(テレビドラマ「ショムニ」の一場面。朝日新聞デジタルより引用。)
携帯電話やテレビ会議がいくら発達しても、ライブのコミュニケーションが再現できないことは上の写真からも明らかである。写真のようなやりとりが本来のコミュニケーションである。
女性が男性になにか脅しながらねだっているような雰囲気である。2人の間では体温や匂いまでひっくるめたコミュニケーションが行われている。さらに、うしろの2人の女性はその様子をうかがっている。それぞれに感想をもっただろう。この場面の総体がコミュニケーションが行われている現場である。
この全体を通信技術で伝えることはできない。この場面だけなら(この記事のように)言葉と写真でなんとか伝え得たとしても、登場人物の身代わりになることはできない。あくまでも「傍観モード」から脱することはできないのだ。(傍観は主体的コミュニケーションではない。)
通信技術だけで丸ごとコミュニケーションが代替できると考えるのは、あまりに楽観的なのである。