南都七大寺 という括りがあります。
奈良時代に平城京(南都)の周辺に存在していた 朝廷の保護を受けた7つの大寺を指し
東大寺,西大寺,法隆寺,薬師寺,大安寺,元興寺, 興福寺をい言います。
そのうちの一つ大安寺(奈良市大安寺2丁目)のご近所で仕事があった
ので、ぶらりと寄ってみました。
ちょうど本堂に安置されている本尊十一面観音立像の特別公開が
10月1日~11月30日の期間で行われているという。
東隣にある無料の参拝者専用駐車場側から歩いていくと、青い空に
燃えるように輝く楓の紅葉が被さってきました。
聖徳太子が現在の大和郡山市に建立した熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)が飛鳥に移転して、
「百済大寺」(くだらのおおてら、くだらだいじ)、「高市大寺」(たけちのおおてら、たけちだい
じ)、「大官大寺」(だいかんだいじ)と、移転と改称を繰り返し、平城京遷都とともに寺も
法興寺(元興寺)、薬師寺、厩坂寺(うまやさかでら、後の興福寺)などと一緒に新都へ移転
して「大安寺」となったという。
南側の三門を正面から仰ぎ見ると銀杏(イチョウ)が聳え立って見えます。
中に入っても平日のせいか、人もまばらでした。
境内の紅葉や柿の木の小鳥たちの歌声を聞きながら大きく左へ折れて行くと本堂が
見えて来ます。
一本10円の線香を炭に当てて火を着けてそっと立てて煙に当たるとすぅーっと心が
落ち着くような気がしました。
心ばかりの浄財を投入し、十一面観音立像が納められているだろう本堂の奥に心を向け
鰐口を鳴らし、脇に書かれてあったご真言を三度唱える。
その後右回り(時計と逆)に周って行くと木陰に『お竹地蔵』や『稚児大師』などがうかがえる。
その奥、本堂の裏手には金色に輝く灯篭が吊り下がる護摩堂、また左へと周りこむと
扁額に「嘶堂」と描かれた馬頭観音立像(重文)を安置する建物と写経道場が続く。
寺務所の玄関先まで来ると本堂の周囲を一回りしたことになる。
万葉集の大伴家持の歌碑など石碑も所々に見える。
明日からの三連休、京都市内の社寺仏閣や紅葉の名所は紅葉狩りならぬ人混み狩りに
なろうことは必至だろう。
ここは奈良公園からは少し離れたマル秘スポットじゃないかなぁ?
ほんの十数分の散歩だけだったけれど一日早めの紅葉狩りをたのしませてもらいました。
本堂の中を拝観される方は400円(秘仏公開中は100円増し)
境内散策は無料です。
※奈良でも奈良公園周辺や霊山寺・薬師寺・唐招提寺・長谷寺・室生寺は3連休中は
大混雑が予想されます。
明日香路や葛城路に山の辺の道などは京都に比べるとはるかに楽しめると思います。