前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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上中中学校での新任教諭の過労自殺事件。新幹線の負担はどれだけになるのか。老朽原発再稼働と県民への説明責任。

2019年09月13日 | 福井県政

2019年7月19日におこなわれた県議会予算決算特別委員会での佐藤正雄委員の質疑です。

 

「杉本知事の基本姿勢について(教育・新幹線・原子力に関して)」佐藤 正雄 委員

上中中学校での新任教諭の過労自殺事件


◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。
 きょうは福井空襲から74年ということであるが、福井空襲では死者1,576人、重軽傷6,400人余ということで、あのような悲惨なことを繰り返してはならないということをまた改めて誓う日だなというように思っている。
 質問は、教育行政、新幹線問題、原子力行政ということで、平たく言えば前知事と対決してきたテーマを、きょうは杉本新知事であるので、3つ選ばせていただいて、議論をしたいというように思っている。
 それで、西川県政のもとで10年間で10名の教員が自死するなど、現場の教員への過重な負担が異常事態を引き起こしていたというように思う。上中中学校での新任教諭の過労自殺事件は、福井地裁の判決でも校長の安全配慮義務違反が断罪され、賠償命令が下されたところである。知事は、若狭町とともに控訴しないと、判決を受け入れると、こういう態度を表明された。これも評価できると思う。私も総務教育常任委員会で、明らかな過重労働があったということであるので、県としては争うべきではないということを主張した。その翌日に、控訴断念ということが報道された。
 そこでお尋ねをしたいのだが、この判決について、知事の率直な受けとめと、このような事態を引き起こした教育現場の実態の問題点の認識、今後の改善方向について知事の見解をお尋ねする。

◯知  事  まずもって、今お話があった上中中学校で自死された先生の冥福をお祈り申し上げるとともに、親族に対してお悔やみを申し上げたいと思う。
 今あった上中中学校における先生については、私が伺っているところでは、日ごろから非常に熱心に教育を行っていらっしゃった、4年間臨時教員をやられてから1年目だったというふうに伺っているところである。今回は、その先生が判決によれば過重労働、ある意味1人にされて、その中で悩みながら心を病まれて亡くなられたのかなというふうに思っているけれども、そういうようなことになって、なったということで、判決を重く受けとめて控訴しないという結論を出させていただいたところである。
 これについては、やはり福井の先生方というのは非常に熱心に生徒指導をしていただく、これは結果今の学力、体力日本一というような状況にもなっているわけであるけれども、ただ社会環境的にも、先生がやるべきことの範囲がどんどん広がっている。そういう中で先生個人としての時間がなかなか持てなくなっている。そういうことの結果でもあったなというふうに、改善をしていかなければいけない、そういうふうに思っているところである。
 また、先生がそういう状況では、子供たちの伸び伸びと育っていく、そういう環境をつくることもできない、こういうことでもあると思う。そういうことで、この2月には業務改善方針をつくって、今取りかかってきているわけであって、私としてもこれを、私、県庁はもちろんであるけども、県教委もそうであるし、市や町の教育委員会、各学校現場である、というものに周知徹底しながら、その方向に沿って改善をしていきたいというふうに思っている。

◯佐藤委員  今、知事、1人でということをおっしゃったのだが、これは1人でというわけでもなくて、要するに指導した教員がおられて、行き過ぎた指導もあったというのをお聞きしているので、その辺の改善も必要だろうというふうに思っている。
 ちょっと実務的な話でお尋ねしたいのだが、マスコミの報道によれば、賠償金を若狭町が全額払うのだという報道があったのだが、この辺の仕組みを教えていただきたいというように思う。


◯教育長  上中中学校の事案であるけれども、町立の中学校ということであるので、町の服務監督の下にあったということであるので、国家賠償法の建前から県と町と両方被告になっていたが、損害賠償を実際に行うのは町ということである。


◯佐藤委員  法律のたてつけはそういうことなのだろうけど、その校長先生を任命したのは県の教育委員会の人事だということでもあるので、ちょっと一般県民としては、6,000万円であるか8,000万円であるか、そういう金額を若狭町が単独で負うというのはいかがなものかなと、県としても責任を感じているのであれば、それなりに若狭町と、負担割合はいろいろあるだろうけど、やはり応じるべきではないかなというのは、県民感情としてあるがいかがだろうか。

◯教育長  詳細にいろいろ検討したが、もう最高裁の判例等、それから過去の判例も数件あって、全て町のほうでということになっているので、設置者のほうで負担するということになっているので、それに従わせていただいた。


◯佐藤委員  小さい若狭町がこれだけの8,000万円ぐらいであるか、延滞金も含めれば、巨額のそういう賠償責任を現実的には負うということであるから、ある意味では県の教育委員会も、やっぱりこういうことが二度と起こさないように心して取り組んでいただきたいというふうに思う。
 それで、池田中学校では生徒の学校内での自死事件があった。これは事実上の指導死事件として全国的にも議論を巻き起こし、文科省が通知まで出したわけである。2つの事件に共通することの1つは、遺族が初動を含めて学校当局の対応に強い憤りを抱いているということだと思うのである。私自身も、上中中学校の先生の遺族ともお会いしたし、池田の亡くなった生徒さんの遺族とも直接お会いしたけれども、要するに学校側に責任はないのだということが、最初ばーんと遺族に返されるというようなところから、非常に遺族を傷つけたというように思っている。今回は裁判によって、自死の真相を明らかにしたいということで真相が明らかになったわけである。
 知事は、福井県の教育界を揺るがしたこの2つの事件について、学校側の対応の問題点、課題をどのように認識し、今後改善を進めるか。お尋ねをする。

◯知  事  最初に、池田中学校で2年生の生徒さんが亡くなられた。この方についても、心から冥福をお祈り申し上げるとともに、遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げる。
 その上で、2つの事件について、事案についてのどういう原因であるかといったこと等についてお答えを申し上げる。
 まず、池田町の事案については、第三者委員会のほうで明らかにされているのは、担任と副担任がまず生徒さんに対する理解が十分でなかったということ、それから教職員間でそういった状況についての情報の共有ができていなかった、さらには管理職の側で指導監督責任が果たされていなかったということの報告がされているところである。
 また、上中中学校の事案については、今回の判決によると、管理職が長時間にわたる勤務実態を認識しながら、業務内容を変更したり負担軽減を図ったり、そういうことをしていなかったということが原因というふうに言われているところである。
 児童生徒の指導については、これはもう日ごろからほかの場合も含めてであるけれども、担任一人に任せてしまうと、やはり先生一生懸命やれば先生のほうも疲れるし、また今のお話で担任と児童生徒の間がうまくいっていないと、生徒のほうに物すごくストレスが来る、そういうことになりかねないわけであるので、やはり管理職を中心に、チームの中で生徒を育てていく、そういう、主担当はもちろん担任の先生いるわけであるけれども、そういう中で育てていく、問題があればそれを管理職を中心に解決をしていく、こういうような体制をしっかりとつくっていく必要がある。そのためにも、情報が周りに共有できるような体制にしておくことが必要だと考えているところである。
 また、教職員の業務についても、これについては管理職が先生方お一人お一人の勤務の実態、それから精神的な状況も含めて、もしくは仕事の内容そのものも把握をしながら運営をしていくということは重要であるということを考えているところであって、熱心だから任せているとどうしてもそこに集中していくというのは、これはほかの組織もそうだけれども、そういうことになりかねないわけであって、そういうことがないように、これも管理職がしっかりと全体を見渡しながらやっていく。そういったことで私どもも、全体の勤務時間を削減する、そういうような業務の改善方針を持ちながら、さらにはこういったことを学校現場、それから管理職に対して徹底もしていきたいと思っている。

◯佐藤委員  上中中学校の先生には、校長OBの指導教官がついていたわけであるが、校長OBだからといってきちんとした新任教諭に対して指導が適切にできるかといったらやっぱりそうではないと思うのである。必要な研修というのはきちんとやっていくということが必要だというように思っている。
 それから、こういう事件も受けて県議会の意見書も出されたが、やはり学力偏重の問題ということで、これは個々の中学校の校長の責任がある、あるいはこちらの中学校の担任、副担任の責任があると、これは個別の案件であるから、そういうことで裁判になったり、報告書でまとめられるわけであるけども、しかしそのベースとして、やはり学力偏重ということで、例えば土日も学校でそういう補習がやられるとか、あるいは上中中学校の先生の例で言えば、もう本当にいわゆる指導する、いわゆる授業の内容のまとめたやつを繰り返し書き直しさせられるというようなことで、やっぱりもちろん指導教官も熱心の余り、あるいは担任、副担任も熱心の余りいろいろそういうことにはなるのだろうが、やはりその背景には、うちの中学校は学力下げちゃいけないと、そういう校長なり担任に対するプレッシャーというのも、これはあったと思うのである。
 だから、ここをどうしても脱却をしていかないと、やはりこういう問題というのはなくなっていかないのでは。つまり、労働時間を軽減していくだけで、学力は引き続き全国トップクラスを目指すのだということを、やっぱり現場に圧力をかけ続けて、こういうマニュアルでちゃんとやれという押しつけでは、この問題に解決にならないのじゃないかというように思うが、知事、教育長、どちらでも結構であるが、見解をお尋ねする。

◯教育長  学力トップクラスを維持するためにこうやっているということは決してなくて、それはあくまでも結果であって、やっぱり先生が一人前というか、若い先生であるので、一人前に育つためにいろんな指導が行われたのだと思うけれども、それはどういうふうな授業が子供にとって最適かということを考えたあげくの親心というか、そういう指導もあったのだろうと私は理解しているので、必ずしも初任者に対する研修が行き過ぎていたというばかりではないのではないかと。今一番適切な指導がどうなのだということで、行われた分があったけれども、ただ言葉が行き過ぎたとかそういう面はあったのかもわからないが、それについてはもう知る由もないということであるので、判決をしっかりと我々としては現場の先生に伝えていきたいというふうに思っている。


◯佐藤委員  教育長、そういうことでは本当に判決を真剣に受けとめているのかということも問われてくるし、失礼な言い方になるかもしれないけども、指導が厳しい方だったというように、教育関係の方から聞いている。であるからやはり、そういうことをきちんとしないとやっぱりいけないというように思うのである。だからやっぱり、その背景には一体何があったのかということを見ていかないと、その個人の校長の責任だ、個人の担任の責任だということだけでは問題、根本的な問題の解決にはつながらないと。やはり、福井県のテストテストテストというような、そういう体制の見直しというのを改めて強く求めたいというように思っている。


バス路線の廃止状況は


 次に、新幹線の問題であるが、きのうからも議論になっているように、少子高齢化時代ということになっているわけであるが、新幹線と第三セクター鉄道に、今現在、これからも巨額の財政負担ということになってくる。これよりも、本来はそういう少子高齢化時代だからこそ、身近な公共交通の維持、発展のために一層力を尽くすということが必要ではないかと思うのである。
 そこでまず、この5年間で廃止され、また現在廃止計画のあるバス路線は何本か、うち福井市内は何本かをお尋ねする。あわせて、もしそれらの路線を維持するとすれば、運行経費というのは年間幾らぐらいかかるのかというのをお尋ねする。

◯地域戦略部長  生活バス路線の廃止であるが、5年間というお尋ねがある。統合とかルートの変更とか、いろんな形があるので、5年全部を把握するというのは結構難しいものがあって、直近1年でお答えをさせていただきたいと思う。
 直近1年で申し上げると、利用者の減少に伴う生活路線の廃止については14路線あって、うち福井市内は10路線ということである。これらの路線の欠損額、もし続けていこうとすればこのぐらいの赤字補填をしなきゃいけないという、そういう額として理解いただきたいと思うが、全体の14路線で言うと、その欠損額は約1億円。福井市内の10路線で言うと、約7,000万円というような状況である。
 これらの廃止された路線については、全て市町のほうで乗り合いタクシーであるとかコミュニティーバスというふうな形で転換をしているということである。


◯佐藤委員  今、お話があったように、1年だけでも県内全体で14路線、福井市内だけでも10路線が廃止されるということで、これはやっぱり生活環境に大きな影響が出ているというふうに思うのである。であるから、これを全部、今全て県の財政でどうのという話に短絡はできないけれども、やっぱりいろんな公共交通という場合に、新幹線にお金をどれぐらい使っていくのか、在来線の三セク化にどれぐらいお金を使ってくのか、今実際に毛細血管となって動いている身近なバス路線に幾らお金を使っていくのかということを、県民に示していかないと、もうとにかく新幹線と第三セクターはもう何千億円でも使うよということでは、これはなかなか議論としては県民生活、中心部以外のところはどんどん毛細血管であるバス路線もなくなっていく、中心部でもバス路線がなくなっていくということでは、これはいかんのではないかなというように思う。


新幹線の負担はどれだけになるのか


 そこで新幹線であるが、新幹線と第三セクターであるけれども、総務教育常任委員会でも質疑したように、第三セクターに関する総事業費はいまだに明らかになっていない。こういう状況のまま、あとで高額の請求書が県民に届くというやり方は、大体大きな問題があるというように思っている。
 新幹線の事業費についてであるが、質問の通告で、現在この北陸、信越の管内で言えば、長野、新潟、富山が一応全線新幹線の開業をしているので、そこの総事業費とか自治体負担額を、ちょっと質問通告で出したのだが、それは福井県としてはわからないというように事前に回答があった。であるから、わからないというのはよその県に聞いても教えてくれないのかどうかわからないけれども、それできょうお配りした資料であるが、私のほうで調べさせていただいた。

これは各県庁に、それぞれの日本共産党の県会議員さんから問い合わせをしていただいたという資料である。これを見ていただいたらわかるように、長野県は自治体負担額は654億円と、県民1人当たり3万2,700円と。新潟県は自治体負担額1,384億円と、県民1人当たり6万200円と。富山県は自治体負担額1,889億円と、県民1人当たり18万8,900円ということなのである。石川県と福井県は今工事中であるので、事業費負担額が確定しているわけではないが、石川県庁はざっと1,600億円ということであるので、県民1人当たり13万9,100円ということになる。福井県はどうかということで、また後で答弁もいただきたいのだが、1)、2)とあるのは、1)は富山県と同じ負担割合、約3割弱である、とした場合。2)は石川県と同じ2割程度の負担割合とした場合である。いずれにしても、1)の富山県と同じ負担割合とすれば、県民1人当たり32万5,400円、石川県と同程度とすれば24万1,000円というように、県民1人当たりに換算すれば、要するに長野、新潟と比べるともう大きな、10倍とかそれぐらいの県民1人当たりの負担額ががーっと今膨らんできていると。これも、距離もあるし、工事費の高騰もある。それからいろいろ事情はあるだろうが、結論としてはこういう大きな県民負担になっているということは、これは明らかにしなきゃいけないというように思っているのである。
 そこでお尋ねをするが、今、敦賀以西も進めようということでやっておられるわけであるが、敦賀以西の建設も含めて、現在のスキームと建設単価で推計すると、福井県内区間の総事業費は幾らになるのかと。自治体負担額と県民1人当たりの負担は、1人当たりの負担というか、1人当たりの額はそれぞれ幾らになるのか、お尋ねをする。

◯地域戦略部長  お答えする。
 まず、金沢-敦賀間の工事における福井県内の総事業費である。これは約9,400億円であって、貸付料2分の1というふうに想定すると、地方負担額は約1,600億円というふうになる。この地方負担については、9割を地方交付税措置のある地方債で賄うというようなことを考えているので、実質的な県の負担ということで言うと、約700億円と見込んでいる。これを人口で割って、県民1人当たりの負担とすると、約9万円と。これは県の実質負担の金額を割っているが。それから県内区間、新大阪まで伸びた場合、石川県境から京都府の県境までということであるが、県内の総事業費については約1兆4,600億円、地方負担については約2,500億円と試算をしている。交付税措置後の実質負担については、約1,000億円というふうになって、県民1人当たりの負担は約14万円、これは全区間という形になるけれども。
 以上である。


◯佐藤委員  交付税のことはいろいろこれまでの議会で答弁いただいているが、これはほかの県も同様だと思うのだが、ほかの県はそういうことも含めてこういう数字を回答いただいているので、同じ水準で比較をすればこういうことになると。要するに、長野県は3万2,700円、新潟県は6万200円、福井県の場合は20万円を超えるという、1人当たりの負担になるということだと、いうことは明確にしておきたいというように思っている。


新幹線敦賀開業と在来線特急存続


 そこで、これだけの負担なのだということを考えて、さっき言ったようにバランスである。地域の公共交通のバランスを考えていかないと、新幹線ができればそれでいいという話にはならないというように思う。前期の県議会でも、この新幹線については敦賀開業時の特急存続に関して、意見書が全会一致で上げられた。フリーゲージトレインがなくなることにより、とりわけ嶺北地域の利用者には料金アップと乗りかえ不便という大きな問題が生じるわけである。
 承知のように、金沢-敦賀間の北陸新幹線の建設B/Cが1.1と、辛うじて1を超えた要因には、フリーゲージトレインによる乗りかえ利便性確保があった。しかし、フリーゲージトレインがなくても1倍であったわけで、不認可にはならなかったというように思うのである。
 ところが、承知のように二千数百億円事業費がふえた。そうすると、これ1倍を下回るわけである。であるから、いろんなマスコミでも、おかしいじゃないかというようにたたかれているわけであるけれども、本来なら経済合理性がなく認められなかった公共事業という本質が一面あらわになったというように思っている。

 国は当然もう現状の対策、敦賀駅乗りかえで問題がないという考えのようであるが、これでは国民理解、県民理解にはほど遠いと思う。大事なことは、新幹線敦賀駅での乗りかえ利便性の確保と、そしてフリーゲージトレインの代替措置としての在来線特急存続と、これは合わせ技で利用者の利便性を確保すると、このことが必要だと思うが、見解をお尋ねする。


◯知  事  新幹線の福井-敦賀開業については、おっしゃられるとおり在来の特急の存続をどうするか、乗り継ぎをどうしていくのかということは非常に大きな問題だというふうに考えている。その中で、まず第一に大切なことは、敦賀でいずれにしても全てはそのままいくというわけにいかないので、乗り継ぎの利便性をよくしていく、着いたらすぐ特急が出ていくような、そういうような体制をつくっていただく、これはJRに日ごろから、国に対してもお願いをしているというところである。
 その上で、またフリーゲージトレインについては、北陸新幹線でフリーゲージトレインを前提として整備を進めるという事実があったことは間違いない。これは国が主導でやっていたわけであるので、私も東京へ行って、6月25日には石井国土交通大臣や、それから自民党の三役の皆さんにも、そのことで国が何とかフリーゲージトレインにかわるもの、これを考えていただくように強く申し上げているところである。
 一方で、現実の問題として、既存の特急を、在来線の特急を存続させるということになると、日ごろからも答弁申し上げているけれども、貨物の線路の使用料、これの大幅な減額があるということもあるし、それから新幹線の貸付料も影響を受けてくるということがある。さらには、実際の運用上も、じゃあ車両をどうするのか、運転士さんをどうするのか、こういった問題もあるわけであって、これについてはJRともしっかりと話もしていかなければいけない、そうしないと運転士の確保もできない、こういうような状況にあるわけである。
 全ての特急電車を存続させるというのは、正直申し上げても難しい状況なのかなというふうに思う。そういう中で、少しでも利便性を確保する、そういう方法がないのか、こういったことを私どもとしても工夫をしながら、またJRにも協力を求めながら、方法論をこれからもしっかりと考えていきたい、できるだけ存続できるような方向でこれからも交渉していきたいというふうに思っているところである。

◯佐藤委員  実際、その際、国はフリーゲージトレインの開発費用として300億円余りを見込んでいたわけである。開発中止を受けて、単純ではないのだけれど、国の予算であるから。平たく言えば残余のお金もあるということであれば、これを適切に活用して、特急存続への予算措置を求めるべきではないか。


◯地域戦略部長  フリーゲージトレインの整備費として約300億円を用意していたということであるが、その内訳であるけれども、フリーゲージトレイン、またはフル規格の車両、いずれの場合でも使う、走らせる予定の留置線の整備費というのが大層を占めているというような現状である。約8割ぐらいを占めていて、フリーゲージトレイン専用の設備ということで言うと、北陸本線と新幹線の線路を結ぶアプローチ線、その整備費として35億円ということを考えていたというような状況である。
 しかし、昨年8月に北陸へのフリーゲージトレインの導入が断念されたということであって、このアプローチ線として考えていた35億円については、工事実施計画から削除されているというような状況である。
 このため、現時点では工事実施計画にフリーゲージトレインの整備費というのは含まれていないということであって、今、特急存続のためのお金が別途用意されているというような状況にはないということである。

◯佐藤委員  そんなことはわかっているのである。だけど、実際に35億円、敦賀のために、敦賀というかこの福井のフリーゲージトレインのためにもしお金があった、予定していたのであれば、さっきの貨物、貨物のお金が減るとかいろいろおっしゃるのであれば、そういうお金もこっちに回してくれよということぐらい交渉したらどうだということを言っているわけなのである。


新線基金も活用して小浜線の利便性向上を


 現在でも、北陸本線と小浜線の接続の悪さというのは、通勤・通学など利用者、観光客などから指摘されている。新幹線敦賀開業を見据えて、北陸本線、新幹線と小浜線の接続の改善というのが、小浜若狭地域の観光振興あるいはふだんの県民の利便性にとっても不可欠となると思う。
 そこで新線基金も活用して、まず運行本数をふやすことによって、現行の接続の改善など、JRに具体的な改善策を示して協議するべきではないか。


◯地域戦略部長  JR小浜線についてであるが、今後の新幹線の開業を見据えて、具体的に関係市町、JRといろいろ協議をしているところである。
 主な内容であるけれど、路盤の改良などの強靭化である、降雨とか風が強い日にとまってしまうというような、そういったこともあるので、そういったところの強靭化対策というのが必要であるということ。さらには、高速化を図るという、こういう対策として、が必要ではないかということである。さらには、接続改善のための増便あるいは快速列車、観光列車の運行、こういったことについて具体的に協議をしているところであって、先日も知事が直接JR西日本の来島社長様に増便についても依頼を申し上げたというところである。
 その上で、さらには地元の地域が鉄道利用の意識啓発を図ると、いわゆるマイレールというような形であるが、そういったことを地域で示していくことによって、JRに対してそういうアクセス改善の本体を促していきたいというふうに考えている。

◯佐藤委員  JRは民間の企業であるから、もうからないところになかなか列車を走らせないと。だから、乗らないところは便数をどんどん減らすということになってきていると思うのである。であるから、便数が減る、不便になる、またお客さんが減るというこの悪循環を、これやっぱり新幹線開業を見据えてとめないといかんということで、こういう提案もしたので、それは具体的な、ただJRやってくれよというだけではだめなので、そういういろんな財政的なことも含めて協議の俎上にのせたらどうかということは提案をしておきたいというように思う。


老朽原発再稼働と県民への説明責任
 最後に、原子力問題であるが、東日本大震災、福島原発事故があった。ああいう事故を二度と繰り返してはならないというのは、杉本知事も私も思いは同じなわけであるが、そこから先がちょっと展開が違ってくるというところはあるのだけれども、いずれにしてもいまだに4万人、5万人とも言われる皆さんのふるさとの生活が取り戻せていないと。小学校も中学校も商店街もなくなり、神社やお寺もお参りの人がいなくなったと、本当に原発事故というのは本当に罰当たりだというように思う。
 知事にお尋ねをする。原発の危険性を知った者が原発に依存しない社会を目指すことは、人として将来の子々孫々への責務ではないか。一旦事故が起これば、家族も地域も産業も文化も全て失いかねない原子力発電に依存する政策の転換を求めるが、知事の見解をお尋ねする。


◯知  事  委員指摘のとおり、原子力発電については福島の事故、ああしたことを二度と起こさないということを肝に銘じて、私も県民の安全を第一、最優先ということで、これからもさまざまな課題に対応していきたいと、まず思っているところである。 その上で、原子力発電についてはやはり国民の生活の安定であるとか産業の振興、それからエネルギーの安全保障、こういったような意味で、国が中心になって担っている、そういう安全、原子力政策である。そういう意味で、私どもとしては国にもっとしっかりと自分の役割を果たすようにということで、今のエネルギー基本計画の中でも、原子力の比率を20~22に下げていく、こういうようなことをうたっているわけであって、それに対してまたそういう道筋をどうしていくのかということをしっかり早く明らかにするようにということで、申し上げているわけである。これも、私も国の審議会の委員もさせていただいているので、これからも引き続き強く訴えていきたいと思っている。
 また、県内の原子力発電については、私は現実の問題として、40年以上福井県の皆さんは、特に立地地域の皆さんを中心にして、志をもとにこれを、安全に運転を守ってきた、そういう歴史があると思う。その結果として、原子力産業と言えるものが嶺南地域を中心にあって、これらが直接、間接に地域経済、もしくは地域の産業、電気代なんかが安くなるということも含めて、潤わせているということは間違いのない事実である。そういう意味では、こういったことも念頭に置きながら、ただしやはり原子力発電に依存してやっていく、そういう地域経営ではいずれ原子力発電というのはだんだん少なくなっていく、そういうことはエネルギー基本計画の中でも明らかになっているわけであるので、私としては今原子力発電やっている間に、そうした核燃料税やいろんな交付金なんかも活用しながら、地域の振興、永続できる地域、発展できる地域、そういうことをつくっていく必要があると考えているところである。
 そういう意味で、原子力発電、CO2フリーのエネルギーであるので、例えば再生可能エネルギーをさらにふやしていく、また廃炉をビジネス化していく、そういうこともあると思う。
 また、省エネルギーをそういう地域だからこそさらに進めていく、こういうこともあって、地域全体でスマートコミュニティーみたいなものをつくっていく、こういうことも必要だと思う。それは依存しない地域社会に少しでも近づけるように、今後とも、例えばエネルギー・コーストというような構想も持ちながら進めさせていただきたいと思っているところである。


◯佐藤委員  原発にいつまでも依存すべきではないというのは、知事も認識されていると思うのである。ただそれがもうすぐにやるのか、一定期間を置いてやるのかという違いはあるのだろうけども、やっぱりこれは事故の危険性がある以上、これはやっぱり前倒しでやるべきだというように思っている。
 最後の質問になるかもしれないが、知事は一般質問の答弁で、美浜3号機、それから高浜1、2号機の40年超運転については、まず国が運転の必要性、プラントの安全性について国民、県民に対してしっかりと説明をしていただく、そして理解をいただく、そのことが重要だというように答弁された。これは、原子力発電史上初めて未曽有の領域、40年超運転ということに入っていくわけであるから、高浜、美浜という地元での説明は当然である。当然であるが、加えて県民全体の説明の観点ということから、福井市など一定の地域で国と関西電力による責任ある説明会の開催を求めるべきではないか。


◯知  事  40年超運転については、私も先月の25日に、国に対して、立地地域だけではなくて、消費地も含めて必要性それから安全性について国として十分に理解を求めるようにということを申し入れもさせていただいた。
 また、関西電力の岩根社長に対しても、同様に立地地域以外も含めて、今申し上げたプラントの安全性それから必要性について、こういったことも安全性について特にしっかりと説明するようにということも申し入れているところである。
 私も、県民への理解活動は大変重要なことだというふうに思っている。今後とも、国、事業者、それぞれにおいて福井市などの消費地も含めて、しっかりと説明をしていくように求めていきたいと思っているところである。

                              ~以  上~


減らない年金こそ。国民健康保険税の増税抑えるべき。難病医療。原子力行政。会計年度任用職員。

2019年09月13日 | 福井県政

2019年7月8日におこなわれた 県議会一般質問の内容です。

◯18番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。

 

減らない年金こそ

 今、年金問題や消費税増税問題で、国民県民の間に不安と怒りが急速に広がっております。
 2014年の消費税率8%への引き上げをきっかけに、家計消費は実質で年間25万円も減りました。実質賃金は10万円も減りました。日銀短観の景況感も2期連続で悪化しております。これだけ景気悪化の赤信号がチカチカして警告を出している状況での消費税増税は、国に中止を求めるべきであります。
 また、6月補正予算案では県民に手数料などに上乗せをする形で、6,000万円の消費税増税予算案となっております。しかし、県庁は県民から集めた消費税を国に納めず懐に入れるわけですから、殿様商法のそしりを免れません。納税もしない消費税の新たな県民負担はやめるべきであります。
 加えて、年金問題は安倍政権の恐るべき年金削減による生活破壊の不安を爆発させました。金融庁の報告書で、公的年金だけでは2,000万円不足する云々という、自己責任でというフレーズが一気に広がりました。
 安倍総理は日本共産党の志位和夫委員長との党首討論で、マクロ経済スライドによる年金削減が7兆円もの巨額になることを明らかにし、開き直ったわけであります。これは、今40歳以下の方は厚生年金も国民年金も月2万円、夫婦なら4万円、年間50万円弱減らされる計算になります。自営業者の方などの加入する国民年金支給額、現在満額で月6万5,000円ですが、これを現在価格で3割削減し月4万5,000円まで引き下げていくことになり、憲法で保障された生存権を奪う生活破壊につながるものです。国民の年金支給額を減らして、年金制度を形だけ維持することを国民は望んでおりません。小遣いのような年金額に引き下げるのではなく、実際に生活できる年金額の保障こそ必要です。
 日本共産党は、年収1,000万円で頭打ちとなっている年金保険料を見直し保険料の増収を図ること、丸々4年分、約200兆円もためこんでいる保険料の給付への活用などによる減らない年金を提案しております。安倍政権の年金削減ではなく、減らない年金こそ国民県民にとって重要だと考えます。
 そこで、杉本知事は、マクロ経済スライドで実際に減っていく年金が県民生活に与える影響についてどう考え、県民の老後を支える年金制度についてどういう対策が必要だとお考えですか。見解をお尋ねいたします。

 

子ども食堂支援を


 さて、景気が悪い中で最も影響を受けやすいのが貧困家庭の子供たちです。この間、医療費助成制度は県と市町で中学校卒業まで窓口無料化が昨年度から実現し、子育て中のパパママからは大変喜ばれております。ぜひ高校卒業まで県の助成も拡大して、一層の子供医療費の助成拡大を実現していただきたいと思います。高校生になると小学生よりは病気になりにくく医療費がかからないと言われております。一方で、先日お話をお聞きした高校生はアトピーで治療費がかかるのでぜひ支援してほしいと話されておりました。
 また、食事の貧困問題も各地で問題となり、全国的には「子ども食堂」、大人も含めた「青空食堂」などいろんな形で広がっております。ボランティアによる食材の協力や調理の協力で支えられているところが多いわけですが、各地で行政や社協による公的な支援も強められております。

 富山県では「子供たちが生まれ育った環境に左右されず健やかに育つことを推進するため、地域住民やボランティア・NPO活動を行う組織・団体などが、食事その他の生活環境が十分ではない子供を地域で支えるこども食堂の取り組みに対して立上げ経費の助成を行う」として県と市町で1カ所当たり20万円の補助制度をつくっています。私も県内の「子ども食堂」関係者から行政の支援への御要望も、この間お聞きをしてまいりました。
 そこでお尋ねいたします。
 福井県内での子供対象の「子ども食堂」や、大人も対象とした「青空食堂」などの実態をお尋ねするとともに、福井県としても活動を支援する助成金制度を創設すべきではありませんか。見解をお尋ねいたします。

 

妊産婦への医療費助成を
 さて、妊婦が外来受診した際に窓口負担がふえる妊婦加算が、導入後わずか9カ月でことしの1月から凍結に追い込まれました。この背景には、現役世代の3割という高過ぎる窓口負担の問題があります。妊婦加算を2020年度から再開する方向とのマスコミ報道もありますが、高負担を放置したまま再開することは許されません。少子化対策、人口減対策に真っ向から背く負担と言わなくてはなりません。
 安心して子供を産み育てたいという願いに応えるには、厚生労働省の検討会でも意見が出ました出産前後の妊産婦に対する医療費助成制度が必要です。しかし、公益社団法人日本産婦人科医会の調べによると、同制度を実施している都道府県は岩手県、茨城県、栃木県、富山県の4県にとどまっております。福井県内では池田町とおおい町のみが自己負担分を全額無料化、あるいは助成しております。
 福井県としても、国の責任ある対応を求めつつ、県としても生まれた子供への医療費助成を行っているわけですから、生まれてくる子供たち、未来の県民への支援の観点から、妊産婦への医療費助成制度の創設を提案いたしますが、見解をお尋ねいたします。

 

難病患者で医療費助成からはずされた患者は
 次に、指定難病患者への医療費助成制度について質問いたします。
 経過措置が終了し、昨年1月から導入された軽症の患者を対象から外す重症度分類によって、受診抑制が生じているおそれがあります。厚生労働省によれば、経過措置終了後に不認定となった方は全国で8万6,000人、申請がない・不明という方が6万1,000人という事態です。助成から外れた患者の半年間の通院回数が5.3回から3.6回に低下し、明らかに受診抑制が起こっております。
 そこで、福井県内では重症度分類後に不認定となった方、申請なしの方の実態及び受診抑制が起こっていないのか実情をお尋ねいたします。
 また、難病は症状が安定していても治療を中断すれば一気に重症化する危険があるわけで、県として国に改善を求めるべきではありませんか。見解をお尋ねいたします。


国民健康保険税の増税を抑えるべき

 次に、国民健康保険について質問いたします。
 今、県民の医療を取り巻く状況はどうでしょうか。経済的困難から治療を中断する方がふえている状況があります。医療機関が治療中断の患者さんに連絡をとると、以前は「今、仕事が忙しい」などの事情を述べた方が多かったそうですが、最近では「また行きます」と答えながらも治療に来ない患者さんがふえているそうです。その背景には経済的事情が見えてきます。
 中高年の方だけではなく、県外の大学を卒業し帰省した若者が定職につけないまま数百万円の奨学金返済に苦しみ、無料低額診療を利用されるというケースもお聞きいたしました。杉本知事にはぜひ経済的困難に置かれている県民の実態にも目を向けていただきたいと思います。
 さて、安倍政権が6月21日に閣議決定した骨太の方針2019──経済財政運営と改革の基本方針──は、社会保障費抑制のさらなる加速化を打ち出しました。高過ぎる国民健康保険税を軽減するために市町村が独自に行ってきている公費繰り入れを目のかたきにして「早期解消を促す」と強調いたしました。繰り入れが削減、廃止されれば、今でも高過ぎて払えない国民健康保険税はさらに大幅に、あるいは連続して値上げされるではありませんか。今回の骨太方針では、努力が足りない自治体への交付金を減らす減算措置をつくると明記したことは重大です。
 閣議決定に先立ち、私ども県内の日本共産党議員団は6月14日、厚生労働省に対し、国民健康保険会計への一般会計からの繰り入れを引き続き認めるべきだ、子供の均等割額をゼロ円にするべきだ、などを要求して交渉を行いました。国側の回答は、一般会計繰り入れの計画的な削減、急激な保険料の値上げの抑制に努める、子育ての特別調整交付金100億円を200億円にふやす、均等割額については引き続き議論していく、などとの回答でございました。
 私は、県単位の国民健康保険の制度当初は、一般会計からの繰り入れで保険税の値上げ抑制は引き続き構わないとしていた方針を大きく変えるものであり、公費投入が削減されれば保険税の引き上げしかなくなるではないかと批判をいたしました。
 そこで質問いたします。
 そもそも今でも国民健康保険税は協会けんぽの保険料よりも本人負担が約2倍と高いわけです。公費投入によるこの負担格差の是正こそ全国知事会も国に要求していることです。全国知事会の要求に背を向けて、当初の約束を早くもほごにして、一般会計繰り入れの解消を押しつけて、結果として保険税引き上げにつながりかねない国の方針のもとで、杉本知事はいかにして今でも高過ぎる保険税をどのように抑制しようとしているのか、あるいは知事は増税容認なのか、お尋ねいたします。


県立病院でも無料低額診療を

あわせて、現在、数カ所の医療機関にとどまっている無料低額診療について、最初に紹介いたしました県民の中での貧困問題への対応の一環として、県立病院でこそ無料低額診療事業を行うべきと提案いたしますが、見解をお尋ねいたします。

 

知事の原子力行政に提案
 次に、原子力行政について質問いたします。
 まず、原子力行政での知事の徹底現場主義について、2点提案をいたします。
 一つは、何といっても日本の原子力行政の転換点となり、安全神話崩壊により国民意識の転換点となった福島原発事故の現場、被災地を知事みずから視察すべきではありませんか。お尋ねいたします。
 第二は、栗田県政時代には行われていた原子力推進行政に批判的な県民運動団体との意見交換を、杉本知事みずから行っていただきたいと思いますが、知事としての御見解をお尋ねいたします。

 

原子力防災訓練、ヨウ素剤について
 さて、8月末には美浜原発事故を想定した原子力防災訓練が行われます。これは関西電力が計画している老朽化原発美浜3号機の再稼動を見据えたものにほかなりません。
 ところで、テロ対策の特重施設未完成なら原子力規制委員会は運転停止を命令します。関西電力はその期限までの間、美浜や高浜で40年以上経過した老朽化原発の再稼動を行おうというものです。
 しかし、原子力規制委員会が規制基準に違反するとして運転停止命令を出すことが確実な原発を再稼動すること、福井県としてこの関西電力の計画を追認することは、杉本知事の主張する県民の安全第一とは矛盾するではありませんか。知事の見解をお尋ねいたします。
 美浜原発事故を想定した訓練について、その事故想定と訓練内容について、前回の訓練を踏まえた改善点をお尋ねするとともに、2月議会で提案いたしました大雪想定のシミュレーションなどは行う計画があるのか、お尋ねいたします。
 また、6月14日に私たちが原子力規制庁や内閣府などと交渉した際に、原発事故時に甲状腺被曝を予防するヨウ素剤については、「40歳以上についても希望者には配布する、そのための必要量の備蓄も認める、どうするかは自治体の判断です」、「学校、公民館などに備蓄する体制を構築していくことが必要です」などの回答がありました。
 ヨウ素剤の備蓄について、県として引き続き年齢で区切る計画とはしないのかどうか、また、学校、公民館などへの備蓄体制の現況と今後の整備計画についてお尋ねいたします。

 

会計年度任用職員について
 次に、会計年度任用職員について、今議会に提案されております。

この説明資料は、改めて福井県の公務労働がいかに非正規労働によって支えられているか、赤裸々に物語るものです。知事部局で880名、学校では1,023名、警察では161名ものアルバイトや嘱託職員によって公務の現場が支えられているのです。その労働条件はまさにワーキングプア、年収133万円とか161万円という低水準のものです。西川前知事が自慢していた福井県は一番職員を減らした県だと、この内実がこれであるわけです。
 ところが、杉本知事も「行財政改革アクションプラン」案において、「平成30年度の一般行政部門の職員数は、平成7年度と比較して約25%減の2,783人となり、全国最少水準となっています」と西川県政の評価を踏襲しております。すなわち、正規職員の減少をワーキングプアの非正規職員で置きかえカバーしてきた手法に、何の反省も見られないのは重大な問題ではありませんか。正規労働者を削減し、年収200万円に満たない大量の非正規労働者に福井県行政の各部門が支えられている状況は放置できません。
 御承知のように民間では5年を超える場合、期間の定めのない労働契約に転換できます。そこで、アルバイト、嘱託職員について、5年以上の勤務実績の者はそれぞれ何人かお尋ねいたします。
 また、福井県独自の能力実証制度を導入し、この間のいわゆる仕事ぶり、能力などを適正に評価しつつ正規雇用への道を開くことを検討すべきと考えますが、知事の見解をお尋ねいたします。

 

労働災害について
 最後に、労働災害について質問します。
 福井労働局の2018年の労働災害発生状況まとめによると、休業4日以上の死傷者数は前年比26.4%ふえ1,033人となり、2001年以降、17年ぶりに1,000人を突破いたしました。死傷者のうち死亡は前年比で5人ふえ、10人と倍増したなどと報道されております。最近も繊維会社での痛ましい火災死亡事故が起こりました。亡くなられた方々の無念を思うと言葉もなく、御冥福をお祈りいたします。
 労働災害は労働過程が安全でないために起こるのであり、根絶可能なものです。しかし、新幹線のトンネル工事や原子力発電所の安全対策工事などで10時間2交代制とか1日2交代制がとられていることは、過労に伴う事故の発生要因となりかねず、重大であります。
 そこでお尋ねいたします。
 2016年以降の県発注工事、新幹線建設工事、原子力発電所内におけるそれぞれの労働災害の発生件数とその主な内容と、とられた対策をお尋ねするとともに、発注者等の立場から県も是正を求めるべきではありませんか。

◯副議長(小寺惣吉君) 知事杉本君。
    〔知事杉本達治君登壇〕

◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の一般質問にお答え申し上げます。
 まず、マクロ経済スライドで減っていく年金が県民生活に与える影響、また、年金制度についてどういう対策が必要と考えるかということについてでございます。
 年金につきましては、御案内のとおり国会等でさまざま議論がされておりまして、そういった前提に立って今の制度が成り立っているというふうに考えているところでございます。まずは国が国民に対して年金制度について丁寧な説明をしまして理解を得ることが大切だというふうに考えているところでございます。
 その上で、私は基本的に、現在の60歳の定年制度を前提とした社会システムで今の年金制度を維持するというのは、ある意味難しい状況なんだろうと思います。そういう意味では、例えばまず一つは、60歳を65歳とか70歳に定年を引き上げていくという考え方が社会でされているというふうに思います。ただ、私個人的に思いますのは、65歳に上げるくらいまでは多分いけるんでしょうけど、70、75歳に上げていくというのはやっぱり個人的な身体の差等ありますので、そこから先は一人一人に合った働き方ができる社会に変えていく、そういう中で少しずつ所得を得ながら、年金も制度を維持しながら全体で生活をしていくというような社会に変えていくことが必要なんだろうと思います。
 そういう意味では、県といたしましても自分に合った形で仕事ができるような、そういう就労の仕方ですとか有償のボランティア、または世帯で所得を上げていく、いろんな形があると思いますけれども、社会全体で年金をできるだけ維持できるような、そういう体制にしていくということも、県としても引き続き努力をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 続きまして、国民保険税についての抑制策についての御質問でございます。
 国民健康保険につきましては、もともと制度的に加入されている方が年齢が高くて所得が低いということで、これからも高齢化が進むという社会におきましては、運営は非常に厳しいという状況は予想されるところでございます。
 県といたしましては、これからも市や町と十分に協議をいたしまして、国庫、それから県の繰入金、さらには財政健全化基金の特例措置を使いまして激変緩和の措置を実施する、こういうことを継続しながら保険税の急激な上昇を抑えてまいりたいと考えているところでございます。さらに、財政基盤の確立に向けて、全国知事会などを通じまして国に対しても要請してまいりたいと考えております。
 その上で県といたしましても健康づくり、例えばフレイルの予防ですとか、さらには元気なお年寄りがいろんなサークル活動をされています。こういう方々は病院に行く機会も少なく一生懸命そこで楽しんでいらっしゃる、こういうようなこともされておられますし、また、農作業なんかでも家の外でしていけるような、そういう環境を整えていく、こういうようなことをすることで少しでも医療費を抑制していく、こういうことも含めて国保税、国保料の水準を抑えてまいりたいと考えているところでございます。
 続きまして、原子力について3点、お答えを申し上げます。
 まず、福島事故の現場を見たのかということでございます。
 私は消防庁の国民保護・防災部長をさせていただいておりました一昨年の9月に、福島県、特に福島原発の第一号原発のあった地域にまいりまして、例えば帰還困難区域の双葉町、それからちょうどそのころ避難指示解除がされました浪江町、こういったところも拝見をしてまいりました。福島第一原発から3、4キロのところまで近づきましたけれども、そういった場所では地震の直後壊れた家もそのままという状況ですし、それから、避難指示が解除されたところも少しずつお店なんかも出てきていますけれども、まだまだお客さんの少ないという状況を目にしたところでございまして、決してほかのところではこういうことを起こさない、これが大切なことだというふうに考えているところでございます。こうしたこともございまして、私は就任いたしましてすぐ、5月には大飯原子力発電所にまいりまして、現在の工事の状況、稼動の状況を見てきたわけでございます。
 これからも安全を最優先にいたしまして、福島のような事故は二度と起こさないということを肝に銘じまして、これまでそのほかの原子力発電所についても例えば廃炉の状況、それから運転の状況、工事の状況、こういったことも確認をさせていただき、これからの原子力政策に生かしてまいりたいと思っているところでございます。
 それから、県民運動団体との意見交換をみずから行うべきではないかという御質問についてでございます。
 私は当初から徹底現場主義ということを申し上げております。いろんな形で県民の皆さんにお会いもし、お話もお伺いする、そういうことは続けてまいりたいと思っております。ただ、これは私だけではなくて職員も一緒になってやっていくということでございまして、もちろん私一人で全ての行政ができるわけではございません。原子力行政に限らずさまざまな場面で、専門の知識を持った職員も含めて県民の皆さんとの意見交換、お話を聞かせていただく、こういうことは続けてまいりたいと思っております。
 私も副知事時代に県の原子力環境安全管理協議会、こういったところにも出ましていろんな御意見も伺いました。その後、知事にも報告をして次の政策に生かす、こういうこともやってまいったわけでございまして、これからも、まずは職員も含めて県民の皆さんにお会いさせていただく、また、私も必要があればお会いさせていただく、こういうことをやってまいりたいと思っているところでございます。
 続きまして、原子力発電所の40年超運転、また、特定重大事故等の対処施設についての考え方についてでございます。
 美浜3号機、それから高浜1・2号機の40年超運転については、まずは国が運転の必要性、プラントの安全性について国民、県民に対してしっかりと説明をしていただく、そして理解をいただく、そういうことが重要であるというふうに考えているところでございます。
 一方で、特定重大事故等対処施設につきましては、これは40年超運転とは別の観点で規制をかけられているところでございまして、そういうことで今、工事が進んでいるというふうに理解をしているところでございます。規制委員会が安全サイドに立って、今、設置期限を定めているところでございますので、ここは規制委員会と、それから事業者の間でしっかりと責任を持って事業を進めていただくということかと思っているところでございます。
 残余につきましては、担当より御説明をさせていただきます。

◯副議長(小寺惣吉君) 総務部長櫻本君。
    〔総務部長櫻本 宏君登壇〕

◯総務部長(櫻本 宏君) 私から会計年度任用職員制度について、アルバイト、嘱託職員について5年を超える勤務実績の者はそれぞれ何人か、県独自の能力実証制度を導入し、正規雇用への道を開くことを検討すべきとの御質問にお答え申し上げます。
 勤続5年を超える非常勤職員については、アルバイトが124名、嘱託職員が273名となっております。

正規職員は、地方公務員法において競争試験による採用が原則とされておりまして、厳格な成績主義が求められております。これは、長期の継続任用を前提とした人材の育成、確保の観点と、人事の公正を確保し情実人事を排する観点から必要とされているものでございます。このため、臨時・非常勤職員を正規職員に転換する場合には、試験により正規職員としての能力実証を改めて行う必要がございまして、こうした試験を経ずに一定期間勤務を継続したことのみをもって正規職員に転換することは困難とされているところでございます。
 なお、過去に臨時・非常勤職員の勤務経験がある者について、試験を行った上で正規職員として採用している実績はあるところでございます。

◯副議長(小寺惣吉君) 安全環境部長清水君。
    〔安全環境部長清水英男君登壇〕

◯安全環境部長(清水英男君) 私からは2点、お答え申し上げます。
 1点は今年度の原子力防災訓練の事故想定とその訓練内容について、前回訓練を踏まえた改善点を伺う、それから、大雪想定のシミュレーション等は行うのかという御質問でございます。
 今年度の原子力防災訓練における事故想定及び訓練内容の詳細については、現在、まだ関係機関との調整中ではございますが、発電所の事故制圧訓練と連動した災害対策本部運営訓練、あるいは避難している住民への情報の提供の充実というようなことなどについて、昨年の防災訓練の課題に対応した内容としたいというふうに考えているところでございます。
 また、大雪時の対応につきましては、高浜、大飯地域の広域避難計画においては、短期間の集中降雪による局地的大雪の発生等に柔軟に対応できる体制を整備するということにされておりまして、今後、別途個別訓練として、図上訓練等も実施をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 2点目、労働災害についてでございます。

原子力発電所内における災害発生の件数、県の対応ということでございます。
 安全協定に基づき事業者から報告を受けている労働災害は、2016年度から昨年度までに計17件起こっております。例えば、仮置き資材の落下やドリルへの接触による負傷などが発生いたしており、事業者は事前に手順、現場を入念に確認するなどの対策を講じているところでございます。
 県は発注者という立場ではございませんが、発電所の安全確保という観点から、事業者だけではなくて実際工事を行う関連会社も含めて、「より慎重な作業が求められる原子力発電所で工事を行っているんだ」という工事に携わる人々の意識の徹底を図るように求めているところでございます。

◯副議長(小寺惣吉君) 健康福祉部長窪田君。
    〔健康福祉部長窪田裕行君登壇〕

◯健康福祉部長(窪田裕行君) 私から5点、お答えをいたします。
 まず、「子ども食堂」や「青空食堂」の実態、それから、県として支援をする助成金制度を創設すべきではないかというお尋ねでございます。
 県内の「子ども食堂」でございますけれども、4年前の平成27年度には2カ所でございましたが、現在は11市町に24カ所と拡大してきております。今後も増加が見込まれているところでございます。
 こうした「子ども食堂」などは、住民の有志がボランティアとして行っているものもございますし、社会福祉法人が社会貢献活動として行っているものなどがございます。食事の提供だけでなく、ボランティアが子供たちに宿題を教えたり、それから紙芝居とか楽器の演奏をするなど、地域で子供と大人が交流する場というような性格を持ち合わせている状況がございます。
 このような活動を支援する助成金につきましては、社会福祉協議会などの民間の助成制度がございますので、その制度の周知を行うとともに、それぞれの団体から活動状況や課題などを十分にお聞きしまして、支援のあり方について検討を進めていきたいと思っております。
 次に、妊産婦への医療費助成制度を創設してはどうかという御提言でございます。
 本県におきましては、これまでも3人目以降の保育料無償化や所得制限なしでの子供医療費助成、不妊治療に対する手厚い支援など、妊娠から出産、子育てまで、全国的にも先進的な支援を行っているところでございます。しかし、近年は出産年齢が上昇してきておりまして、特別な健康管理を必要とする妊産婦の方でございますとか、核家族化によりまして家族のサポートが得られない方もふえてきているという状況にございます。
 妊産婦への支援につきましては、今後、子育て支援策全体を議論していく中で課題の一つとして捉えております。先行している自治体の取り組みなどを参考にしながら、子育て支援策全体の中で検討していきたいというふうに思っております。
 次に、指定難病の重症度分類後に県内で不認定となった方、それから申請がなかった方の実態、それから制度自体、国に改善を求めるべきではないかという御質問でございます。
 平成27年1月に施行されました難病法におきまして、医療費助成の対象となる疾患数は大きく拡大されましたけれども、原則、重症度基準を満たす患者さんのみが対象となったということがございました。ただし、法施行前までに認定を受けていた方につきましては、重症度を満たさなくても助成対象となるという3年間の経過措置が設けられております。
 本県において、昨年12月で経過措置が終了した以降に軽症ということで不認定となった方は344人おられます。それから、更新申請しなかった方は572人おられました。
 これらの方々を含めまして、県ではこれまで10回にわたり患者団体の皆さんから御意見を伺ってきております。治療費が高額となる場合には助成制度もございますので、医療費助成についての新たな要望というのは現在のところは受けていないという状況にございますけれども、この点につきましては今後も意見交換を継続して設けまして、必要があれば国への提言等も行っていきたいというふうに考えております。

次に、県立病院で無料低額診療事業を行うべきではないかという御質問でございます。
 無料低額診療事業と申しますのは、社会福祉法人、それから医療法人、医療生協等を対象として設計された制度でございまして、これを実施しますと事業者に対して固定資産税などの税の軽減措置があるという仕組みになっております。しかし、公立病院の場合は非課税でございますので、税の軽減による効果を受けることができないということもありまして、全国で、公立病院でこの制度を実施している例はございません。
 さらに、この事業の適用を受けるためには、患者の延べ数の1割の患者さんに減免を行う必要がございます。県立病院でこれをやりますと、これに見合う約5万人に減免を行う必要がございまして、経営上大きな負担となりますので、その影響については慎重に検討しなければいけないというふうに考えております。
 県立病院自体は、経済的困窮の有無にかかわらず全ての患者さんを積極的に受け入れております。経済的に困窮しておられる患者さんに対しましては、引き続き高額療養費とか生活保護を初めとする各種制度を御案内するなど、患者に寄り添った対応を行っていきたいと考えております。
 最後にヨウ素剤の備蓄、これを年齢で区切るという計画はしないのか、それから、学校、公民館などの備蓄の現況と今後の計画というお尋ねでございます。
 7月3日の原子力規制委員会におきまして、安定ヨウ素剤のPAZ内住民への事前配布につきましては原則40歳未満を対象とする、ただし40歳以上でも希望者には配布できるとされました。また、UPZ内住民への緊急時の配布につきましては、年齢にかかわらず配布対象としてよいということになっております。
 現在、安定ヨウ素剤の備蓄につきましては、12市町の学校、公民館、それから市町の庁舎等の公共施設、こちらにUPZ内の40歳以上を含む全住民分──約34万人分ですけれども、この数量を備蓄しております。今後も40歳以上に配布できるよう、備蓄は継続していきたいと考えております。
 以上でございます。

◯副議長(小寺惣吉君) 土木部長大槻君。
    〔土木部長大槻英治君登壇〕

◯土木部長(大槻英治君) 私からは1点、労働災害についてのお尋ねでございます。
 先ほどありました原子力発電所内における事故を除きまして、2016年以降の県発注工事、それから新幹線建設工事の労働災害発生件数とその主な理由と対策、それから発注者の立場からの県としての取り組みについてのお尋ねでございます。
 県発注工事における労働災害につきましては、農林水産部所管では山間部の工事中に誤って転落し骨折するなど4件発生しております。また、土木部所管では作業員が転落防止のための安全帯、これをつけていなかったことによる転落事故など10件発生しているというところでございます。当該の事案については、県では労働基準監督署の是正勧告などを踏まえまして、工事の指名停止などの措置を行っているというところでございます。
 なお、新幹線の建設工事における労働災害につきましては、県が発注者ではないということでございますので、受注者から報告等を受ける立場でないことから、発生件数等については承知をしていないというところでございます。

◯副議長(小寺惣吉君) 佐藤君。

◯18番(佐藤正雄君) いろいろ御答弁ありがとうございました。
 まず知事に、国民健康保険税のことなんですが、知事は急激な上昇を抑えるとおっしゃったんですが、既に、例えば平成22年度で1人当たりの国民健康保険税8万5,726円から、平成29年度には9万8,604円ということで、もう既に1.3万円、1人当たり上がっているわけですよ。4人家族ならこの数年間で5万円以上既に上昇しているんですね。ですから、これを急激な上昇を抑えるといっても、既にどんどん上がってきているのを、やっぱりもうこれ以上上げないということで、もっと前向きにこれを抑制といいますか、保険税の抑制に取り組んでいただきたいと思いますが、その点、知事に国保税について確認したいと思います。

それから原子力行政なんですが、知事も実際、福島原発事故の現場を見られたということですから、あの悲惨な状況を二度と繰り返してはならないと、こう思われるのは当然だと思います。しかし、知事の答弁を聞いておりまして、その点では西川前知事のフレーズと余り変わらないなというのが私の率直な感想なんですね。西川前知事も、私がこういう質問をすると、絶対、福井県では原発事故を起こさないんだと繰り返しおっしゃいましたし、安全最優先でやるんだと、このようにおっしゃっていたわけなんですね。しかし、結果的にはどんどん40年超の工事も認めるということになってきている。本州では唯一、福井県だけが再稼動を認めていると、こういう実態があるわけなんです。
 ですから、私が今回お聞きしたのは、福井県だけが突出して40年超の原発の再稼動まで認めていく方向になってきていること、しかも原子力規制委員会がその特重施設が完成しなければ、これはもう規制基準に違反するから運転停止かけますよと、明確に言っている原発まで動かしていいのかどうかということを、これは知事の認識としてもう一度再確認をしたいというように思います。
 それから総務部長に1点御確認しますが、会計年度任用職員についての御説明はわかりました。わかりましたがアルバイトで124人、嘱託で273名の方が5年以上にわたって働いておられる。これも一方の事実ですね。
 国は、会計年度任用職員の同じ人の更新は2回までだと、こういう指針を持っているとお聞きしているんですね。県は一体どうされるのかと。これまで5年以上、あるいは10年にわたって働いていた職員を、2年でもうあなたはだめだということをやられるおつもりなのかどうかと。これを防ぐには何らかの形で雇用を転換しなきゃ、嘱託職員の方であれアルバイト職員の方であれ、有能な職員の方を福井県が手放してしまう、手放さざるを得ないということになるのではないかと思いますが、その辺はどのようにお考えになっているのかという点をお尋ねします。

◯副議長(小寺惣吉君) 知事杉本君。

◯知事(杉本達治君) まず、国民健康保険税の関係につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども保険税の税額の急激な引き上げ、こういったものを抑制するための措置を県としてできるだけのことをしてまいりたいと思っております。
 また健康づくり、こういったことでそもそも医療費がかからない社会にしていくことについて最大限努力をしていく、その上で、国民健康保険制度の問題として、財政基盤をしっかりと守る、こういったようなことの点については知事会なども含めて国に対しても強く要請をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、特定重大事故等対処施設、これについて、もしくは40年超運転の原子力発電所の運転再開の件でございますけれども、まずは国として、40年超運転に対する考え方をしっかりと国民に説明していただいて理解を得るということは先ほど申し上げたとおりでございますし、また、この特定重大事故等対処施設の件については、別の観点から設けられている規制、それに対する期限ということが設けられているわけでございまして、これは国と事業者の間で十分に話し合いをしながら前向きに進めていただくということだろうと思っております。

◯副議長(小寺惣吉君) 総務部長櫻本君。

◯総務部長(櫻本 宏君) 会計年度任用職員は、御案内のとおり公募により選考することになっております。公募により選考された職員は、今議員御指摘のとおり2回までその所属において更新をすることができます。それ以降でございますが、改めて公募により選考するということになります。

◯副議長(小寺惣吉君) 佐藤君。

◯18番(佐藤正雄君) 1点お尋ねします。
 この特重施設等の問題は、前向きに事業者と国が話し合いというのはどういうことですか。前向きにということは、どういう意味なんですか。
 私が言っているのは、規制基準に違反するような原発を動かしちゃいけないということを、知事として言うべきじゃないかという趣旨で言っているんですが、知事が前向きにというのはどういう意味ですか。

◯副議長(小寺惣吉君) 知事杉本君。

◯知事(杉本達治君) 規制委員会が定めた規制に従って、事業者はそれに基づいて安全対策等を施すということの趣旨でございまして、決して稼動を前向きにしろという趣旨ではございません。
 以上でございます。


私の県議会質問は19日午後1時40分からです

2019年09月13日 | 福井県政

 昨日は県議会代表質問、議会運営委員会が開催され私の一般質問は19日午後1時40分から2時20分となりました。

質問内容は以下の内容です。

 1、思い切った子育て支援こそ!

 2、長期ビジョン・実行プランではカネの流れも重視すべき

 3、あの原子力総合防災訓練で原発事故時に県民は避難できるのか

 4、その他