こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

20210801 会派現地調査 生坂村

2021-08-04 09:17:54 | 長野県議会

(1)主な説明事項等  

 ○生坂村は、江戸時代からのタバコ生産発祥の地。明治末期からは養蚕、昭和60年代からは巨峰栽培が始まり、「山清路巨峰」としてブランド化。その後、他種のブドウも含めて「イクサカラット」としてブランド化を進めた。農業中心の村。

○人口は、昭和50年の3,362人(889世帯)が令和2年には1,640人(673世帯)となり半減している。特に10代、20代の減少率が高い。高齢化率も42.7%で県平均より10ポイント、全国平均より14ポイント高く、高齢化が顕著。

○教育関係は、小中1校ずつで児童・生徒数は72人・31人で各学年10人程度。子育て支援の効果で、今後数年は同程度を維持できると思われる。

○子育て支援事業の目玉は、平成30年度からの学校給食の無料化。550万円程度の村負担はあるが、保護者の負担減とともに、給食費徴収事務がなくなり教職員の業務削減、働き方改革にもつながっている。また今年度から、保育園では温かいご飯の無料提供、給食センターの公式インスタグラム開設による毎日のメニューの写真の情報発信を行っている。中学生は、全員高校進学。

○育児相談、子育て相談に対応するため、18歳までの子どもとその家族を支援する相談窓口として、支援センター「なのはな」を設置。保育士常駐。多目的交流広場、カフェ、保育室あり。多くの村民も利用し、「つなぐ・ささえる・ひろげる」協働の子育て支援を地域と連携して行う。

○出産祝い金は、第1子出産時10万円。その後、10万円ずつ加算。第5子以降は、50万円。昨年、10人に支給。他に、入学祝金制度あり。

○福祉医療については、村単独として順次拡充し、平成23年度からは18歳までの医療費無料化を行っている。

○安心して妊娠、出産、子育てができるよう、「犀龍小太郎助成金」を設置し、不妊治療費、新生児聴覚検査費用、出産費用等の一部を助成している。18歳までの子どものインフルエンザワクチン接種費用は全額無料。

○福祉関係では、「いくさか歩こう部」が生活習慣病の予防・改善を目的に各種運動等を行っている。松本大学や山雅にも協力してもらっている。

○軽度生活支援は、65歳以上でまだ介護保険に至らない人向けで、軽度な手伝いをし自立を援助する。65歳以上に配食サービスを週6日行い、あわせて安否確認をしている。

○福祉有償運送サービスは、公共交通機関を利用することが困難な者を対象に日常品の購入の有償移送サービスを実施。73人が登録し、35人が実際に利用している。

○有償生活援助サービス「もりびと」は、障がい者、高齢者の手助け、30分以内の危険を伴わない作業を有償で手伝うもの。草取り、雪かき、ゴミ出し等。

○医療機関は、内科医と歯科診療所。松本、安曇野市、池田町等の医療機関は30分以内に移動可能。

○コロナウイルスのワクチン接種は、7/26現在、1回目が1,010人、2回目が797人接種済み。ワクチン量は確保できており、9/10で希望者への接種は終了予定。

○子育て支援のひとつとして、18歳以下の子どもがいる世帯を対象に負担軽減のため、水道の基本料金を超える超過料金部分について、1㎥当たり50円の補助を行っている。

○再生可能エネルギー有効活用のため、太陽光発電システムの設置について、平成23年度から補助している。最大出力1kwに3万円を乗じた額、もしくは12万円の低い方の額。

○生坂村と池田町を結ぶ県道上生坂信濃松川停車場線は、国道19号と147号を結ぶ通勤、通学、通院等の重要な生活路線。しかし急峻な地形のため狭隘、急勾配、急カーブが多く通行が困難。災害時の通行止めも多い。地域住民が安心して通行でき、災害に強い道路の早期整備を強く要望する。

○生坂村の農業を支える生坂村農業公社。農家の高齢化、価格低迷、後継者不足が深刻化したことから、平成7年に県下初の財団法人生坂村農業公社を設立した。村3,000万円を基本財産に支出。農地利用集積、農地管理、新規就農研修事業等。また、特産品開発、直売場、食堂運営等。

○新規就農研修制度については、ブドウの産地化を進めるため平成10年度から実施。概ね40歳未満の既婚者で村内への定住を予定している者。研修期間は3年間で1年目から自己管理園を提供する。土地代、散水費用等は無料で、また、公社保有のSSなどの農業機械を無償で使用できる。更に生活保障のため、3年間、月額15万円を支給。村営住宅、新規就農者住宅を建設。地域活動への積極的参加を求めている。研修後は、農地の斡旋も。実績としては、23家族が研修を終了し、19家族が地域に定住し農家として自立している。

○地域公共交通として、村では村営バスを運行。犀川線の路線バス、周回デマンドバス、高校生の遅い帰宅用の予約制バス。運行は民間委託。高齢化、高校生の減少により、利用者は減少傾向。バスの車両更新など財政負担が今後の課題。

○移住・定住対策については、平成22年度から空き家バンク事業を実施。今までに45件の登録があり、26件の利用実績がある。このうち令和2年度はコロナ禍の影響か、11件の利用があった。今後、空き家の掘り起こしに力を入れていきたい。空き家の改修・整備についても補助制度あり。他に、田舎暮らしを短期間(最長1か月間)体験できる、移住者田舎体験ハウスもある。

(2)主な質疑

Q 移住者・定住者への支援、経過、定着状況は?

A 出産祝い金は前の村長の時代に事業仕分けで廃止されたが、復活し徐々に増額してきた。多少の効果はあると思う。就職の場所がないのでUターンは難しい。戻りは10%程度か。移住者に頼って人口減少を抑制している状態だがカバーしきれない。過疎地域の中では、社会増は長野県第1位であった。自然増は減少傾向。

Q 子どもたちの学校以外のスポーツ活動について?

A 子育て支援センター、B&G、児童館等は無償で遊べるので子どもたちは集まってくる。のびのびスクールで松本大学生、山雅の選手と一緒にスポーツしている。

Q 出産祝い金の交付者10人の内訳?

A 第1子6人、第2子2人、第3、4子各1人の10人。

Q 福祉医療のうち高校生の実績はどのくらいか?

A 村単独事業分として、高校生の受給者は29人。支給額は、入通院分として238千円。

Q 移住者の移住目的、傾向は?

A 新規就農者が一番多い。

Q 給食センターの公式インスタグラムの写真は、非常にうまく、大変興味をそそられる発信となっているが?

A 給食センターからの発信でなく、横の生坂小学校の事務職員、学校司書が毎日、盛り付けたものを食べる直前に写真を撮り、おいしそうに発信してくれている。

Q 様々な補助、給付があるが、将来的な財政負担はどうか?県への要望は?

A 福祉医療について、県が小学校6年まで上げるなど、もう少し拡充してくれると村の負担を軽減でき、ありがたい。また、水道に関しては村には水源がなく、旧明科町、旧八坂村からの購入している。元値が高いので、水道料金を高くせざるを得ない。以前は非常に高くマスコミにもたたかれた。現在は村費を入れているが、それでも超過料金が1㎥当たり250円。県には、水道の広域化について是非フォローしてほしい。

 もう一つ県道上生坂信濃松川停車場線のトンネル建設を促進してほしい。トンネルの地籍が池田町であり、大町建設が所管している。池田町側にはあまりメリットのないトンネルなので、なかなか進まないが促進をお願いしたい。

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