ここしばらく『蝶』属たちのアピールが激しい。
車の前方をふわりと横切るなど優しいものだ。
本当に直前で飛び込んでくるのだけはやめてほしい。
肝が冷えるではないか。
昨日もキチョウがいきなり前方に現れた。
急ブレーキかけたがタイミング的には当たっている。!?
だが 車を降りて確認するも姿はない。
目に飛び込んできたのはラジエターに貼り付いた一枚の黄色い葉っぱ。
何なんだ。
狸にでも化かされたのか?
いや愛しの『蝶』を見間違えるはずはない。
確かに彼女は車の直前にダイブしたのだ。
今朝は小鳥だった。
スズメより一回り大きいグレーの鳥だった。
その鳥も車の直前をかなりの速さで横切った。
車は制限速度の60㎞ほど。
危ない。まことに危ない。
以前から自然界に何事かある時は彼らの動きは俊敏を極める。
大自然のミッションを背負っている彼らのことであるから
命を張っての何らかのアピールなのだろう。
心して自然量子ネットワークの跳躍の沙汰を待ちたい。
… … … … …
彼らは伊達や酔狂でこんなパフォーマンスをしているのではない。斯くある やむ
にやまれぬ創造根源からのダイレクトメッセージを 愛しの『蝶』がその存在のす
べてを負ってリアル現実に刻み込んでくれているのだ。「お前は判るだろう!だか
らわたしたちはこの瞬間にすべてを賭けているんだ!」そんな言葉より何倍階乗分
のインパクトで魂に直接伝えて来るのだ。私にとっては それは神の声に等しい。