何事も繰り返し繰り返し勉強する

2019年05月08日 | 読書
 今朝の信濃毎日新聞の「斜面」を書き写しながら、弘化4年(1847年)が目に留まった。弘化4年は我が地区の道祖神の塔の裏に刻み込まれた年でもある。
 
 「斜面」によれば、172年前の今日は善行寺地震が発生された日だという。

 山崩れが犀川をせき止め19日後に決壊、大洪水となった。

 昨年「真田太平記」を読んだ後、その後の真田家関係の本を読みながら、この大洪水によって苦しんだ松代藩のくだりがあった。

 歴史が教科書の中のものではなく、地域のものとして強く意識されたのだった。

 1742年には「戌の満水」で大洪水が伝えられているが、明治・大正・昭和になっても、大なり小なりの洪水に襲われている。

 治山治水といって多くの公共事業が投じられてきたが、現在でもなくならない。自然の力は偉大で驚異である。

 しかし一方、人間の方も、宅地を求めて自然の範疇に踏み込みすぎていると思う。

 宅地にインフラが間に合わないというか、水の流れや量に考慮した整備が置き去りにされていってはいまいか。

 土地が私有財産だけに、なかなかむずかしい問題でもある。

 昨今、地球規模で天候が変わってきているのを肌で感じる。

 

 司馬遼太郎の「坂の上の雲」を居眠りをしつつ読んでいる。最大の難関は、5巻と6巻だった。

 読書はベットに入ってからにしているので、何度手元から本を滑り落したことか。

 本当にくどいほどに日露戦争を書いている。しかし繰り返し繰り返し書かれてよんでいるうちに、読者にもことの「本質」が理解できてくるのだと思う。

 日露戦争は日本の勝利だった・・・・これは教科書で習ったことである。

 が、その中身というか・・・・。

 明治になって30年ばかりのわが国が大国と戦う。長い間戦争をしていない、幕末の国内での戦争経験のみが原点。

 武器も弾薬も戦艦も十分ない中で、兵士がどんどんとつぎ込まれていった。

 この戦争に負けたなら、わが国の国体が無くなってしまう。その切羽詰まった事情がわかる。

 なぜ勝てたか・・・・一番はロシアの腐敗かも。

 昨年ロシアの博物館で出会った財宝。これは権力そのものだと感じたけれども、この本を読むと、これまたロシアが少し理解できたと思う。

 最近、歴史小説を読み始めて、遅まきながら知ることが多い。

 坂の上の雲、ようやく7巻が終わり、最終巻に入る、これからバルチック艦隊との戦いである。何が書かれているかわくわくする気分。

 しかし、この日露の戦いの勝利ということだけが、国民や政府の中にもクローズアップされ、昭和の戦争に突入していったのだと、「私も」思ったが、

 司馬さんもこのあたり何回も書いている。

 本当に繰り返し繰り返し同じことを書いている小説である。

 この本を愛読書に取り上げる経済人もいるが、とてもよくその気持ちがわかる。

 何事も繰り返し勉強することが大切なんだわと思ったりする・・・・・60年前に理解してればね(笑)
                                     依田美恵子

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