かのじょは、ナオミ・キャンベルという美女が好きでした。
黒い肌が、宝石のように美しい、あのとてもめずらしい個性的な美女が好きでした。
かのじょは、女性でしたが、どちらかといえば男性より女性が好きでした。
もちろん性的興味などありません。
ただ、男性より女性の方が美しく見えたのです。
普通、女性というものは、男性が美しく見えるものでしょう。
そういう点において、かのじょはどうしても、女性ではなく、男でした。
世間に誤解されやすい美女たちのために、働きたいと思っていました。ダイアナの心も、ナオミの心も、それぞれに美しいものを持っているのに、人はそれを決して見ようとしない。
そんな悲しい美女たちに、かのじょは、あなたがたは心の方が美しいと、言いたかったのです。
かのじょは、愛していたんですよ。ダイアナを、ナオミを、そしてそのほかの、心根のかわいい女性たちを。
助けてやりたいと思う心は、女というより、男のものでした。
男性として、かわいい恋人のような女の子たちを助けてあげたいと、思っていたのです。
サビク