院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

作務衣の職人

2013-06-14 06:45:11 | 技術
 私が精神障害者リハビリ施設に勤めていたころ、利用者を対象に陶芸教室を設置することになった。

 私は、指導者として2人の陶芸家に声をかけた。そして採用のための「実地試験」を行った。試験の眼目は、その指導者が利用者を差別の目で見るかどうかだった。

 結果は、2人とも差別的ではなかった。指導態度にも問題はなかった。

 違いはと言えば、一方は作務衣とバンダナで作業したが、他方は普段着で陶器を作ったことだ。技量の違いは、素人の私には分からなかった。

 私は普段着の方を採用した。格好を付ける人を私が好まなかったからだ。

 普段着の指導者は、瀬戸市で普通の食器を作るのが本業で、陶芸は副業だった。でもその後、毎年、個展を開きファンを開拓していった。

 作務衣とバンダナのほうは、その後、活躍したとは聞かない。

 あれから25年、私も人生経験を積むうちに、作務衣で出てくる職人にはロクな職人がいないとの確信を持つに至った。

 そば職人(白衣の例作務衣の例)でも天ぷら職人でもよいから、今度、注意して見てほしい。作務衣の職人は見てくれを重視する人で、味の方は落ちることが分かるはずだから。