ただイ短調で行くにしてもいろんなポジションや運指が考えられますが、それらを弾きながら何度も検討していき、大体定まった時点で曲はほぼ技術的には問題なく通るようになるというのがいつものパターンです。このあたりが編曲の大変なところで、最初からきちんと検討されたタブが存在しているリュートのためのオリジナル楽曲と大きく異なるところです。
シベリウスでは上の段の5線譜を先に打ち込みます。前にも言いましたがこのときに声部の構造は無視してタブみたいに音の入りだけ打ち込みます。全て打ち終わったらそれを下の6線タブにコピペします。
これでタブ譜が一応できあがるわけですが、手書きでやっていた時代はここまででも相当な労力が必要でした。今は楽になったとはいうものの、実はここから先が大変なのですです。
予めざっと眺めて全く演奏不可能な部分は修正しておいて(このあたりまでAIでやってくれるとありがたいですが)その後実際に画面を見ながら弾き、修正し、の繰り返しです。さらにバスを付け加えるかどうかの検討も必要です。ポジションや左右の運指は無限ではないですけどとても多くの可能性があり、一番自分にとって弾きやすく自分の音楽的な主張や感性にあったタブを作り上げるまでには相当の試行錯誤が必要です。というかこの作業は完成することがなく永遠に終わらないかもしれません。ホピーとのレッスンのとき彼も同じようなことを言っていました。