院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「空想虚言癖」というもの

2014-06-17 08:27:20 | 心理
(幻冬舎刊。)

 上の小説には、複数の女性と疑似恋愛を同時進行させる男が描かれています。読者を混乱させずに同時進行が文章だけで表現されており、作者の乃南アサさんはホンモノのプロだと感じさせます。(タレントが余技のように小説を書く昨今、余計にそう思います。)

 この小説に直接書かれているわけではありませんが、結婚詐欺師は女性を100%だまそうして近づくわけではありません。ある程度は本気で恋愛関係になるのです。そして、空想なのか現実なのか、結婚詐欺師は自分でも分からなくなります。最終的には女性をだますことになってしまうのですが・・。

 結婚詐欺師は第三者には「うそまみれの男」と映るのですけれども、本人はそうは思っていません。このたび、W教授は別の細胞を渡されたと知って、怒りがこみ上げる以前に、いいしれぬ恐怖感に襲われたのではないでしょうか?細胞を渡してくれた人があまりに無邪気でフレンドリーだったからです。

 今日から「空想虚言癖」という用語がマスコミに乱舞すると考えられるので、「空想虚言癖」とは以上のようなものだと示しておきました。「空想虚言癖」と類縁の「ミュンヒュハウゼン症候群」という術語も出てくるかもしれません。

キツい内容を柔らかく書く

2014-06-17 03:48:57 | 日本語
(技術評論社刊。)

 私は岩田健太郎教授の読者です。岩田教授は神戸大学の感染症内科の先生ですが、感染症の本だけではなく、いろんな方面で発言しておられます。私がもっともだと感じることをおっしゃる方です。

 2014-03-05 の.I.教授とはこの方のことです。上の本で先生は「患者の気持ちが分かる」という医者を信用しないと書いています。そのような過激なことを書いているのに、柔らかい感じがします。それは「ですます調」だからかも知れません。私も少し「ですます調」で書いてみることにします。