植物存在というものについて、語りましょう。
かのじょは昔、ぶなの木になりたいなどと言っていましたが、かのじょが植物の人生を生きるとしたら、樹木の精ではなく、花霊が向いているでしょう。
植物存在としては、樹木よりも花の方が進化しているのです。それは、あなたがたも、深く愛を学び、植物霊たちに親しんでいくうちにわかってきます。
かのじょが花になるとしたら、どんな花でしょう。
かのじょはニワゼキショウが好きでした。野にあって、小さくも確かな美しさを発しながら、愛のためにすばらしいことをしているからです。ですがかのじょはニワゼキショウではありません。そんなにきつくはない。
薔薇でもない。あのように自己主張が激しくはない。ゆりやさくらでもない。あのようにまで、女性ではない。
かのじょが花になるとしたら、ひなげしが向いています。
かわいらしい。少女らしくて、可憐だ。やさしすぎる。やわらかすぎる。
そういう人でしたよ。
サビク