2019年07月11日 総務教育常任委員会及び予算決算特別委員会総務教育分科会 での佐藤正雄委員の質疑です。
◯島田分科会長 まず、予算決算特別委員会総務教育分科会の審査に入る。 予算議案のうち、第42号議案の地域戦略部、会計局、選挙管理委員会、監査委員及び人事委員会関係分について、各委員より発言を願う。
嶺南エネルギー・コースト形成計画について
◯佐藤委員 6ページの嶺南エネルギー・コースト形成計画(仮称)策定事業だが、これはエネルギー研究開発拠点化計画を取り込んだ形で、もんじゅの廃止を受けバージョンアップしていきたいという説明だった。 それで聞くが、これまでエネルギー研究開発拠点化計画の予算は文部科学省や、経済産業省などから、いろいろ来ていたと思うが、歳入予算の見込みはどのように変わるのか。
◯電源地域振興課長 新計画については、これから中身を詰めていくので、今具体的にどうなるかという見込みは立っていないが、試験研究炉に関するシンポジウムの開催については国が若干予算をふやしているので、少なくとも現状は維持していきたいと考えている。
◯佐藤委員 そうすると、現状は、文部科学省や経済産業省からこれまでのエネルギー研究開発拠点化計画の年度単位の予算が継続して来ていて、それで動いているということか。
◯電源地域振興課長 エネルギー研究開発拠点化計画のための予算は特に用意されていないが、経済産業省や文部科学省の交付金の一部を充てて人材育成等の事業をしているので、それについては引き続きやっていきたいと思っている。
◯佐藤委員 従前のエネルギー研究開発拠点化計画では国から予算が来ていて、今は予算がなくなった事業はどういうものがあるのか。
◯電源地域振興課長 交付金等については、例えば、FBR交付金は終了しているので、そういったものについては金額が落ちていると思う。
◯佐藤委員 もんじゅが中核としてあり、そのエネルギー研究開発拠点化計画ということで、かなり文部科学省等からお金が来ていたと思う。もんじゅが廃止になると、文部科学省からの予算が従前の規模で来るとは当然考えにくい。そうなると、いろいろな事業の見直しで、新しい計画をつくることになると思うが、おおよその予算規模がこれまでの2割減になるのか、3割減になるのか、その辺の見通しも定かではないのか。
◯電源地域振興課長 現時点で見積もりは出していない。
◯佐藤委員 では、具体的に計画をつくる委員の構成はどのようにするのか。これまでは中央官庁や各電力事業者の社長、県、市町がメンバーだったが。
◯電源地域振興課長 国に関しては、資源エネルギー庁、文部科学省に引き続き参画をお願いしている。それから、電力事業者についても引き続き社長の参画をお願いしている。今回、再生可能エネルギー等を取り込もうと考えているので、そういった部分の有識者を新たに追加したいと考えている。
◯佐藤委員 そうすると、これまでのメンバーは減らずに再生可能エネルギー関係の有識者がふえるということでよいか。
◯電源地域振興課長 今まで余り出席いただけなかった方もいるので、そういった方については若干見直しを行っている。現時点では大体17名で、少し減らす方向で委員の構成を考えている。
◯佐藤委員 第1回の委員会はいつごろ開く予定か。
◯電源地域振興課長 今準備を進めているところで、夏から秋にかけて第1回の会議を開催したく調整をしている。
並行在来線準備会社出資事業について
◯佐藤委員 8ページの、並行在来線準備会社出資事業である。福井市議会で、ここだけとりあえず出資してと言われても、並行在来線の会社がどれくらいのお金がかかるのかという全体像がはっきりしないと、出資は難しいのではないかという議論があったとマスコミで報道されている。おおよそで結構であるが、県では、JRからの資産の買い取りや出資金を含めて、総事業費として大体どの程度見込んで、予算を出しているのか。
◯地域鉄道課長 JRからの資産の取得、会社を設立する出資金、会社を支える経営安定基金、この3つが主に負担を伴うが、JRからの資産の受け入れに対するものについては県での負担を考えている。その額については現在JRと交渉中で、まだつかめていない状況である。出資金については、全体として20億円と見込んでおり、県7割、市町2割、民間1割の負担としている。市町ごとの負担については、もう一つ、経営安定基金があるが、その規模と合わせてもう一度市町ごとの負担を考えようと市町と調整している。今回はとりあえず会社を1年早く立ち上げて、人の確保に努めるということで、暫定的な措置として県、市町、民間で5億円の出資をするものである。
◯佐藤委員 経営安定基金は幾らぐらいの規模で、県と市町の負担割合はどのくらいで考えているか。
◯地域鉄道課長 経営安定基金の規模である。収入について、どれだけの利用促進策を図って収入が見込めるか、乗車人数がどれだけ見込めるかを考えていく。支出については、会社の規模をどれくらいにするか、線路保守や運行経費がどれくらいかかるかを精査する。その差し引きで経営安定基金が出てくるので、これからそういった規模について議論していきたいと考えている。 県と市町の負担については、富山や石川の例を見ると、県が5割、市町が5割という負担をしているので、そういった他県の事例も参考にしながら考えていきたい。
◯佐藤委員 JRの資産については、大分前から必要なところは買うし、必要でないところは買わないというように、JRと協議して作業を進めていると思う。大体で結構であるが、今のJR資産の何割を買うのか。
◯地域鉄道課長 まだJRから資産の状況が細かく示されていないので、どの程度買うというところまでは至っていない。
◯佐藤委員 この数年間、JRと協議して、資産状況を調査されてきたと思うが、今でも資産の状況が示されていないというのはどういうことか。
◯地域鉄道課長 昨年5月ぐらいから本格的にJRと議論を始めており、今は、例えば、指令などは福井県と石川県とJRが共同で使用するので、負担割合や管理方法をどうするか、敦賀駅だと車両基地はJRと福井県会社が管理することになるが、どういった管理方法があるかなど、そういった調整をしているところである。
◯佐藤委員 新幹線の建設費用も大きくふえたりした。マスコミの報道の範囲であるが、並行在来線について福井市議会でいろいろ議論があったのは、後出しで費用がふえていくのでは困る、そういう気持ちだと思う。それは県議会も同じことで、とにかく三セクだ、まず出資金だ、経営安定資金だ、今度は買い取りの費用だという感じで、結果的にどんと膨らんだ支出が求められるのでは、我々から見ても、県民に対する説明責任がつかないという面がある。富山、石川の例を見れば、JR資産の8割は買うとか、7割は買っているとか、そういう大体の試算が見えると思う。富山、石川では、線路はこのぐらいの単価で買っている、駅舎は大体これぐらいで買っているということがあれば、おおよその県としての試算ができると思う。もう少し説明責任を果たしていただけないか。
◯地域鉄道課長 他県の例とあったが、初期投資額について、富山県では当初288億円といっていたものが185億円になり、約100億円程度減額している。本県については、昨年度、初期投資額の調査を出させていただいたが、そのときに307億円という金額を出しており、そこから富山県以上に削減できるようチェックしたいと思っている。 なお、資産の受け取りについては、簿価で受け取るので、そこから何割引という議論にはならないのであるが、極力、鉄道事業に必要ない資産は受け取らないよう努めたいと考えている。
新幹線工事での水枯れなどについて
◯佐藤委員 長期ビジョンの話も大事だと思うし、人口減少等は福井県だけの問題ではないので、悩ましいところがあると思う。2月定例会でも福井市と市町村合併した美山、清水、越廼地区の人口が急激に減っているという例を示したが、核がなくなると、働く場所もなくなる。また、そこにあった農協のマーケットもなくなって買い物をする場所もなくなるとか、悪循環が生まれるわけである。高速交通も議論としてはたくさん観光客が来るというような発想になるが、地域で見ると、核がなくなっていくことが一番の悪影響になるのではないかと思っている。 このビジョンの中でどれだけ取り入れられるかわからないが、山岸委員の議論にもあったように、買い物に行くのも大変だという地域やコンビニが出店しないような地域もたくさんあるわけだから、そこで生活する核をどうつくっていくかを考えていかないといけない。その地域は集約する、地域じまいしてもらおうという発想だけでは決して幸福にはならないのではないかと思うので、意見だけ言わせていただく。 北陸新幹線のことで質問であるが、最近、新北陸トンネルの関係で、敦賀で地下水が枯れたと大きな報道があったが、記事に載っている地域だけなのか、そして、どう対応していくのか。それから、これもマスコミに報道されているが、ヒ素を含む土壌が大量に出て、どこかで処理をするということであると思うが、どのくらいの量が出て、どういう形で処理されているのか教えてほしい。
◯新幹線建設推進課長 減水の関係であるが、県内には今12本トンネルがあり、全部で14の工区に分けて工事を進めている。具体的には柿原トンネル、第2福井トンネル、武生トンネル、新北陸トンネルの大桐工区、田尻工区、樫曲工区、この6つの工区で減水という状況が起こっている。 機構は、トンネルの湧水をポンプでくみ上げ、川の上流に運んでそこから送水したり、新たに代替の井戸を掘って、そこからポンプでポンプアップするといった応急の対策をとっている。 最終的には地元の方々の生活、農作業に影響がないような恒久的な対策をとるよう県としても機構に求めているし、これからも求めていきたいと思っている。 それから、ヒ素の関係であるが、敦賀市の深山トンネルの掘削現場からヒ素が出て、掘った土約3,300立米について敦賀市内の農地に運んだ。地元の方からの強い要望で、その土は全部出してほしいということだったので、農地に運んだ掘削土のヒ素の濃度を再度調査して、基準を超えているものについては、大津市内に土壌の浄化施設があるのでそちらに運んでいる。それから、基準を超えていないものについては一般の処分場に運んでおり、全て処理を完了している。
◯佐藤委員 中池見湿地に影響は出ているのか。
◯新幹線建設推進課長 影響は出ていない。
◯佐藤委員 最終的に恒久対策を求めていくということだが、費用負担はどうなるのか。
◯新幹線建設推進課長 最終的には、JVが地元と対策を協議して必要な経費を負担することになると思う。
◯佐藤委員 その集落の人が、例えば10年後に水がれが問題だ、となったときも含めての恒久対策の費用である。
◯新幹線建設推進課長 金銭的な補償については、例えばポンプをつけるのであれば電気代などの維持管理費を30年分補償するという基準がある。それ以外の恒久対策も地元との協議によっていろいろ考えられると思うので、そこはこれからの課題になると思う。
◯佐藤委員 いわゆる県費が投入されるということはないのか。
◯新幹線建設推進課長 JVで対応するということになると、そのお金は新幹線事業の契約をしているので、一部県費の負担が入ってくることになると思う。
◯佐藤委員 ヒ素の関係であるが、大津市の土壌浄化施設で処理するということだったが、大津市へ送った量はどれだけで、一般の処分場のどこの処分場にどれだけ処分したのか。
◯新幹線建設推進課長 約3,300立米を敦賀市内の農地に運んで、そのうち約2,100立米を大津市の処分場に運んでいる。残りについては敦賀市内の民間処分場に運んでいる。
◯佐藤委員 農地に一旦仮り置きしたときに、ヒ素が雨水等でその農地に浸透しているということはないのか。
◯新幹線建設推進課長 掘削土を全部撤去した後に、もとの地盤が出てくるが、現在その地盤について土質検査をしている。あわせて観測井戸を掘って、地下水に影響がないか、それから、周辺の水路も水質の調査をしており、その結果については今月末ごろに判明すると聞いている。
◯佐藤委員 どこかの地域で今回と同じように自然由来のヒ素が米から検出されて、大打撃を受けたという例が十数年前にあったので、そういうことが今度また起こらないように、万全の対策をお願いしたいと思う。
請願第2号、日米首脳会議の内容を明らかにし、日米貿易交渉の中止を求める意見書提出に関する請願
これより、請願の審査に入る。 今回付託を受けた請願1件の審査に入る。 請願第2号、日米首脳会議の内容を明らかにし、日米貿易交渉の中止を求める意見書提出に関する請願を議題とする。 本件に対し、各委員より発言願う。
◯佐藤委員 これは、農業者団体からのものであるが、TPPのときから、日本の農業は大丈夫かということで、いろいろ議会にも要望されている団体である。御承知のように、トランプ大統領が来日し、その後、トランプ大統領のツイッターで、日本は7月が選挙だから、選挙が終わった8月に安倍首相との具体的な合意内容を明かすということで、アメリカはTPPには縛られない、TPP水準以上の情報を、日本と約束したと、そのように憶測される発言が出ている。そういう秘密交渉のようなやり方で農産物の輸入に関することが決められるということは非常に問題なので、日米首脳会談の内容をまず明らかにしていただきたい、そして、そのような日米貿易交渉はやめていただきたい、ということであるので、採択をよろしくお願いする。
◯山本建委員 本請願であるが、福井県議会の議会運営にかかる申合せで、外交政策に係る意見書の取り扱いは慎重に対処すべきということもあり、本請願は、不採択でお願いしたいと思う。
◯渡辺委員 日米貿易交渉については、慎重な議論が必要だということで、我々としては継続審査ということでお願いする。
◯力野委員 今、渡辺委員から継続審査の声が出たが、これは8月の話を言っているので継続審査と言われてもどうなのか。
◯島田委員長 ないようであるから、本件に対する質疑、討論は終結する。
本件については、継続審査を求める意見があるので、まず、継続審査についてお諮りする。 本件を継続審査とすることに賛成の方、挙手願う。
〔賛成者挙手〕
◯島田委員長 賛成少数である。 本件を継続審査とすることは否決された。 それでは、採決に入る。 本件を採択と決定することに賛成の方は挙手願う。
〔賛成者挙手〕
◯島田委員長 賛成少数である。 よって、本件は不採択と決定した。 以上で、請願の審査を終了する。
|