2019年4月30日今上天皇が退位し、5月1日新天皇が即位することが決まったらしい。「らしい」というのは、憲法第1条で「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とあるにもかかわらず、「生前退位」が天皇の激務を慮り、多くの国民が実態として納得しているとしても、形式的に「国民の総意」が確認されているわけではない。
10月22日に執行された衆議院選挙の際に、国民投票として天皇の退位について投票で賛否を問えばよかったのではないか。そうすれば、結果として「国民の総意」で天皇の生前退位を認めることを通じて、現行憲法を国民の総意で認めることになった。返す返すも残念だ。
2019年4月30日は、どういう日だろうか。4月30日は私の誕生日でもあるが、「退位の日に誕生祝をするわけにもいかない」という気分が生まれる。そして、その4月に統一自治体選挙が行われ、私もその県議選にむけて準備をしているが、いったいどんな選挙になるのか想像がつかない。さらに新天皇をお迎えし元号も改められた7月に参議院選挙が行われる。争点は憲法改正だ。
戦後、新憲法制定の焦点は「天皇制の存続」であった。天皇の戦争責任を回避するために憲法9条がつくられた。明治憲法下では、日清戦争、日露戦争、日中戦争、太平洋戦争と「天皇=戦争」であったが、現行憲法下では「天皇=平和」に180度変わったのである。だから、天皇制を守ろうとする皆さんは、憲法9条を死守しなければならないのである。