院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

伝聞サウジアラビア(女性差別編)

2013-01-12 06:46:04 | 文化
 昨年サウジの女性が車を運転することが話題になった。その女性はサウジの女性差別に抗議して確信犯的に車を運転したようだが、このニュースによってサウジでは女性の車運転が禁止されているということが世界に広まった。

 ちょっと昔、日本でも女が車を運転するなんて生意気だという風潮があった。1姫2虎3ダンプという言葉があった。一番怖いのが女性の運転で、2番目が酔っ払い、3番目がダンプカーというほどの意味だ。女性は運転が下手だという根拠のない風潮がまかりとおっていた。

 妻の話では、そもそも街で女性をあまり見かけなかったそうだ。現地には公営バスがなく、移動はもっぱら車にたよるので、女性を見かけなかったのではないかと妻は推理した。

 妻と娘が青果市場に行ったとき、そこは男性しかおらず、裸でも見られるように男たちから一斉にジロジロ見られたので、いたたまれなくなって戻ってきたという。日本でも焼き鳥屋に女性が一人では入りにくいように、TPOみたいなのがあるらしい。

 それが証拠に、ショッピングモールにはたくさんの女性がいたそうだ。そして「完全覆面」の女性は1割にも満たなかったという。イスラム過激派が支配する国では、女性はむろん「完全覆面」で、教育も受けられないそうだ。しかしながら、サウジアラビアはイスラム原理主義の国でありながら(イスラム原理主義イコール過激派ではない)、男女共学の大学が存在するし、アメリカとも友好的である。

 妻と娘家族が夫君とともに金持ちの経営者のラクダ牧場を訪問したおり、妻は全く差別的な待遇を受けなかったばかりか、逆にレディーファーストのようにもてなされて驚いたという。現場にはトイレがなく、トイレを所望すると、物陰の地面に穴を掘って古タイヤで囲って、即席のトイレを作ってくれたので妻は感激した。

 サウジアラビア在住経験がある友人の話によると、友人は奥さんのベールが取れて宗教警察に捕まるのではないかと常に恐れていたそうだ。でも、それは20年以上前の話で、現在のサウジアラビアはずいぶん変化しているのだと、妻の話を聞いて思った。

 イスラム国では日に4回の祈りの時間がある。そのときに拡声器でコーランの詠唱が流されるのは、よく知られている。余談だが、娘の息子(2歳)はコーランの詠唱を聞いて、「焼き芋屋さんだ」と言ったとか。