昔、私は名古屋市衛生局(当時)に勤めていた。そのころ、保健婦さん(現・保健師)たちがしきりと「地域」という用語を使っていた。
「地域のことを考える」、「地域に密着する」、「地域で支える」などである。まだ30代だった私は「地域」という用語の意味が分からなかった。
で、親しい保健婦さんに聞いてみた。「地域って、行政区のことですか?」、「地域とは学区のことですか?」、「地域って境界線はあるんですか?」などなど。でもその保健婦さんは答えられなかった。
自分でも分からない用語をどうして保健婦さんは多用するのだろうと、当時の私は怪訝に思った。
しばらくたって、故山本夏彦さんのコラムに「地域と言うなご町内と言え、社会と言うな世間と言え」というのがあって、膝を叩いた。そうか「地域」というのは実態が分からない用語なのだなと理解した。
山本夏彦さんは、「地域」という意味の分からない用語と、同じく意味の分からない「社会」という用語をくっつけて「地域社会」なぞと言うと、まったく意味が分からなくなると書いていた。
でも、いまだに「地域」という用語は多用されている。「ご町内」と言ってくれれば分かりやすいものを。
「地域のことを考える」、「地域に密着する」、「地域で支える」などである。まだ30代だった私は「地域」という用語の意味が分からなかった。
で、親しい保健婦さんに聞いてみた。「地域って、行政区のことですか?」、「地域とは学区のことですか?」、「地域って境界線はあるんですか?」などなど。でもその保健婦さんは答えられなかった。
自分でも分からない用語をどうして保健婦さんは多用するのだろうと、当時の私は怪訝に思った。
しばらくたって、故山本夏彦さんのコラムに「地域と言うなご町内と言え、社会と言うな世間と言え」というのがあって、膝を叩いた。そうか「地域」というのは実態が分からない用語なのだなと理解した。
山本夏彦さんは、「地域」という意味の分からない用語と、同じく意味の分からない「社会」という用語をくっつけて「地域社会」なぞと言うと、まったく意味が分からなくなると書いていた。
でも、いまだに「地域」という用語は多用されている。「ご町内」と言ってくれれば分かりやすいものを。