院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

金魚すくいの意地の悪さ

2013-06-03 02:57:00 | レジャー
 祭りの金魚すくいは夏の風物詩である。そのためか「金魚」は俳句では夏の季語だ。金魚は一年中存在しているが、俳句では「夏」ということになっている。

 季節特有でない事物が季語となっていることは、しばしばある。「噴水」や「滝」も年間を通してあるにもかかわらず、いずれも夏の季語である。こうした約束事によって、俳句は17文字という制約があっても、かなりの内容を言うことができる。

 私が金魚すくいを初めてやったのは、小学校低学年だっただろうか。針金に張ってある紙はすぐに破れてしまって、一匹も釣れなかった。残念賞の金魚が一匹貰えたが、何匹も釣ろうと思っていた私には不満だった。

 このとき、私は金魚すくいというゲームに意地の悪さを感じた。釣る道具がわざと破れやすく作ってある。釣れそうで釣れないように悪知恵がこらされている。

 毎年夏になると、金魚すくいの水槽を囲んで歓声が起こるが、私はあのように素直に残念がったり喜んだりできない。

 極端なことを言うと、金魚すくい屋の親父の悪意を感じた。だから、その後私は、金魚すくいを一切やらなくなってしまった。