木曜日。会社の帰りにチョット一杯、引っ掛けて帰ったのですが、途中で気分が悪くなり、「これはもう途中下車しなくては」と思ったら、聞こえてきたのは下車駅名。
降りようと思い、気がつくと、車中で倒れており、そんな私に、周りの人が声をかけてくれている。落ちたスマホやウオークマンを拾ってくれる人、空いた席に手招きしてくれている人と、一瞬記憶がなくなり、全くの異郷である。
座席に腰を下ろしたものの、意識は乗り越したことを感じとり、「下車しなくては」という思いがある。
どんな風に下車したかも記憶がないが、気がつくと、駅の階段だ。
「救急車を呼んだから大丈夫」「駅員がいないんだ」
そんな、声が聞こえる。救急車の音も聞こえる。
顔をあげると、付き添っていてくれた人が、
「救急車を呼びましたから、無理しないで、辛そうにして置いてください」
いや、ただの酔っ払いである。申し訳ない。
私もそういう場面では、おせっかいな方だが、こと酔っ払いは別だ。
救急隊の方が4、5名か。彼らを必要としてしている人がもっと他にいるだろうに、こんな酔っ払いのために駆けつけてきている。恐縮である。
救急隊の到着に合わせて、この酔っ払いをガードしてくれていた御仁たちは消えていた。
救急隊の人が声をかけてくれ「病院へ」と言ってくれているのだが、自分の状況がよくわからない、痛みもなければ自覚症状もない。
心配をしてくれる救急隊の方には申し訳ないが、「病院へ」というほど大げさな状況とは思えない。
「では、ご自宅に連絡をして家族の方にも判断して貰いましょう」ということで電話を。
「何をしているのか」という叱責を受け、タクシーで帰ることになった。
最後まで救急隊の方には心配をいただき、住所、氏名を書き、署名をする間も、「具合が悪くなったら遠慮せずに、すぐに救急車を呼ぶに」と言ってもらった。
駅員の方が、次駅までついてこられて、(我が家にタクシーだとそちらが近いということで)乗り越し料金を精算(無料)し、タクシー乗り場まで案内をしてくれた。
本当に多くの方にご迷惑とご親切を受けながら、まともなご挨拶もできずに失礼をした。
この場を借り、お詫びとお礼を申し上げます。
『Gallop』の創刊間もないころから1997年夏まで185回にわたった大型連載「木村幸治のホースマン列伝」のうち、騎手篇を完全収録!鞍の上の兵たちをめぐる重厚で濃密な競馬外伝。
1998年刊行で、この本は娘が17歳の時に購入した娘の本。
すでに引退された騎手も多いのだが、人間同士の関係が深くなくては物語として成立しない。
悪い面だけが、報道される時代だが、世の中はそんなに荒んでない。
降りようと思い、気がつくと、車中で倒れており、そんな私に、周りの人が声をかけてくれている。落ちたスマホやウオークマンを拾ってくれる人、空いた席に手招きしてくれている人と、一瞬記憶がなくなり、全くの異郷である。
座席に腰を下ろしたものの、意識は乗り越したことを感じとり、「下車しなくては」という思いがある。
どんな風に下車したかも記憶がないが、気がつくと、駅の階段だ。
「救急車を呼んだから大丈夫」「駅員がいないんだ」
そんな、声が聞こえる。救急車の音も聞こえる。
顔をあげると、付き添っていてくれた人が、
「救急車を呼びましたから、無理しないで、辛そうにして置いてください」
いや、ただの酔っ払いである。申し訳ない。
私もそういう場面では、おせっかいな方だが、こと酔っ払いは別だ。
救急隊の方が4、5名か。彼らを必要としてしている人がもっと他にいるだろうに、こんな酔っ払いのために駆けつけてきている。恐縮である。
救急隊の到着に合わせて、この酔っ払いをガードしてくれていた御仁たちは消えていた。
救急隊の人が声をかけてくれ「病院へ」と言ってくれているのだが、自分の状況がよくわからない、痛みもなければ自覚症状もない。
心配をしてくれる救急隊の方には申し訳ないが、「病院へ」というほど大げさな状況とは思えない。
「では、ご自宅に連絡をして家族の方にも判断して貰いましょう」ということで電話を。
「何をしているのか」という叱責を受け、タクシーで帰ることになった。
最後まで救急隊の方には心配をいただき、住所、氏名を書き、署名をする間も、「具合が悪くなったら遠慮せずに、すぐに救急車を呼ぶに」と言ってもらった。
駅員の方が、次駅までついてこられて、(我が家にタクシーだとそちらが近いということで)乗り越し料金を精算(無料)し、タクシー乗り場まで案内をしてくれた。
本当に多くの方にご迷惑とご親切を受けながら、まともなご挨拶もできずに失礼をした。
この場を借り、お詫びとお礼を申し上げます。
『Gallop』の創刊間もないころから1997年夏まで185回にわたった大型連載「木村幸治のホースマン列伝」のうち、騎手篇を完全収録!鞍の上の兵たちをめぐる重厚で濃密な競馬外伝。
1998年刊行で、この本は娘が17歳の時に購入した娘の本。
すでに引退された騎手も多いのだが、人間同士の関係が深くなくては物語として成立しない。
悪い面だけが、報道される時代だが、世の中はそんなに荒んでない。