆と違い、読経をしてもらったり、会食をしたりするなど、緊張する。「灯籠流し」の後の「ぬくき」は心理的なもので、初盆の緊張から解き放たれ、我に返った感じがうまく表現されている。
【季語の説明】
「灯籠流し」は送り火の一種で、灯をともした燈籠を川や海に流す行事。盂蘭盆会の終わる15日、または16日、燈籠にのった祖先の霊をあの世へ送るために行われる。盆の供物や茄子の馬、魂棚の筵なども一緒に流す。板切れに蝋燭を立てたものから、舟に乗せた大型の燈籠までさまざまあり、夏の風物詩である。
 
コメント
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