2019年9月19日におこなわれた佐藤正雄県議の一般質問です。
◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
子どもの医療費無料化、県の支援の拡大を
まず、子育て支援について質問いたします。
昨年4月から窓口無料化が実施されております中学校卒業までの医療費無料化制度は、子育て中のパパ・ママはもちろん3世代同居のおじいちゃん、おばあちゃんからも大変好評であります。パパ・ママが仕事なので平日に孫を病院へ連れて行った際に、立てかえ払いした治療費は自分の口座ではなくパパ・ママの口座に償還されるために、必ずしもおじいちゃんおばあちゃんの懐に戻らず、なんとなく家族間、嫁姑の間にもやもやが立ち込めていたと、これがなくなったということで大変好評なわけです。福井県は全国の中でも3世代同居が多い県でありますので、そういう点でも大きな効果だと思います。
さて、本題であります。県が行った結婚・子育てに関するニーズ調査では、行政に望む施策は「安心して子育てができる母子保健・医療サービス」がトップでした。
まず、一昨年度と昨年度を比較して、県や市町の助成額の変化をお尋ねいたします。
現状は、県は小学校3年生まで市町と折半で負担して、以降の中学校卒業までは市町のみの負担となっているため、県の助成額よりも市町の助成額が多くなっております。前知事にも解決を求めたわけですが、残念ながら解決しませんでした。
そこで杉本新知事には、この県と市町間の負担の不公平の解消に踏み出し、市町への子育て支援を一層強化すべきと提案しますが、知事の見解をお尋ねいたします。
保育料無償化と副食費の有料化
さて、消費税増税を財源とした3歳以上児の保育料無償化ですが、給食のおかずは保育料から外すために有料となります。消費税増税そのものが子育ての世帯にとっては大変な負担だというように思います。しかも無償化と聞いていたのに騙されたと、こういう保護者の声も出ております。また、保育園で給食費を徴収するので、ただでさえ保育士の不足、人手不足の保育園には大きな負担となります。しかも、体調不良のときやアレルギー対応の食事は幾ら払うのか、免除されているお子さんと、そうでないお子さんと事務も煩雑になるでしょう。
しかも政府は、給食代を滞納した世帯の子どもには「利用継続の可否などを検討する」として、保育の利用そのものを中断させる措置までとらせる可能性が出てきております。全く子育て支援に逆行しかねません。
このような中、秋田県では県と市町が協力して上限月額4,500円の副食費──おかずですね──の助成制度をつくりました。
福井県でも子どもたちが保育現場から外されることがないように、また、今でも過重な保育士さんの過重労働がさらにひどいことにならないように、県だけでも4億円余り無償化で財源が浮いてくるわけですから、こういうのも活用して市町とともに助成制度をつくるべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。
学校給食パンに残留農薬の恐れ
次に、学校給食に関して質問します。
福井県の食パンの消費量は全国26位と比較的高いわけでして、私自身もよくパンを食べるんですが、これも学校給食の影響かなというように思います。
さて、昨年の議会でも質疑がありましたが、輸入食品には国際がん研究機関──IARC──が2015年に「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と結論づけた発がん物質グリホサートが、輸入小麦を原料としている日本の食パンから漏れなく検出されたことは消費者に衝撃を与えております。国産の小麦を原料とした食パンからはグリホサートは検出されなかったわけであります。
さらに、山田正彦元農林水産大臣が代表を務める団体による国会議員23人を含む28人の毛髪検査では、7割からグリホサートまたはそれが分解してできる物質が検出され、国民の間での広範囲な汚染の広がりが明らかとなりました。アメリカのワシントン州立大学の研究では、グリホサートが第3世代まで健康被害を引き起こすというラットによる実験結果を公表しております。大変深刻な問題となっております。
そこで質問いたします。このような汚染は、地産地消の給食を徹底していけば、少なくとも子どもたちへの外国産農産物由来の残留農薬汚染の影響を極力排除することが可能なわけです。県内小中学校給食でのパン食の割合、外国産の小麦の利用の割合、残留農薬検査は行われているのか、行われているなら検査結果についてお尋ねをいたします。
地域経済ささえる公共発注を
さて、この間、県議会でも人口減少対策について、県外大学に進学した若者をいかに福井に戻すかなどの議論がありましたし、知事も都会の大学の定員の見直しなどを提言されております。私は、金の流出が人の流出にもつながっている面があると思うんです。
もともと、明治時代には福井県域には1市9町168村があり、それぞれに確固とした地域経済がありました。役場や学校を中心とした地域の核があったわけです。地域に産業があり、お金が地域を循環しました。当時は人口が60万前後であったと思いますけれども、しかしそれがその後の経済発展、人口増加の大きな推進力となったと思います。
今、平成の大合併を経て、福井県でいいますと35の市町村が17市町と。吸収された旧町村エリアでは人口減少などが激しいということは、2月の予算決算特別委員会でも指摘をさせていただきました。役場や学校、施設、商店、業者がなくなり、先日の県議会の研修会では、講師の先生から地域を畳んで中心部に住むことも考えなきゃいけないと、そういう提案がされました。講師は、人口減少対策はもう時既に遅しだと強調されたわけであります。
では、安倍政権や総務省が狙っているように、県内各地で地域を畳む移住政策しかないのでしょうか。私は人の流れに着目し、県外に出た若者を福井に呼び戻すとか、観光で交流人口をふやすとか、これはこれで重要でありますが、もう一つのポイントは先ほど申し上げましたように、お金の県外流出を抑制し、流れを福井県内循環に変える取り組みの抜本的な強化が必要だと考えます。
財務省の発表では2008年以降の大企業の内部留保はふえ続け、449兆円です。賃上げ抑制──アメリカとかヨーロッパでは賃金は上がっているけれども、日本だけが先進国では賃金が下がっていると、そういう賃上げが抑制されている、賃下げになっていると。大企業減税──消費税は上がっていくけれども大企業は減税をされていると、こういう効果で内部留保がたまっているわけですが、大企業は金を使う能力が落ちている、投資能力が落ちているのが実際ではないでしょうか。
人口減少で需要がふえないところに投資はしないということもあるでしょう。このように極端な富の偏在が起こっているときに、消費税増税をやって国民の生活に打撃を与える政策は愚の骨頂であり、金の循環を起こすためには大企業への適切な課税を行い、社会に還元するほうが効果的であります。
そこでお尋ねをいたします。現在行われております新幹線建設工事と足羽川ダム工事について、それぞれ大づかみで構いませんが、投下される事業費に占める県内に実質的本社がある企業の受注割合をお答えください。
私は県内に文字どおりの拠点を持ち、県内の金融機関をメインバンクとしている企業への発注事業こそ精力的にふやす必要があると思います。
消費税増税問題
この県内事業者にとっては天敵が消費税増税であります。これまでの非課税業者が課税業者とされるインボイス方式も5年後には行われます。今でも滞納税額のトップは消費税なんです。ますます経営に及ぼす影響は深刻となります。そして、政府のパッチワーク的対策にも限界があります。例えば政府が支援するキャッシュレス・消費者還元事業は、来年6月末で終わるわけです。
そこでお尋ねをいたします。県として当面10月増税時からの対策、そして政府の対策期限終了後の来年7月以降の対策、これはそれぞれどこに重点を置いて行うのか、お尋ねをいたします。
小規模事業者支援強化事業について。公契約条例を
また、県は小規模事業者支援強化事業を国の予算づけを受けて9月20日──明日締め切りで募集をしております。しかし、これは国の事業のいわば焼き直しであり、国の事業自体も50万円上限の補助金で300件程度の採択のようです。今回は県の事業として70社程度を対象にしているようですが、国と同じような内容で同じ補助金制度をつくる意味があるのでしょうか。
もっと福井県独自の中小企業支援策を打ち出すべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。
そこで提案したいのは、金の流れを行政発注の工事において個々の労働者に行きわたらせ、地域経済を活性化させる公契約条例の制定です。これは基本条例としては、岩手県、山形県、長野県、岐阜県、奈良県、沖縄県などで制定されております。私が問題だと思いますのは、東京、千葉、埼玉、神奈川という最低賃金が高い首都圏では23の自治体が条例や要綱を作成しております。全国的には100ぐらいの自治体がつくっているわけですが、そのうちの4分の1ぐらいが首都圏でつくられているわけですね。北陸では加賀市だけなんです。
つまり地方から人材を集めているエリアほど人材を大切にし、公共発注での賃金の支払いに目を光らせているのに、人材がどんどん流出している最低賃金が低いエリアのほうが対応がおくれている面があると思います。
県として先行事例も研究し、人の流れを福井県内循環へ変えようとすれば、金の流れもしっかり見ていく見地から、県発注工事において賃金が十分確保される条例制定を検討すべきではありませんか。見解をお尋ねいたします。
原子力防災訓練と老朽化原発再稼働
次に、原子力行政について質問いたします。
8月末に行われました美浜原発3号機事故を想定した原子力防災訓練についてお尋ねをいたします。
今もいろいろ議論がありました。私も、美浜オフサイトセンター、鯖江市のスクリーニング会場、福井市の避難施設の3カ所を見させていただきました。福井市の美山公民館には敦賀市からの避難者の皆さんが多数来られ、私もいろいろ御意見をお聞きしたりしました。
御意見の中では、「なぜ原発に近づいてヨウ素剤を配るのか、おかしいではないか」、また「ヨウ素剤そのものは見せてもらっていない、一体どんなものなのか」、あるいは「鯖江市のスクリーニング会場にトイレもなかった」、「集合場所からバスに乗って移動しただけで何も訓練になっていないじゃないか」、あるいは「本当の事故なら自分で逃げる」、「もっと実践的な訓練が必要ではないか」などなど、原発立地の自治体である敦賀市民の方ということもあるんでしょうけれども、かなり手厳しい意見が出されたように思います。
嶺北の地域住民も初めて参加したという面はあったでしょうが、実際の避難やスクリーニング含め、昨年よりも規模としては小さいものでした。今回は老朽化原発の美浜3号機の再稼働を前提にした訓練だったと思いますが、それなら参加住民の指摘にもあるように、もっと人数の上でも、バス・自家用車の避難の規模でも実効性の高いものにすることが必要だったと思います。
知事にお尋ねをいたします。美浜3号機を初め、高浜1・2号機という40年を超えた老朽化原発を60年間も動かす以上、もしものときの避難体制を万全にしておくこと、つまり要援護者や子どもたちなども含め、原発事故の際には安全に避難できますよ、と安全保障することは国と県の責任ではありませんか。それぞれの原発事故時を想定した相当な規模での訓練で、完全に住民を安全に避難させることができると、こういう確証を得られない場合は、再稼働には知事として同意すべきではありません。知事の見解をお尋ねいたします。
廃炉ビジネスについて
さて、マスコミでは日本原電が廃炉専業会社設立を検討し、アメリカの廃炉専業会社エナジーソリューションズから出資を検討などと報道されております。日本原電は2016年4月に提携合意を発表しております。エナジーソリューションズは2006年に設立され米国内の五つの原発の廃炉を手がけ、2010年に始めたイリノイ州のザイオン原発の廃炉は間もなく完了するとしております。同社の幹部は国会議員団の視察調査の際に、「原発の稼働と廃炉は全く異なる技術だ。我々は国内外で廃炉の技術とノウハウを蓄積してきた。廃炉ビジネスは今後有望な発展産業だ」と語ったそうであります。
そこでお尋ねをいたします。日本原電とエナジーソリューションズ社の提携の取り組みの現況について県の認識をお尋ねするとともに、福井県は日本原電の原発を初め関西電力の原発など国内でも多数の原発廃炉時代を迎えるわけであります。仮に廃炉専業会社がつくられるならば、福井県内に拠点機能を設けるべきではありませんか。知事の見解をお尋ねして、私の質問といたします。
◯議長(田中宏典君) 知事杉本君。
〔知事杉本達治君登壇〕
◯知事(杉本達治君) 佐藤議員の一般質問にお答えを申し上げます。
まず、医療費窓口無料化制度について県が中学校卒業まで市町と折半すべきではないかという御質問についてでございます。
子どもの医療費の無償化につきましては、御紹介いただきましたとおり県では小学校3年生までを対象として支援を行っているというところでございます。一方で県内の市や町は中学3年生までを無償の対象としているということで、現状におきましても多くの市や町から、県も同じように中学校3年生まで支援するようにという声をいただいているところでございます。
ちょうどこの10月から幼児教育の無償化が始まります。また、消費税の引き上げによって、こういった社会保障の部分に対しての財源というものも一部生み出される部分がございます。そういう中で今、県におきましては、「子育て先進県ふくい」ということで、これをさらに進めようということで、例えば幼児教育の無償化、この無償の部分を──今はゼロから2歳のところが非常に低い世帯所得のところで限定がされていますので、こういったところをいかに広げていくかとか、それからまた、若いお父さんお母さん方が安心して子育てができるような環境をどうつくっていくのか、こういったことを検討している段階でございます。
そういう中で、これから子ども・子育て支援計画を策定してまいりますが、今の幼児教育の無償化をどうするか、それから幼児教育の無償化の部分と医療費の無償化をどうしていくのかをセットで市や町ともよく御相談しながら、充実に向けて検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
続きまして、原発事故を想定した相当な規模の訓練の中で完全に住民を安全に避難させることができるという確証が得られない場合、再稼働に同意すべきではないのではないかという御指摘についてでございます。
原子力発電につきましては、大きくいえば三つの段階があるということは以前から申し上げているところでございます。まずは原子力の事業者が徹底的に安全面を管理しながら、プラントとして事故を出さない、プラント自体の安全性を確保する、これが第一でございます。次に、万一事故があった場合でもその事故による影響をプラントの中に閉じ込める事故制圧を速やかに行っていく、これが次に大切なことでございます。
その上で、原子力防災につきましては事故があるとかないとかそういうことにかかわらず、また、安全に運転されている期間においても常に万々一に備えるということで実施をさせていただいているところでございまして、今回のような訓練をさまざまな形で繰り返させていただきながら、また新しく出てきた課題を一つずつ解決することで、万一、万々一の際の安全度を高めるというために行っているところでございます。
今回の美浜発電所における事故を想定した訓練におきまして得られました知見、さらには課題を、国が策定をしております広域避難計画の中にしっかりと位置づけていただくように我々としてもこの後も申し上げてまいりますし、その後、国としましては、国の原子力防災会議の了承を得た上でこの広域避難計画を策定するということになるわけでございます。その上で、再稼働の判断について一般的なお話として申し上げますれば、原子力発電所の再稼働につきましては、まずは国が原子力政策の方向性を明確にしていただく、こういうことの上で原子力の重要性、それから必要性についても国民、それから立地地域などの住民に対しても十分に、わかりやすく御説明をしていただく必要があると考えております。
またその中で、県といたしましては立地の市や町や県議会の皆様方の御意見を十分に踏まえまして、安全を最優先に議論を進めさせていただくものであるというふうに考えているところでございます。
続きまして、日本原電とエナジーソリューションズ社の提携の取り組みの現況、それから、廃炉専業会社がつくられるのであれば県内に拠点機能を設けるべきではないかという御質問についてお答えを申し上げます。
伺うところによりますと、日本原電とエナジーソリューションズ──ES社と申しますけれども、ES社との提携につきましては、出資によって廃炉専業の会社をつくる、そういう意図で提携するのではなくて、そのES社はアメリカで廃炉を何度もやっていますので、そうした海外で得られた豊富な経験、ノウハウを日本原電のほうが取得するための提携だというふうに伺っているところでございます。
具体的には、日本原電の社員をアメリカの廃炉現場に派遣をいたしまして、実地で学ぶということが一つございます。また、ES社の社員が敦賀1号機のところに参りまして、現実に廃炉作業、ノウハウをそこで伝授するということで、管理手法を日本原電の社員が学んでいるというふうに伺っているところでございます。
ただ、いずれにいたしましても、廃炉ビジネスにつきましては嶺南地域における新しい産業としては非常に可能性が高いというふうに考えているわけでございまして、高度な技術を持っている廃炉関連企業を誘致する、またはそうしたノウハウを敦賀地域の企業が学んで新しい産業に育てていく、これは大変重要なことだと思っておりますので、今回いただいた情報も含めていろんな形でそうしたことが可能になるように私どもとしても努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
その他の御質問につきましては、担当より御答弁申し上げます。
◯議長(田中宏典君) 地域戦略部長前田君。
◯地域戦略部長(前田洋一君) 私から1点、新幹線建設工事の総事業費に占める県内に実質的本社がある企業の受注割合についてのお尋ねでございます。
これまで、県内企業の受注機会の拡大を鉄道・運輸機構に繰り返し要請してまいりました。その結果、北陸新幹線の建設工事では初めての措置としまして、県内に本社を置く企業に限り、JVの構成員の参入基準が引き下げられたと。具体的に言いますと、総合点数が1,000点以上なければいけないというところを950点以上でいいというところで基準の引き下げがあったところでございます。これによりまして、県内企業は新たに30社が参入要件を満たすことになって、実際6社が受注を受けているというようなことでございます。
これまでに機構が発注した県内の土木・建築・設備工事は全体で66件、契約額では約4,094億円となってございます。このうち、県内に本社のある企業が受注した工事でございますが、JV構成員としての受注も含めまして37件、受注額については3,249億円、受注割合は金額ベースで約8割となってございます。この8割でございますが、JV全体の金額になってございます。県内企業の受注割合というのは公表されてございませんので、多く出ているということについては御了解いただきたいと思います。
◯議長(田中宏典君) 健康福祉部長窪田君。
◯健康福祉部長(窪田裕行君) 私から2点、お答えをさせていただきます。
医療費の窓口無料化制度について、一昨年度と昨年度を比較して県や市町の助成額の変化というお尋ねでございます。
これは平成29年度と30年度の比較ということになりますので、窓口の無料化は平成30年度からということでございまして、この間に県、市町とも一定の伸びが見られております。具体的に申し上げますと、まず県の助成額でございますけれども平成29年度は7.2億円、導入後の平成30年度は7.8億円となっておりまして、約7%の伸びとなっております。また、市町の助成額でございますが、平成29年度は合計で13.4億円、平成30年度は14.7億円となっておりまして、こちらのほうは約10%の伸びとなっております。県、市町を合計いたしますと平成29年度が20.6億円、平成30年度が22.4億円ということで、これを混ぜますと9%の伸びという状況でございます。
次に、保育での副食費徴収でございます。
保育士の過重労働にならないようにということと、あと副食費の助成制度を市町とともにつくるべきではないかという御提案をいただきました。
2号認定と申します、従来の保育所相当でございますけれども、こちらはこれまでは保育料の中に副食費が含まれておりましたが、この保育料の無償化に合わせまして1号認定──いわゆる幼稚園相当でございますけれども、1号認定同様別途徴収されるようになったということで、御指摘のような保育園での仕事がふえるんではないかというようなことが心配されているということがございました。保育士に過重な負担がかからないようにすることは非常に大切なことでございまして、国も市町に対して副食費の未納の保護者対応は市町が支援してくださいというふうに要請をしております。
これを受けまして、県内でも市町では園にかわって未納の保護者に納付を促したり、保護者からの申出に基づいて児童手当から徴収するという方法もあると思うんですけれども、そういったことの対応を市町のほうでやるというようなことを進めていく方向を私どもも伺っております。
それから、副食費助成制度でございますけれども、例として秋田県を挙げていただきました。秋田県は従来から、第1子からの保育料の無償化というのをしておりました。これは所得制限がありまして、非常に低いので、対象になる人は全てということではもちろんないわけですが、その対象者について今回、新たに副食費の徴収が始まるということで、そういうところの負担がふえないようにということで助成制度を設けております。第1子からということはありますけれども、そういう制度を秋田はつくったと。
これを福井県に当てはめてみますと、私どもは3人っ子政策ということで保育料を独自に無償化してきたのは第3子以降でございまして、これは所得制限なしでやっておりますので対象は比較的広うございます。同じように、新たに副食費徴収の保護者負担が発生しないように、これはまさに市町と協力して月額4,500円というその数字を上限に副食費の補助を行っておりますので、基本的には考え方は同じかなと。
秋田県は福井県よりも生まれてくる子の数が少ない──人口は向こうのほうが多いんですが、そういう状況もありまして秋田県はそういう制度をとっているということだと理解しております。
◯議長(田中宏典君) 産業労働部長国久君。
◯産業労働部長(国久敏弘君) 消費税に関しまして、10月以降の対策、それから来年7月以降──国の政策が切れた以降の対策についてのお尋ねでございます。
消費税増税に伴います中小企業者等への支援といたしましては、国におきましてこれまで軽減税率対応のレジ導入、それからキャッシュレスの端末の導入経費を助成してございます。10月からは決済事業者への手数料の引き下げの補助、あるいは消費者へのポイント還元などを行うということになってございます。
県におきましては、この消費税引き上げ後も今申し上げました制度の一層の周知を国に求めるということ、それからインバウンド需要等に対応しまして売り上げを拡大するためのキャッシュレスの導入に関しますセミナーを開催して、事業者の利活用の事例などをお伝えするなど、まだ導入していない企業に対しましてはこれはビジネスチャンスであるということをお伝えしながら制度の普及を図っていきたいということでございます。
また今年度、6月補正で予算措置をしたところでございますけれども、小規模事業者への販路開拓等への支援、それから商店街の活性化対策等も進めてございまして、国の対策の終了後もこれらの売り上げ拡大に向けました支援とともに、マル経資金の利子補給など資金繰りについても支援を行っていきたいというふうに考えてございます。
あす、第1回目となりますけれども、今回の消費税率引き上げの影響に関します対策会議を開くこととしておりまして、経済界の方々にも出席していただきますけれども、この意見等を伺いながら、景気動向に応じて県として必要な中小企業対策等も講じていきたいというふうに考えてございます。
それからもう一つ、県の小規模事業者の支援強化事業、これは国と同じ内容で国と同じ制度をつくる意味があるのかどうか、福井県独自の中小企業対策を打ち出すべきではないかとのお尋ねでございます。
国におきましては、小規模事業者の販路開拓等支援を目的に、平成25年度に小規模事業者持続化補助金というのを創設いたしました。これは国の予算におきましては、それぞれ補正予算で対応しているというものでございます。今年度、国の当初予算になりますけれども、都道府県が主体的に直接支援できますように小規模事業者支援推進事業というものを創設いたしまして、これを受けまして県は事業化したものでございます。現在、8月19日から9月20日までの期間を募集期間としているところでございます。県の事業につきましては、議員おっしゃるとおり、補助率は3分の2、補助限度額が50万ということで国と同様でございますけれども、補助メニューにつきましては、国は販路開拓に限ったものでございますけれども、これに加えまして県独自にITを活用した生産性の向上、あるいは従業員の技能向上、人材確保なども対象としているというところでございます。それから、国の事業におきましては事業者に直接経費が行くわけですけれども、今回の場合には県が絡むということで、地域の商工団体とも連携いたしまして事業計画に関与するということから、小規模事業者の課題にきめ細かく対応できるものなのではないかなというふうに考えております。
これ以外の事業といたしましても、県単独といたしましてはファンドを活用いたしました創業、あるいは新商品の開発支援、新幹線開業に向けました小売・サービス業のレベルアップ、事業承継など、各中小企業のニーズに応じた施策を積極的に実施しているところでございます。
◯議長(田中宏典君) 土木部長大槻君。
◯土木部長(大槻英治君) 私からは2点。
まず1点目は、足羽川ダム工事につきまして、県内に実質的に本社がある企業の受注割合についてのお尋ねでございます。
県内企業の受注機会の拡大につきましては、これまでも県から国のほうに要請をしてきているところでございまして、足羽川ダム事業の工事発注におきましても工事規模に応じて県内に本社等を置く県内企業であることを条件とするなどの配慮が行われているところでございます。これまでに国が発注した工事49件ございますが、契約額合計約200億円、このうち県内企業がいわゆる元請けとして受注したものは39件、契約額は合計で約54億円というところであり、受注割合につきましては件数ベースで約8割、金額ベースでは約3割というふうになっております。
また、県外企業が受注した工事におきましても、例えば専門工種でございますとか、あとは資機材の供給等については県内企業が参画し工事の進捗が図られています。ただこれについては、その受注の割合等詳細がわかりませんので、詳細についてはすみません、お答えできるデータを持ってございません。
それから2点目ですけれども、県として、県内発注工事においても賃金が十分確保されるような条例の制定を検討すべきではないかというお尋ねでございます。
福井県の発注工事における建設従事者、作業等を担当される従事者の方の賃金の確保につきましては、福井県工事請負契約約款におきまして、元請け企業に対していわゆる最低賃金法などの法令を遵守するということを定めております。さらに、福井県独自の取り組みといたしまして、元請け企業に加えまして関連企業──いわゆる下請け企業さんになりますけれども、こちらも遵守すべき事項を定める福井県建設工事元請下請関係適正化指導要綱というものを定めておりまして、これにおきまして、建設従事者の適切な労働条件の確保のために最低賃金法で定める最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないという規定をしているところでございます。
万が一この適正化要綱の規定に違反した場合には、文書による是正を指示し、さらにその上で是正がされない場合につきましては、指名停止等の措置を講じるということとしております。これまで指名停止などの実績はなく、最低賃金は確保されているものというふうに認識をしているところでございます。
◯議長(田中宏典君) 教育委員会教育長豊北君。
◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 私からは、県内小中学校給食でのパン食の割合、外国産小麦利用の割合、残留農薬検査は行われているのか、行われているなら検査結果はどうかとのお尋ねにお答えいたします。
学校給食でのパン食の割合は、市町で異なりますが週1回から月1回程度で提供されております。現在、県学校給食会が取り扱っている学校給食用のパンに使用している小麦粉は基本的に外国産でカナダ産が半分、アメリカ産が半分という状況になっております。永平寺町1町だけ、県立大学の教授が小麦の研究をしているということもありまして県産の小麦を3割混ぜて使用しておりますが、県全体の割合から見ますと極めて少量でございます。
外国産の小麦粉は国の検査に合格したものを購入しておりまして、さらに県学校給食会でも年1回287成分に関して残留農薬検査を実施し、全ての項目をクリアしております。結果につきましては、県学校給食会のホームページでも公開しております。
◯議長(田中宏典君) 佐藤君。
◯28番(佐藤正雄君) 知事にまずお尋ねしますが、美浜3号機、老朽化原発の再稼動の問題で言いましたが、先ほど、きょうちょうど東京電力の福島原発事故の裁判がありまして、残念ながら旧経営陣は無罪ということになったわけなんですね。
しかし、実際にあれだけの事故を起こして全く経営者の責任が問われないというのは、私は問題だと思うんですが、きょうの新聞を読みましても旧経営陣は何と言っているかというと、元社長は「社長は万能ではない」と、このように言っていると。副社長は何と言っているかというと、「副社長になって対外業務が多く、会社にいたのは半分ぐらい」だと、こうやって逃げると。もう一人の副社長は何と言っているかというと、要するに「決定権限がない副本部長でした」ということで、中心首脳陣3人はみんなこうやって逃げるわけですね。
ですから、やっぱりこれはいざああいう事故が起こってもこういう状況で、なかなか司法も当てにならないと、こういう面が残念ながらあるわけですので、やっぱり直接県民の安全に責任を持つ県の役割というのは、最後の防波堤みたいなところがありますので極めて重大だと思うんですよ。
ですから、繰り返して言いますように本州で動かしているのは福井県だけと、しかも、40年超えた原発を60年間動かそうとしていると。しかも、福井県の原子力安全専門委員会の責任者を務められた中川英之先生が最近の雑誌で何とおっしゃっているかというと、40年超えた運転の場合は稼働後15年から16年で採算性を求めることになりますと。欧米で進められている60年を超えた運転の動きを見ながら60年を超えた運転までを考えているのではないかというようにうがって思わないでもないと、このように雑誌で述べられているわけですよ。ですから、福井県のこの安全専門委員会のトップだった方も、何で、あんなわざわざ十数年動かすためにこんな何千億円もかけるんだと。これはやっぱりゆくゆくは60年を超えた運転まで想定されているんじゃないかという懸念も表明をされているわけなんですね。
ですから、これはここできちんと止めないとずるずる行ってしまうという危険があるので、それは知事──知事はいろんな角度で判断できるものですが、私はさっきの質問では住民の避難計画、防災の内容という点から不十分なら再稼働を認めないでほしいと言いましたけれども、あらゆる点を検証して、40年超運転には厳しく臨んでいただきたいということを確認したいというように思います。
それから健康福祉部長、答弁もいただきましたが、副食費が未納になった親御さんに対していわゆる支給される手当を差し押さえすると、そういうような御答弁です。これは非常に問題があると思うんですね。本来手当てというのは御家庭の生活のために支給されるのであって、保育園のおかず代が未払いになったからといって、それを差し押さえすればいいという性格のものでは全くないと思うんですね。ですから、やっぱりそういうことになっていってしまうので、非常に危ないと思うんですよ。
ですから、ぜひそういうことがないように、これは市町も含めてきちんと指導をしていただきたいし、保育園の保育士さんじゃなくて行政の職員の方が、きちんと丁寧に御家庭の事情も含めて対応をするということを求めておきたいというふうに思います。
最後に教育長ですが、検査しているのはわかりましたがグリホサートは検出されたんですか、されなかったんですか。
以上3点。
◯議長(田中宏典君) 知事杉本君。
◯知事(杉本達治君) 東京電力の福島原子力発電所の訴訟の件につきましては、私も特に東京電力は当時想定していなかったという部分を強調しているんだろうと思いますけれども、ああした事態を既に経験をしていて、また関西電力については、古くから福井県が安全神話はないということで日ごろから強く警鐘を鳴らしてきた、そういう関係からしても今後とも決して事故を起こさない、起こした場合にも少なくともプラントの中でおさめていく、その事故制圧をしっかりと行っていただく、そういった安全性の確保をまず第一に求めていく。
その上で国の規制委員会の審査、その上でさらに40年超については国そのものがその必要性、安全性についても国民や住民に対してしっかりと説明をする、そういったものを見ながら、県の安全専門委員会の意見も踏まえて判断をしていきたいと考えております。
◯議長(田中宏典君) 時間が超過しておりますので、答弁は簡潔に願います。
健康福祉部長窪田君。
◯健康福祉部長(窪田裕行君) 手当てからの徴収、実は国から市町への指導の中に出ておるものでございまして、答弁の中に含ませていただきました。国からはよくよく本人の申し出によるものに留意してという、ほかにもいろいろかなり限定的な言葉は入っておりますけれども、今ほどいただきました御懸念も心にとめながら市町と話し合いをしっかりしていきたいと思います。
◯議長(田中宏典君) 教育委員会教育長豊北君。
◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 基準はクリアしておりますが、出たか出ないかについては、また追って議員に報告させてもらいます。
◯28番(佐藤正雄君) 時間が来ましたので終わります。