リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

またもや・・・

2005年02月18日 00時43分44秒 | 日記
おっとまたモーニングコール。こんどはモーリスからです。例のペグ関係の寸法のことであれからまたモーリスに電話したのですがつながらず、昨夜も彼にに電話したら奥さんが出て、あいにく留守とのこと。で、またもやモーニングコールと相成った次第。
「ハロー、ショージ、朝起こしてしまわなかったかな?」
「おはよう、全然大丈夫ですよ(本当はまだ意識が少しとんでましたが)。」
「ラソオマさんから手紙が来ていて、ペグ関係のスペックがほしいって。それでファックスしたんだけど、なんかうまくいかなくて・・・」
「オーケー、言ってくれれば、彼に電話で伝えますよ。(このあたりから頭がお目覚めモードに(笑))」
「えーっと、ペグの出ている部分は40ミリで、ペグ間の最大幅が180ミリで、あとペグボックスのセンターが8ミリオフセットしています」
「それって図面に出てません?」
以下訳のわからない対話ですので、省略しますが、彼との電話のすぐあと、上手い具合にラソオマさんから電話があり、必要なスペックを伝えることができました。めでたしめでたし。

リュートとの出会い (1)

2005年02月17日 07時36分45秒 | 随想
 私がリュートと出会ったのは中学生の頃だったからかれこれ40年近く前になる。もっともこの頃の日本の地方都市ではリュートというものを目にすることはまず不可能だったから、「リュートとの出会い」というのは正確な言い方ではない。実際の楽器に出会うのはそれからしばらくあとで、リュートの存在を知ったという程度の意味である。その「出会い」とは、ジュリアン・ブリームというギタリストの演奏するバッハのリュート組曲のLPレコードを聴いたときのことだ。焦げ茶色を基調としたヨーロッパの古い建物がジャケットにデザインされているそのLPから流れてくるその音楽は、威厳があったがそれと同時にとても甘美なものにも感じられた。そのLPの解説で、リュートは弦がたくさんありすぎて、サラバンドのような遅い曲にはいいが、速い曲では音がにごる。だから音のにごらないギターで弾いた方がいい・・・というようなギターで演奏することの正当性を謳ったくだりがあったが、逆にリュートに強い関心を持ったことを覚えている。

ファスナハト (2)

2005年02月16日 05時50分51秒 | 日記
今日も行ってきました、ファスナハト。好きですねぇ。(笑)今日は夕方過ぎまで練習やらなんやらかんやらで時間を使ってしまったので、暗くなってからのお出かけ。いつものように駅の跨線橋を通り駅前に。なぜかこんなところにいつも乗る16番のトラムが走っていてびっくり。なるほど、ファスナハトモードで線路と路線番号が関係なく走っているようです。でもこんなんでどこへ行くのか分かるのかしらん。
エリザベト教会に近づいてくるあたりから、昨日と同じようなにぎやかな管楽器のアンサンブルが聞こえてきます。今日はエリザベト教会の中でもやってました。博物館の横を通ってバーフュサ広場に出ましたら、何か今日はいっそうパワーアップしてる感じです。で、まずは腹ごしらえをということで、焼きソーセージを一つ買って、食べながら道を歩いていくことしにしました。道にばらまかれている紙ふぶきもかなりの量になってきて、もう道のアスファルトが見えないくらいです。しかし、今日は小雪が舞い散るくらいの寒さなのにみなさん元気ですねぇ。
街の中心部のマルクト広場はもう人でいっぱいでした。テレビ屋さんも来ていまして、工事のクレーンみたいなものの先にカメラを付けて群衆の上から撮影していました。ひょっとして撮されたかも。(笑)ここはさすがに屋台も多く、つられてホットドッグを購入。人通りに身をまかせて中央ライン大橋の向こうのクラインバーゼルまで行ってしましいました。ここではおいしそうな冬の定番、焼き栗(ハイシ・マローニ)をゲット。なんか屋台フルコースになってきそうです。(笑)
あまり先まで行くと帰りが疲れるので、クララ教会の前でUターン、隊列の後ろについて楽隊の一員よろしく歩いて行きました。マルクト広場に戻ってきましたら、さらに人が増えていて、方向によっては身動きができないほど。さてフルコースの締めにグリューワイン(ホットワイン)をと思って探しながら歩いたんですけど、意外とこれが売ってないんですね。探し歩いてやっと見つけたお店、何と去年も同じようにグリューワインを探していてたどり着いた店と同じでした。

ファスナハト (1)

2005年02月15日 05時35分43秒 | 日記
今日から3日間ファスナハト(=謝肉祭、カーニバル)です。明け方の4時から始まると聞いていましたので、てっきり今日の深夜28時からかと思っていました。(笑)でも夕方街に出てみましたら、もうすっかり出来上がっている!今朝の4時だったんですね。
いつも学校に行くときトラムを降りるテアター前も様変わり、ここがあの同じ場所だとは思えない感じです。日本式に言えばハレの状態にと言ったところ。
あたりは異形のマスクをつけて楽器(ピッコロ、パーカッション、金管楽器など)をにぎやかに演奏して歩く一団が次から次にきます。日本の祭りの山車よろしくおおきな飾り付けをした車の一団もあります。いったい何グループあるんでしょうね。多分10や20と言った数ではない感じです。山車からは紙吹雪をばらまいたり、オレンジやお菓子を放り投げています。私もオレンジを3つゲット。(笑)
街を練り歩く一団は、伝統的にはピッコロ隊なんだそうですけど、派手なパーカッションや金管隊の方が多いくらいです。で、思ったんですけど、これ、ものすごい数の楽器ですよね。バーゼルの楽器やさんはこの3日で1年間食えるって感じですね。
サッカーの試合があるときは昼間からよっぱらった少しガラの悪いおにいさんたちがいたりしましたが、ファスナハトはあまりそういう人は見かけません。やはり宗教行事だからかな。でも日本の神社の祭りはみんな酔っぱらう人が多いのはやはり根本的に宗教のありかたが違うからでしょうか。

モーニングコール

2005年02月14日 00時35分44秒 | 日記
朝早く、といっても8時過ぎですが(笑)、電話で起こされました。「もしもし、川越の相馬ですけど、図面今日届きました」相馬さんはラソオマというブランドで超軽量ケースを作っているメーカーです。今モーリスに作ってもらっている楽器のケースを作ってもらうために先日楽器の図面を送ったところでした。聞けば、ペグ(糸巻き)の長さが図面には書いてないが、それが必要とのこと。彼はぎりぎりまで寸法を詰めるからそのあたりのスペックも必要になってくるんですね。さっそくモーリスに聞いてみるということで電話を切り、モーリスに電話。しかし残念がらつながりませんでした。
ラソオマのケースはこっちでも大人気で、その軽さと堅牢さに皆驚きます。ジョークで、「風の強い日にそれを地面に置かないでね。飛んでっちゃうから」というと大受けです。ボブは即購入、先日のニューヨーク公演のとき、「いやー、軽いからホントに助かったよ。雨が降っても問題なかったし」だそうでした。あと、ゾフィーもでっかいテオルボ用のを買ったし、ラファエルは今度日本公演に行くからそのときそのケースメーカーに寄りたいので住所を教えてくれと言って私に会いに来ました。モーリスも安い、軽い、強いの三拍子揃っているとお気に入りです。もてますねぇ、ラソオマさん。そのうち、スコラの学生はみんなラソオマのケースになっていたりして。(笑)

祭りの前

2005年02月13日 01時26分39秒 | 日記
今日は久しぶりの雨です。おまけに風も少しあります。雨と言っても傘なしでいける程度ですけどね。風も鈴鹿おろしや伊吹おろしや六甲おろしなんかにくらべたらかわいいもので、そよ風みたいなもんです。(^_^)
ドイツなんかではもうカーニバルは終わったみたいですけど、(そういやちょっと前にリオのカーニバルのニュースやってましたね)バーゼルは来週の月、火、水です。こっちではFasnachtというんですが、街の店のショーウィンドーにはFasnachtの行列隊がかぶるコミカル系グロテスクなお面が飾られたりします。
駅前の物売りのおじさんが「シュープリースシュトラーゼマガツィーン(Surprise Strasse Magazine)」といってタウン誌を売っていたのが、何週間か前から「ファスナハトラゲテ」に変わっています。当然売っているものも変わりまして、5センチくらいのでかいバッジを売っています。土地の人によるとこの「ラゲテ」はバーゼル方言でBlaggeddeと書くらしいです。ほんとは「ブラゲテ」なんですね。
このおじさんのかけ声のリズムがなかなかおもしろくて、ファスナハトの部分が8分音符二つで言って、あとのラゲテが三連符になるんですね。たぶんそのおじさん、ミュージシャンじゃないと思うんだけど、こっちの人って普通の人でもこういうリズム自然に取れちゃうんですね。日本人だとこのリズムはちょっと練習しないとできないと思うけど、やっぱり音楽というのはことばをベースにしているということを今更ながら実感しましたね。(笑)

日本語

2005年02月12日 04時04分36秒 | 日記
オスカー・ギリアっていう有名なギタリストがいるんですけど、彼は今バーゼルのムジーク・アカデミーで教えています。ムジーク・アカデミーはスコラと施設が共用なので、カフェでちょくちょく彼を見かけることがあります。私が昔ギターをやってたころ、確か現代ギターというギター専門誌の表紙になったことがありました。そのころはすごく精悍な感じだったけど、今はすっかり肥満で・・・先日なんか、ギターを背中に背負って歩いてくるプーのおじさんが来た、と思ったらオスカーだった。(笑)
この前のクラッセンにギターのHさんが来てたので久しぶりに話をしました。彼女はオスカーのところで勉強している大変有能な日本人ギタリストです。彼女はこっちに来ている学生では珍しく英語ができます。で、オスカーと何語でレッスンしているの?って聞くと、その答えがなんと日本語!えーっ、全然知らなかった。オスカーは何でもことばの勉強が大変好きらしく、自分で日本語を勉強したらしいです。そういやホピーもいつぞやオスカーが日本語を知っているよって言っていたっけ。でもそのときはまさか実用になるレベルとは思っていなかったからなぁ。よし夏学期になってカフェで見かけたら日本語で話しかけてみよう。

リュートという楽器 (6)

2005年02月11日 03時55分15秒 | 随想
 リュートはドイツにおいてヴァイスの弟子や追随者たちによりもう一時代を築いたあと、音楽シーンから去ることになる。時代的には18世紀の後半であるが、その当時はもう他の地域ではリュートの花が開いているところはすでになかった。最後のリュート作品と言われているのが、19世紀はじめ、シャイトラーによるモーツアルトのアリアをテーマにした変奏曲だ。この作品を最後にリュートはひとまず眠りにつくわけだが、約100年後の20世紀のはじめに音楽学者ドルメッチらにより顧みられるようになる。音楽として復興するにはそのさらに50年あとになるものの、わずか100年の浅い眠りを経て、リュートは過去の栄光を再び語る端緒につくことになる。

マクド

2005年02月10日 03時10分07秒 | 日記
ほんとにどこにでもありますね、マクドナルド。バーゼルも例外ではなく何軒かあります。値段のわりにはまずいので滅多に行きませんけど、みな繁盛しています。でもあれってある意味ではもっとも典型的なアメリカ料理っていえるかも知れませんね。やたら濃い味付けの肉をはさんだパンをでっかい口を開けてぼろぼろとこぼしながら時には指でつまんで食べて(こういうのは私だけかも知れませんが(^^;))、食べ終わったらたくさんゴミを出してはいさようならって帰る。食文化として冷静に見てみるえらい下品できたならしくて、洗練されているものって何もありませんよね。同じ外食産業でも吉野家の方がはるかに洗練されていると思いません?
ま、しょせんアメリカの正体ってのはあんなもんスよ、ええ。アメリカかぶれなんかしていてはいけませんよ、みなさん。ってアメリカ批判のトーンがちょっと上がり気味ですねぇ(笑)以前アフガニスタン侵攻のときにスイスの極右系の人たちがマクドナルドを襲撃したというのを聞いたことがあります。彼らの行動はもちろん例外的で賛同する人はそう多くはないでしょうけど、こっちの人はアメリカに対して距離をおいて見ているようには思いますね。

さわやか天気

2005年02月09日 00時33分59秒 | 日記
今日もさわやかな天気です。(^_^)昼過ぎにボブの家に行って楽譜のコピーをもらいに行ってきました。途中の道の景色もとても美しく、空気も澄んでいます。このまま春になってしまう、わけがないですよね。
先週の彼のレッスンのときに、次の時間(といっても休暇あけですから3週間後)の課題の曲を教えてもらったんですけど、図書館では検索できなかったからです。検索する時間があまりなかったこともあるけど。曲は15世紀の写本にあるジョスカンの作品です。ヴァイスやったりジョスカンやったりで大変ですね、私も。なんせ、年代差が300年近いですからね。おおざっぱに言えば、ジョスカンと現代の中間(やや現代よりかな)がヴァイスですからね。
ボブの家に着くとちょうど彼は昼食準備中でした。お願いしてある楽譜をもらい、あといくつか参考書を教えてもらいました。それらはアマゾンで買えるようで、実際にアマゾンにアクセスして在庫を確認してもらいました。早速、家に帰ったら頼まなきゃ。彼は明日からロンドンだそうです。コンサートツアーを兼ねて家族サービスとか。もちろん彼らも格安のEasyJetに乗るようです。今やバーゼル人の必須アイテムですね、EasyJetは。