リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

S.L. ヴァイス:メイキング・オブ・ミッシングパート(12)

2020年10月04日 15時24分21秒 | 音楽系
第2楽章22~27小節です。



22小節のバスに、テーマの動機を使った新しいフレーズが出てきます。これを2拍遅れでヴァイオリンパートに組み合わせてみました。とてもうまい具合に組み合わせることができるところを見ると失われたパートもそうなっていたのかも。失われたパートが突然発見されたら、実はそうではなかったということになるかも知れませんが。そもそも失われたパートが出てきたら、この連載は価値を失ってしまいます。



25小節目1,2拍はシーケンスの最後で、3拍目から新しいフレーズが始まります。ここではフーガのテーマにおけるモチーフ1を元にした特別なフレーズを作ってみました。

第2楽章はヘ長調で始まり、ハ長調→ニ短調→ハ長調→イ短調と転調を繰り返し、27小節目でイ短調のカデンツがあり区切りを迎えます。ここは緊張感があり盛り上がるところですので、特別なフレーズを導入したわけです。その後はまた転調を繰り返し、30小節目の後半からはリュートパートにまとまった形でテーマが導入されますが、それはまた次回。

(つづく)