リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

レイテンシー、音の遅延(1)

2020年07月04日 14時21分56秒 | 音楽系
コンピュータを使って録音、編集その他の作業をするために欠かせないのがミュージックインターフェースです。先日音がいいと評判のAntelope社の製品を注文しましたが、Thunderbolt2で接続すると、レイテンシー(遅延)がミリ秒以下という優れもの。

ミリ秒以下と言われても物理に疎い私にはよくわかりませんが、この値が小さければ小さいほどいいというのはよくわかります。

このレイテンシーというものが具体的にどんな感じのものなのかを、バロックのアンサンブルを例にとって考えてみることにしました。

以前ソプラノ、リコーダー、チェンバロ、チェロ、テオルボでアンサンブルをしていましたが、どう並ぶかにはいろいろ結構工夫が必要でした。通奏低音の楽器が3つあり、歌とリコーダーのいう編成ですが、歌とリコーダーは離れるわけにはいかず、通奏低音はたとえ少し離れていてもアイコンタクトがしっかりできる位置にしなければなりません。それと全員がお客さんから見てかぶらないような配置にもする必要があります。

チェンバロの位置を中心に、お客さんから見てチェンバロの左にテオルボ、チェンバロの右端近くの位置にチェロ、そしてその中間で少し前に出たところにソプラノとリコーダーが立つというふうにしました。

テオルボのヘッドにチェンバロ奏者の頭が当たらない程度にテオルボは左に寄せないといけません。これを避けるためにはチェロとテオルボを入れ替えるという手もありますが、チェンバロとテオルボの音がかぶってしまうので、得策ではありません。

その配置で少し音を出してみましたが、チェロのT君の音がとても聞きづらいのです。正確に言うと音のタイミングがつかみにくいのです。彼の動作と出音のタイミングがずれます。さらに会場の反響も相まってなおさら音が遅れて聞こえます。T君との距離は5メートルくらいはあった思います。

最終的にはT君がもう少し左に寄り(私に近づき)、私は少し前に出てかつ右によってT君との距離を縮めることによってうまくいきました。

さてこの5mという距離、音が届くのは何秒(何ミリ秒)かかるのでしょうか。

音速(メートル/秒)=331.5+0.6x気温摂氏、らしいので気温を23度として計算すると5mの距離は何ミリ秒かかるでしょうか。

(つづく)

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