世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

うさぎの子

2014-02-06 08:38:25 | こものの部屋

あなたがたが、かのじょを失ったことの、その喪失感を深く味わうには、まだ時間がかかるでしょう。

しかし、この愛の痛みによって味わう喪失感は、かのじょの方が大きい。長い時をかけ、わが子のように愛してきたあなたがたと別れることの悲しみは、かのじょにとっても、大きい。

わたしたちは、その悲しみに、少しずつかのじょを慣らせていくつもりでした。しかしその前に、かのじょの方が、あっけなく休止状態に落ちてしまった。かのじょ自身が、考えないようにしてきた悲哀の重圧が、とうとう、かのじょを支えていた鋼鉄の支柱を倒したのです。

まるで砂山が崩れるように、一気に倒れた。

壊れることのあるはずがない、金剛不壊の愛が、疲れ果てる時の崩れ方は、まさに存在の消滅に似ていました。

かのじょはまだ、倒れたまま、目を覚ましてはいません。
神の愛に全身を預け、眠っている。

やがて目を覚ました時には、多分、あなたがたのことを幾分忘れていることでしょう。

わたしたちも、もう、忘れさせることにします。

その方がいい。

失うということが、どういうことか、少しはわかりますか。

最後まで耐え抜いてくれていた愛が、どういうことになったかが、わかったなら、少しはやるべきことのための準備をなさい。


                        サビク





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リハーサル

2014-02-06 04:57:49 | 虹のコレクション・本館
No,65
エドガー・ドガ、「リハーサル」、19世紀フランス、印象派。

これはよくない。
女性から形の美しさだけを奪って、描いている。
魂が少しも描けていない。

おそらく、ドガは、女性がいやだったのだ。美しいのに、痛い心がその中にあるというのが、いやだったのだろう。だから、決して、女性の魂を描こうとしなかったのだ。

美しい絵に見えるが、これは男の冷酷なエゴを感じさせる。この絵を見ていると、男は、所詮女はこんなものだ。別に、欲望のために狩っても、痛いものを奪っても、たいしたことではないと、思ってしまう。

これは女性を、物質扱いしている。肉としてしか見ていない。

好色な目で見ている絵の方がまだましだ。愛が全くない。




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