美和明宏さんの「ヨイトマケの唄」がヒットしたのは私が中学生のときだった。この歌は大ヒットして、40万枚も売れた。当時の大人たちはみな本物のヨイトマケを知っていたはずである。私も幼少時にヨイトマケを見たことがある。私はヨイトマケを見た最後の世代である。
しかし、この歌はあまりに道徳的なので、私の胸を打つことはなかった。でも、ヒットした。それはもしかすると、美和明宏さんがシスターボーイ(今でいうオカマタレント)という異形(いぎょう)の人であり、オカマが今よりもずっと差別され時代で、背徳の匂いさえするような麗人が道徳的、浪花節的な歌を歌うミスマッチが受けたのかもしれない。
美和明宏さんは2012年のNHK紅白歌合戦に出演した。私も見たが、私が中学生の時にこの歌を聴いたのと同じ感想しかなかった。つまり感動しなかった。
ところが、紅白での美和さんの歌唱は、驚くほどの反響を呼んだ。AKB48のメンバーは、すごいオーラだった、鳥肌がったとヨイトマケの唄を絶賛した。彼女らは、本物のヨイトマケを見たことがないから、かえってイメージが膨らんだのかもしれない。
ネット上でも賞賛の嵐が吹き荒れた。ネットの発言者も若くて、本当のヨイトマケを知らないだろう。私は、意外なものが受けるのだなと、感心した。紅白のプロデューサーには受けることが分かっていたのだろう。だから出演させたのだ。やっぱりプロだなと思った。
私が見た本物のヨイトマケは、歌のとおり「母ちゃんのためなら、えんやこーら」と言っていた。三本の木で組んだやぐらのてっぺんに滑車をつけ、7,8人が力を合わせて木の固まりを持ち上げては落とし、地ならしをしていた。ヨイトマケはすぐにロードローラーや地固め機の出現にによって駆逐された。幼稚園児の私は、面白いなと思っていつまでもその作業を見ていた。差別的な視点なぞまったくなかった。
しかし、この歌はあまりに道徳的なので、私の胸を打つことはなかった。でも、ヒットした。それはもしかすると、美和明宏さんがシスターボーイ(今でいうオカマタレント)という異形(いぎょう)の人であり、オカマが今よりもずっと差別され時代で、背徳の匂いさえするような麗人が道徳的、浪花節的な歌を歌うミスマッチが受けたのかもしれない。
美和明宏さんは2012年のNHK紅白歌合戦に出演した。私も見たが、私が中学生の時にこの歌を聴いたのと同じ感想しかなかった。つまり感動しなかった。
ところが、紅白での美和さんの歌唱は、驚くほどの反響を呼んだ。AKB48のメンバーは、すごいオーラだった、鳥肌がったとヨイトマケの唄を絶賛した。彼女らは、本物のヨイトマケを見たことがないから、かえってイメージが膨らんだのかもしれない。
ネット上でも賞賛の嵐が吹き荒れた。ネットの発言者も若くて、本当のヨイトマケを知らないだろう。私は、意外なものが受けるのだなと、感心した。紅白のプロデューサーには受けることが分かっていたのだろう。だから出演させたのだ。やっぱりプロだなと思った。
私が見た本物のヨイトマケは、歌のとおり「母ちゃんのためなら、えんやこーら」と言っていた。三本の木で組んだやぐらのてっぺんに滑車をつけ、7,8人が力を合わせて木の固まりを持ち上げては落とし、地ならしをしていた。ヨイトマケはすぐにロードローラーや地固め機の出現にによって駆逐された。幼稚園児の私は、面白いなと思っていつまでもその作業を見ていた。差別的な視点なぞまったくなかった。