夕闇につつまれだした中山競馬場。
ブエナビスタ号の引退式がおこなわれた。
傑出した有力馬を次々と送り出してきた松田博資調教師。その一方で壊し屋という陰口を叩くものもいる。一頭一頭の馬の勝利を信じて調教するのであって、誰が故障を目的に鍛える調教師がいるだろうか。
この有馬記念で、ことあるごとに松田博資調教師が口にしていたのは「無事に回って、帰って来てくれること」だった。
鞍上の岩田康誠騎手はジャパンカップ同様、内々に位置取り、コースロスの無いように心がけた。
しかし直線ではそれが内に包まれる結果となった。馬群をこじ開けて坂を駆け上がる、そんなレースを彼女に望むの無理な話だ。彼女は一度としてそのようなレースをして勝利を手に入れたことはなかったからだ。
桜花賞は大外を回して優勝、オークスは4角あわや逸走かというコーナリングから、レッドディザイアをハナ差差し切った。
秋華賞は内で他馬をさばききれず、レッドディザイアの後塵を拝し、さらに降着の憂き目あった。
エリザベス女王杯は、逃げた古馬2頭を捉えきれずに3着。この騎乗により安藤勝己騎手が主戦を降ろされた。
最初の有馬記念。横山典弘騎手に手綱が替わり直線先頭に立つも、ドリームジャニーの鬼脚にあっさりとかわされて2着。
ヴィクトリアマイルでヒカルアラマンサをクビ差を押さえるも、1600mは彼女の守備範囲ではない。この時も大外を回して勝利している。
1番人気臨んだ2010年の宝塚記念。このレースも内々を回って彼女にはいつの切れ味がない状態で、アーネストリーを交わしたところでナカヤマフェスタに出し抜けを食らった。
直線でこの馬が内々を走っていることは敗北である。この1戦で主戦は横山典弘の手を離れた。
天皇賞秋。この時の彼女をよく覚えている。追い切りを見たとき、牡馬以上の調教に驚嘆した。内々を回りながら、スミヨン騎手は直線でターフの真ん中に馬を置いた。彼女ためにきれいに道が開く。誰に邪魔されることもなくゴールを駆け抜けた。
このレースこそ生涯最高のパフォーマンスを示したレースだ。
しかしこのレースでの強さが、このコンビには不幸だった。最高の強さを知る鞍上の計算と彼女の走りが合致しない。ジャパンカップは2度目の降着で2着、続く有馬記念は前を行くヴィクトワールピサを捉えきれず2着。
2011年。ドバイから戻った彼女は新たに岩田康誠騎手を主戦に迎える。
ヴィクトリアマイルは1600mでアパパネに敗れる。宝塚記念は外を回したが、逃げたアーネストリーを捉えられず2着。
天皇賞秋は日本では初めて馬券対象から外れた。内々のタフなレースだった。
岩田康誠騎手も彼女のベストパフォーマンスを知っていた。だからこそこんなものではないと信じて騎乗していた。
ジャパンカップは外国馬に1番人気を譲った。ファンも彼女の力の衰えを感じていた。増してや2400mは決して彼女向きのレースではない。岩田騎手はコースロスの無い内々で我慢した。内々のレースは大きな博打だ。行き場をなくした時の彼女には馬群をこじ開ける強さはない。4角、岩田騎手は外へ外へとコースを探した。真ん中に位置したとき、彼女のゴールへの道が開いた。2010年天皇賞秋の再現だ。
トーセンジョーダンとのたたき合いも、内に馬を置いた時の彼女は強かった。
2年連続ファン投票1位で出走してきた彼女。
同じ勝負服の⑨オルフェーヴルが先頭駆けていく。はじめと最後の有馬記念でオリエンタルアートの兄弟と池添謙一に敗れた。敗れたとは云え松田博資調教師の顔には満面の笑みがこぼれていた。無事に走り終えた愛馬への敬意と労いを込めて「ありがとう」と呟いたに違いない。
次は一足早く引退をしたレッドディザイアと繁殖競争だ。物語はまだまだ続いていく。
当方の馬券は
オルフェーヴルがこなければ3連単⑤⑦⑭は21000倍あったのだが。
⑤⑦のワイドでも56.3倍。⑦軸なら⑤⑦からの3連複も的中だったのに..。
まぁ、こんなもんですね。
福永祐一騎手が133勝を挙げて初の全国リーディングに輝いた。「当初から全国リーディングは目標にしていた。達成できて良かった」と喜びを口にした。父の洋一元騎手と史上初の親子リーディングという大記録も達成した。
武豊騎手はJRAでのG1連続記録が途切れてしまった。
日刊スポーツ記事を参照すると、
有馬記念の売り上げは377億5975万6900円で前年比97.2%。中山競馬場の入場者は同95.7%の11万5065人。3冠馬が出走し、最強牝馬の引退レースと話題の多い一戦だったが、こちらも思いの外に伸び悩んだ。
2011年のJRAの売り上げは2兆2935億7805万3600円で前年比94.5%。4月には新馬券のWIN5が売り出されたが、売り上げ減に歯止めをかけることはできず、最高だった97年の4兆6億6166万3100円の半分以下となった。G1については同90・7%で、売り上げが前年を上回ったのは22レース中、宝塚記念など4レースだった。入場人員は615万1105人で昨年比91・3%。
世の中が沈滞していく中で、JRAだけはまだましな方。競馬全体を考えたとき、役所の管轄や中央だ地方だと言っている時代ではない。
主要な牧場や馬主の撤退。個人馬主で支えきれず、一口馬主が主流になってきたなかでこのクラブ経営にも陰りがみえる。
騎手として生活ができない若手騎手や経営破たんして勇退(廃業)していく調教師。
来年に積み残された課題は大きい。
今年の当ブログはこれで終了です。
1年間お付き合い戴きありがとうございました。
来年は7年目、多少企画立てて面白くして行きたいと思いますので、また来年もよろしくお願いいたします。
ブエナビスタ号の引退式がおこなわれた。
傑出した有力馬を次々と送り出してきた松田博資調教師。その一方で壊し屋という陰口を叩くものもいる。一頭一頭の馬の勝利を信じて調教するのであって、誰が故障を目的に鍛える調教師がいるだろうか。
この有馬記念で、ことあるごとに松田博資調教師が口にしていたのは「無事に回って、帰って来てくれること」だった。
鞍上の岩田康誠騎手はジャパンカップ同様、内々に位置取り、コースロスの無いように心がけた。
しかし直線ではそれが内に包まれる結果となった。馬群をこじ開けて坂を駆け上がる、そんなレースを彼女に望むの無理な話だ。彼女は一度としてそのようなレースをして勝利を手に入れたことはなかったからだ。
桜花賞は大外を回して優勝、オークスは4角あわや逸走かというコーナリングから、レッドディザイアをハナ差差し切った。
秋華賞は内で他馬をさばききれず、レッドディザイアの後塵を拝し、さらに降着の憂き目あった。
エリザベス女王杯は、逃げた古馬2頭を捉えきれずに3着。この騎乗により安藤勝己騎手が主戦を降ろされた。
最初の有馬記念。横山典弘騎手に手綱が替わり直線先頭に立つも、ドリームジャニーの鬼脚にあっさりとかわされて2着。
ヴィクトリアマイルでヒカルアラマンサをクビ差を押さえるも、1600mは彼女の守備範囲ではない。この時も大外を回して勝利している。
1番人気臨んだ2010年の宝塚記念。このレースも内々を回って彼女にはいつの切れ味がない状態で、アーネストリーを交わしたところでナカヤマフェスタに出し抜けを食らった。
直線でこの馬が内々を走っていることは敗北である。この1戦で主戦は横山典弘の手を離れた。
天皇賞秋。この時の彼女をよく覚えている。追い切りを見たとき、牡馬以上の調教に驚嘆した。内々を回りながら、スミヨン騎手は直線でターフの真ん中に馬を置いた。彼女ためにきれいに道が開く。誰に邪魔されることもなくゴールを駆け抜けた。
このレースこそ生涯最高のパフォーマンスを示したレースだ。
しかしこのレースでの強さが、このコンビには不幸だった。最高の強さを知る鞍上の計算と彼女の走りが合致しない。ジャパンカップは2度目の降着で2着、続く有馬記念は前を行くヴィクトワールピサを捉えきれず2着。
2011年。ドバイから戻った彼女は新たに岩田康誠騎手を主戦に迎える。
ヴィクトリアマイルは1600mでアパパネに敗れる。宝塚記念は外を回したが、逃げたアーネストリーを捉えられず2着。
天皇賞秋は日本では初めて馬券対象から外れた。内々のタフなレースだった。
岩田康誠騎手も彼女のベストパフォーマンスを知っていた。だからこそこんなものではないと信じて騎乗していた。
ジャパンカップは外国馬に1番人気を譲った。ファンも彼女の力の衰えを感じていた。増してや2400mは決して彼女向きのレースではない。岩田騎手はコースロスの無い内々で我慢した。内々のレースは大きな博打だ。行き場をなくした時の彼女には馬群をこじ開ける強さはない。4角、岩田騎手は外へ外へとコースを探した。真ん中に位置したとき、彼女のゴールへの道が開いた。2010年天皇賞秋の再現だ。
トーセンジョーダンとのたたき合いも、内に馬を置いた時の彼女は強かった。
2年連続ファン投票1位で出走してきた彼女。
同じ勝負服の⑨オルフェーヴルが先頭駆けていく。はじめと最後の有馬記念でオリエンタルアートの兄弟と池添謙一に敗れた。敗れたとは云え松田博資調教師の顔には満面の笑みがこぼれていた。無事に走り終えた愛馬への敬意と労いを込めて「ありがとう」と呟いたに違いない。
次は一足早く引退をしたレッドディザイアと繁殖競争だ。物語はまだまだ続いていく。
当方の馬券は
オルフェーヴルがこなければ3連単⑤⑦⑭は21000倍あったのだが。
⑤⑦のワイドでも56.3倍。⑦軸なら⑤⑦からの3連複も的中だったのに..。
まぁ、こんなもんですね。
福永祐一騎手が133勝を挙げて初の全国リーディングに輝いた。「当初から全国リーディングは目標にしていた。達成できて良かった」と喜びを口にした。父の洋一元騎手と史上初の親子リーディングという大記録も達成した。
武豊騎手はJRAでのG1連続記録が途切れてしまった。
日刊スポーツ記事を参照すると、
有馬記念の売り上げは377億5975万6900円で前年比97.2%。中山競馬場の入場者は同95.7%の11万5065人。3冠馬が出走し、最強牝馬の引退レースと話題の多い一戦だったが、こちらも思いの外に伸び悩んだ。
2011年のJRAの売り上げは2兆2935億7805万3600円で前年比94.5%。4月には新馬券のWIN5が売り出されたが、売り上げ減に歯止めをかけることはできず、最高だった97年の4兆6億6166万3100円の半分以下となった。G1については同90・7%で、売り上げが前年を上回ったのは22レース中、宝塚記念など4レースだった。入場人員は615万1105人で昨年比91・3%。
世の中が沈滞していく中で、JRAだけはまだましな方。競馬全体を考えたとき、役所の管轄や中央だ地方だと言っている時代ではない。
主要な牧場や馬主の撤退。個人馬主で支えきれず、一口馬主が主流になってきたなかでこのクラブ経営にも陰りがみえる。
騎手として生活ができない若手騎手や経営破たんして勇退(廃業)していく調教師。
来年に積み残された課題は大きい。
今年の当ブログはこれで終了です。
1年間お付き合い戴きありがとうございました。
来年は7年目、多少企画立てて面白くして行きたいと思いますので、また来年もよろしくお願いいたします。