院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ゲレンデスキーの欺瞞

2006-09-13 05:53:02 | Weblog
 もう40年近く前のことになるが、スキー列車というのがあった。

 ゲレンデスキーが流行していて、大勢の人がスキー板を持って、満員の電車でスキー場へ徹夜で出かけた。

 私は、スキーの大回転や、山岳スキーはスポーツとして認める。でも、ゲレンデスキーは、気に入らなかった。スポーツとは認められない。

 リフトで登って、ゆるやかな斜面を降りてくることなぞ、子供でもできる。児童公園の滑り台と同じだと思った。

 骨折者もたくさん出た。滑り台の親玉ごときで骨折とは、考えられないような時代だった。

 ゲレンデスキーの愛好者は、仲間でスキー場へ出かけて、夜、祝杯を挙げたり、カードゲームをするのも楽しみだったようだ。でも、宿がぎゅう詰めで、食事も高いだけで粗末だった。カレーライスが一杯1500円。コーヒー一杯600円。

 スキー場の経営者は、大金を稼いだようだ。あこぎな商売をしたものである。それに乗ったスキーヤーもスキーヤーである。

 最近、ようやくスキー熱が治まって来た。閉鎖されるスキー場も出てきた。いい気味である。

 今後は、山岳スキーの愛好者など、本物のスキーヤーだけが雪山に行けばよい。ゲレンデはどんどん潰れてほしい。雪の少ない年、金目当てに人工雪をゲレンデに撒くなんていう愚はやめてほしい。

 でも、ゲレンデスキーはすたれても、また別の流行ができてくるに違いない。そして、あこぎな業者に金を巻きあげられるだろう。

 往時のゲレンデスキーヤーも老いてきた。考えようによっては、彼らはお人好しである。彼らが隠退した後、またぞろ若いお人好しが出てくることは目に見えている。

 若いお人好しは、今度はどんな似非スポーツにだまされるのだろうか。