世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

バベルの塔

2014-02-05 04:07:23 | 虹のコレクション・本館
No.64
ピーテル・ブリューゲル、「バベルの塔」、16世紀フランドル、北方ルネサンス。

この画家の、人間への辛辣な視線は、人間存在の暗部に強く働き掛ける。
文明におごり高ぶった人間が陥った愚昧を、それそのままに見せつける。

旧約聖書に語られている神話は、まったくの創作だ。バベルの塔の遺跡などは、どこを探してもない。だが、人間は、これと似たようなことを、何度も繰り返している。

バベルの塔の神話は、その人間の経験が語らせているものなのだ。

人間は今も文明を暴走させ続けているがね、技術をとがらせて、世界を滅ぼすことのできるスイッチなども作ったが、それがどういうことになるのかを、まったくわかってはいない。

節度と言うものを守らないとどういうことになるかを、教えてくれる神話だが、それにしても、程度があるというものである。

人間はこの絵を、もっと厳しく身を律する意味で、鑑賞しなければならない。
ここには、深い、神よりの警鐘がある。

馬鹿をやってはならない。

二度と繰り返してはならない過ちが、この中に描かれている。




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