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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

道ジュネー

2008年08月14日 | 那覇、沖縄
 今年は旧盆と新盆が重なっていて、昨日が盆の入りだった。沖縄では旧盆の初日をウンケー、中日をナカヌヒー、三日目をウークイといい、特に仏壇のある長男の家では祖先を祀る儀礼が執り行われる。この儀礼の前日はどのスーパーもすごい人だかりで、本土で言えば、大晦日のスーパーやデパートに似ている。祭壇用の青バナナ、青パイナップル、お菓子などが入り口に山と積まれ、儀礼直前という雰囲気を醸し出す。
 この三日間、場所によってはエイサーの道ジュネー(練り歩き)が行われ、町は太鼓をたたく音でにぎやかになる。那覇の街中では昼間は暑いので、たいてい日が暮れてから始まるが、わが家の周りでもこの道ジュネーがやってきた。夜遅く、外でガンガンに太鼓が鳴り、拡声器を通して三線の音と歌が聞こえてくる。道ジュネーの始まりである。驚くことなかれ、その時間は11時20分!外に見に行くとまだ小学生くらいの子供も参加しているではないか。結局、11時40分近くまで演奏と踊りは続いた。
 こんな時間に大勢で、しかも街中で太鼓をたたき、スピーカーを通して歌を歌うなんて東京では考えられない。絶対、パトカーがやってきて音楽を止めさせるだろう。しかし、そこは沖縄。驚くことなかれ、うるさいなんていう人は誰もいないし、数少ない観客も楽しそうに見ている。まさに儀礼空間という非日常的世界の中のコムニタス状態!
 ところで余談だが、この道ジュネー、カタカナで「ミチジュネー」と書いて、フランス語風に発音すると、ちょっと「おふらんす」的ヨーロピアンな感じがする(えっ、ぼく一人だけ?)。これって、エイサーを見る直前に、オリンピックで日本人が出ていたフェンシングの試合を見ていたせいかな。(フェンシングの進行はすべてフランス語なので)。