院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

コミュニケーションとは何か?(2)―触れうる距離(近さ)が必要

2014-06-10 00:01:42 | 社会

(テレビドラマ「ショムニ」の一場面。朝日新聞デジタルより引用。)

 携帯電話やテレビ会議がいくら発達しても、ライブのコミュニケーションが再現できないことは上の写真からも明らかである。写真のようなやりとりが本来のコミュニケーションである。

 女性が男性になにか脅しながらねだっているような雰囲気である。2人の間では体温や匂いまでひっくるめたコミュニケーションが行われている。さらに、うしろの2人の女性はその様子をうかがっている。それぞれに感想をもっただろう。この場面の総体がコミュニケーションが行われている現場である。

 この全体を通信技術で伝えることはできない。この場面だけなら(この記事のように)言葉と写真でなんとか伝え得たとしても、登場人物の身代わりになることはできない。あくまでも「傍観モード」から脱することはできないのだ。(傍観は主体的コミュニケーションではない。)

 通信技術だけで丸ごとコミュニケーションが代替できると考えるのは、あまりに楽観的なのである。