愛には、愛しすぎるということはありませんが、狂うということは、あります。
存在がまだ未熟な頃、愛に溺れすぎ、悲しいことになってしまうことがあります。
あなたがたへの、かのじょへの愛は、かつて、掌中の玉というようなものでした。それはそれは、あなたがたは、かのじょを、ほかには何一つないほど、愛したことがあったのです。
だが、あなたがたは、愛の前に何をすればいいのか、わからなかった。せねばならぬことをすることができなかった。
ゆえにあなたがたは、いとも簡単に、かのじょを失ってしまった。
その時、あなたがたは、そのあまりの現実に、狂ってしまったのです。
その時の経験は、あまりに痛かった。
そして、この人生で、再びかのじょに出会ったとき、あなたがたはかのじょを愛しすぎ、とうとう、食ってしまいたいとまで、思ってしまったのです。
これが、愛に狂ったものの、最後の到達点です。
そして実際、あなたがたは、かのじょを食べてしまったのです。
そしてかのじょは消えた。
愛するものが、消えた。
その、今ある現実こそが、あなたがたの愛の、今の真実の姿です。
愛するものを、自分で食ってしまった。
それが今の、あなたがたの姿です。
サビク