なにもかもをなくした後で、わかったとしても、それは苦しいだけと思うかもしれません。
だが、あなたがたはわからねばならない。
なくした愛が、どんなものであったかろ、理解することができなければ、あなたがたは、永遠に、愛をわかることはできません。
忘れずにいなさい。
かのじょの微笑みを。
その微笑みを見たとき、あなたの胸の中に、花のようにもたげてきた、熱い思いを。
愛していたという事実から、逃げれば逃げるほど、あなたがたは、愚かさに引き裂かれてゆく。
たったひとつでも、愛を完全に失うということは、自分の世界を、半分もぎとられることに等しい。
いいですか。
あなたがたは、ここまで来ねばわからないほど、愚かだったのです。
もはや失ったものは戻らない。だが、半分に欠けてしまった水晶の、元の形を恋うても何にもならない。
残った水晶を、よきものとしてゆくべく、あらゆることをやっていきなさい。
あなたがたには、しなければならないことがある。
半分の水晶は、人類の、神への約束のシンボルです。
あらゆることをやっていくための、道しるべです。
それを、上弦と、名付けなさい。
サビク