4,上高地線の復旧支援について
【中川】8月13日から15日にかけての降雨量は、松本萱ヶ平では422mmで、松本の過去平均1か月降水量の4倍を超える大雨となりました。9月に入ってからの豪雨による被害もあり、県内各地で人災も含めた大きな被害をもたらしました。被災された皆様に心よりお見舞いを申しあげます。
さて、この豪雨によりアルピコ交通上高地線田川橋梁が激しい雨により洗掘され傾き線路が歪む被害を受けました。一昨年台風19号による上田電鉄別所線の災害を彷彿させる被害です。
アルピコ交通上高地線は、年間170万人が利用し、そのうち通勤通学客が7割、観光客が3割です。2019年は黒字運行していましたが、新型コロナの影響で赤字となり、会社としても資金繰りが大変厳しく、自己資金での復旧は厳しいと伺っています。
(1)復旧に向けた県としての取り組みについて
【中川】そこで、知事にお伺いします。
上田電鉄復旧のスキームが必ずしも、そのまま当てはまらないかもしれませんが、県は国に対して「鉄道事業者の施設等の復旧及び運休に伴うバス代行輸送について、コロナ禍における厳しい経営環境も鑑み、強力かつ弾力的な支援」を要望していただいているところですが、上高地線の一刻も早い復旧に向けて県としてどのように取り組んでいかれるのかお伺いします。
【知事】アルピコ交通上高地線の復旧に、県としてどう取り組むかという御質問であります。
災害後に、国土交通大臣に対しましては、鉄道事業者の施設の復旧、そして運休に伴うバス代行輸送等について、強力な支援を行うよう要請をさせていただいたところであります。また、近日中に更に具体的な要請を行っていきたいと考えています。
現在、復旧スキームについては、アルピコ交通と松本市、国土交通省、それに県も協議に加わらせていただいて、鋭意検討を行っている状況でございます。早期運行再開に向けて、引き続き、関係機関と緊密に連携しながら、県としても必要な支援を行っていきたいと考えております。
【中川】アルピコ交通上高地線の復旧について、松本市ともしっかりご相談をいただき一刻も早い復旧を重ねてお願いをいたします。
(2)老朽化した橋脚の架け替えについて
【中川】次に建設部長にお伺いします。上高地線の橋梁部分は、今回の田川と共に奈良井川の橋梁も老朽化しており、架け替えが必要となっています。また、毎年のように続く豪雨によって道路や鉄道橋脚が洗堀され破損する状況を考えると、河川改修を急ぐとともに、老朽化した橋脚の架け替え工事が計画的に進められる必要があると考えますが、建設部長のご所見をお伺いします。
【建設部長】奈良井川等における河川改修の推進についてのお尋ねでございます。
奈良井川およびその支川の田川については、それぞれ昭和16年度と昭和26年度から河川改修を実施してきており、昨年度末までの進捗率といたしましては、奈良井川で77%、田川で82%となっております。
今回の8月豪雨に際しましても、奈良井川、田川においては、近年にない出水となったことから、両河川の改修は急務と認識しております。
両河川共に、流下能力や堤防の安全性の確保が主たる対策となりますが、これに伴い、道路橋・鉄道橋などの架け替えも必要となることから、河川改修の実施計画に基づき、それぞれの管理者と順次協議を行ってきているところでございます。
今後も、改修事業の進捗に合わせ、橋梁の管理者をはじめ、関係者との協議を行いながら、河川改修の進捗を図り、安全・安心の確保に努めてまいります。
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