(幕張ベイエリア。ウィキペディア「幕張新都心」より引用。)
滅び行くだろうという予測ばかりで申し訳ないが、幕張新都心も寂れていくだろう。写真の高層マンションはすでに述べた理由から、将来スラムになる。高層マンションの住人の多くはこの地を古里としない人たちだろう。だとすると、代が替わったら、もうここに住む必然性がない。マンションも旧式になり資産価値も激減しているはずだ。
新都心全体がこれ以上発展せず、寂れていくばかりだとの予想は、わが国の人口減少も関係するがそれだけではない。計画都市は発展しないという有力な説があるからである。
1970年ころポスト構造主義が流行ったとき、ドゥルーズとガタリが提唱したリゾームの概念を援用して、都市計画は成功しないと誰かが言っていた。その際、意外に発展しなかった計画都市、メキシコシティが例に挙げられていた。
ポスト構造主義の哲学的な主張はきちんと理解できなかったけれども、内容的には「人間は学校の前に文房具屋ができることくらいまでは想像できるが、ビジネスホテルの横にコンビニができ、コンビニの従業員の住居がどこにできるかまでは想像できない」というような内容だったと思う。(ビジネスホテルの横のコンビニは、宿泊者にはたいへん便利である。こんなところにコンビニができるとは前もって予想できなかった。)
都市は生き物のように周囲の状況によって変化しながら(根っこのようにリゾームが伸びて)発展していくものであり、人間の浅はかな考えですべてをあらかじめ設計することはできない、というほどの意味だと理解している。
東京駅からの直線距離は幕張新都心は三鷹と同じくらいだろうか?三鷹は自然にできた都市だから無理なく発展してきたが、人工的な幕張新都心は三鷹のようにはいかないだろう。いずれあちこちに無駄な施設やスペースができてくると予想される。