院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

含笑長屋

2013-06-24 00:00:06 | 芸能
 このほど名古屋の落語を聴く会、「含笑長屋」が46年間の幕を閉じた。

 名古屋にはない落語文化を名古屋に招こうという趣旨で、関山和夫さんという地元大学の先生が発起人となって、昭和42年に作られた会である。先日、関山さんが83歳でご逝去されたので、それを汐に解散となった。

 東京から噺家を呼んで、その名もぴったりの含笑寺という寺の本堂で「聴く会」を開いたので、「含笑長屋」という名称が付けられた。

 私は学生時代に友人に連れられて、ときどきこの会に足を運んだ。私が東京から名古屋に来たばかりのころだった。

 正直に言って、この会で面白い噺家に出会ったことはなかった。それまでは東京の末広亭などに通ったが、その末広亭の噺家も面白くなかった。私は末広亭で、真打が必ずしも面白い噺家ではないことを学んだ。

 「含笑長屋」に三遊亭円窓さんという噺家が来た。この人は「円窓500噺」と銘打って、死ぬまでに500の埋もれた噺を発掘して高座にかけると約束した。だから、この人の噺は毎回新しいものだった。

 2001年、円窓さんは遂に500噺を達成した。大したものである。大変な勉強家である。

 だが、あくまでも私にとってだが、この人の噺は面白くなかった。醸し出す雰囲気にフラ(今の言葉でいえば、面白さのオーラのようなもの)がないのである。いくら勉強家でも、フラだけは学べない。この人は一時、テレビの大喜利にも出演していたが、やはり面白くなかった。

 以上は私の私的な感想である。円窓さんのことを好きな人が、友人にはいることを申し添えておく。