No.68
フランシスコ・パチェーコ、「聖アグネス」、17世紀スペイン、バロック。
聖アグネスを描いた絵を探してみた。
アグネスは、キリスト教徒だったが、惨い性暴力によって十三歳で殉教したと言われる、少女である。この伝説により、性暴力被害者の守護聖者となっている。
たいした功も残していないのに、あまりにも惨い性暴力を浴びて悲劇的に死んだというだけで、ひとりの少女を列聖するのは、男の歪んだ贖罪意識だろうか。
聖女にするより、少しはかのじょに謝れとわたしは言いたいのだがね。
人間はアグネスを聖女にして、敬うような形を作ってはいるが、謝罪したことは一度もない。
アグネスは聖女になりたいなどとは思わないだろう。自分が受けた傷を、だれも真剣には考えてはくれないのかと、憂えているような顔だ。
聖アグネスの絵をいろいろ探してみたが、満足できるような絵はなかなか見つからなかった。その中でこれは、とても美しく描いてくれている。それが気持ち的にうれしく、採用してみた。
アグネスを描くことは、男には苦しい仕事なのかもしれない。これからの画家には、もっと真剣に考えて、かのじょを描いてほしいね。
フランシスコ・パチェーコ、「聖アグネス」、17世紀スペイン、バロック。
聖アグネスを描いた絵を探してみた。
アグネスは、キリスト教徒だったが、惨い性暴力によって十三歳で殉教したと言われる、少女である。この伝説により、性暴力被害者の守護聖者となっている。
たいした功も残していないのに、あまりにも惨い性暴力を浴びて悲劇的に死んだというだけで、ひとりの少女を列聖するのは、男の歪んだ贖罪意識だろうか。
聖女にするより、少しはかのじょに謝れとわたしは言いたいのだがね。
人間はアグネスを聖女にして、敬うような形を作ってはいるが、謝罪したことは一度もない。
アグネスは聖女になりたいなどとは思わないだろう。自分が受けた傷を、だれも真剣には考えてはくれないのかと、憂えているような顔だ。
聖アグネスの絵をいろいろ探してみたが、満足できるような絵はなかなか見つからなかった。その中でこれは、とても美しく描いてくれている。それが気持ち的にうれしく、採用してみた。
アグネスを描くことは、男には苦しい仕事なのかもしれない。これからの画家には、もっと真剣に考えて、かのじょを描いてほしいね。