リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

七里の渡し

2006年03月14日 23時10分58秒 | ローカルネタ
市内に住むチェンバロのHさんに久しぶりに会いました。もうずいぶん会ってませんが、以前にも増してお元気そうでした。
「チェンバロのコンサートはされてますか?」
「いえ、それが楽器は今東京にあるんです」
「え?」
で、聞くと彼女のお家の近くで工事があってその振動が激しいので一時楽器を預けているとのこと。彼女の家の近くは、あの有名な「七里の渡し」すぐ近くです。その辺りの環境整備と護岸もかねて、渡しにあった神社を建て替えをして、周りの環境を一新するそうな。渡しのすぐ近くのボーリング場もなくなるらしい。

ほー、それは知らんかったなぁ。近所のことなのに、盲点になってました。ということで早速見に行きました。

行ってみますと、もう神社(住吉神社っていうんですけどね)はかつての場所になく、そこは削られて入り江になっていて、少し川上のところに新しい社が建っていました。私が小さい頃、堤防より一段下がったところに神社があり、すぐそばが渡しになっていました。そこから対岸の長島町大島(桑名市長島町になったんでしたね)まで定期便が出ていました。祖父に連れられて何度かそれに乗ったことがあります。

広重の東海道五十三次シリーズに桑名の七里の渡しがありますが、この絵はたぶんいま工事しているあたりの絵でしょうけど、残念ながら桑名城の石垣がこのあたりはもう残っていないので、浮世絵のような景観にはなりません。でも上手に再現したら往時の面影くらいは出てくるかも。

桑名城の堀と石垣は、実は一部ほぼオリジナルで残っています。でもほとんどメインテナンスがなされなく、もうぐさぐさになっているように見えます。崩れてしまった部分は安っぽいセメントで固めた石垣になっていたりしています。さらに残念なことに一番往時の面影がある区域(江戸時代の「桑名名所図絵」という本ににまんまの場所があります)に、「ふるさと創生一億円」を使って(全部使ったかどうかは知りませんが)なんとも陳腐な小公園を作ってしまったんですね。いくらなんでももうちょっとセンスというものが・・・。

でも最近完成した、桑名の豪商諸戸氏邸付近の堀の改築工事はまずまずの仕事なので、新「七里の渡し」もいいセンスで仕上げられることを願っています。