what's?? のなんちゃってアスリート日記

陸上競技と筋トレを中心に、日々の生活について書いています。100mで11秒5が当面の目標です。

新渡戸稲造(1)-「武士道」

2006-12-07 23:03:43 | 歴史・文学・思想

僕の愛読書の一つに、新渡戸稲造の「武士道」があります。
この作品が書かれることになったいきさつはその序文に書いてあります。
新渡戸先生がベルギーの法学者のラヴレー氏を訪ねた際、
「日本では宗教教育なしで、どうやって道徳教育を授けるのですか」との質問を受けたそうです。
その場では答えることができず、いろいろと悩んだ結果、
「武士道」にその答えを見出してこの作品を書いたとのことです。
日本人のルーツを海外に伝えるという目的で書かれたため、原著は英語です。
僕は岩波文庫の日本語訳を読んできましたが、先日ようやく英語版を読み始めました。
”Chivary is a flower no less indigenous to the soil of Japan than its emblem, the cherry blossom.”
「武士道はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である。」
この書き出しがとにかく好きですね~。
やはり日本語の方がしっくりくるのは日本人だからでしょうか。

内容は十七章から成りますが、一つ一つの章が短いのでとても読みやすいです。
騎士道やキリスト教といった海外の文化との比較を通じて、
日本独自の文化をわかりやすく伝えています。
特に外国人には理解されにくい、「義理」や「名誉」、
或いは「謙遜」といった概念の説明に内容の多くが割かれています。
なるほど、こういうところに日本人のルーツがあるんだなぁと納得させられる部分が多く、
読んでいて非常に楽しいです。
ここで内容についてあれこれ書くと長くなりそうなので…とにかく読んでみて下さい!
きっと新たな発見があると思います。

新渡戸先生といえばこの「武士道」を書いたことで有名ですが、
先生の功績はあまり世に知られていない気がします。
「太平洋の懸橋たらん」と志し、世界中を飛び回って世界平和に尽力した方なんですけどね。
というわけで、次回は新渡戸先生について書いてみようと思います(初の二本立て?)。
それでは。