リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

S.L. ヴァイス:メイキング・オブ・ミッシングパート(15)

2020年10月09日 15時37分47秒 | 音楽系
34~39小節です。



ここは短い間に何度も転調します。まず34小節目の緑で囲んである音がハ長調へと導きます。35小節目では緑で囲んである音がヘ長調へと導きます。(2度→6度の進行)そして36小節2拍目の音が今度は変ロ長調へと導きます。

この「激変」する環境の中で、ヴァイオリンはフーガのテーマ前半を繰り返し、36小節目からバスもテーマ前半を奏でます。それをまたすぐにヴァイオリンが受けて・・・



37小節ではまたバスがテーマを奏で同小節3拍目からリュートの上段がテーマを受けます。

このようにテーマが次々と受け継がれていくような形に作ってみました。38小節目の青で囲んであるモチーフは、30小節目で使いました。30小節目のモチーフが「布石」になるようにしたわけですが、これは38小節目のモチーフは原曲(残されたリュートパート)では1回しか出てこないため、なんか浮いてしまう感じがしますので使ってみました。

(つづく)