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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

台湾と私

2011年05月07日 | 台湾
 台湾に来るたびに思うのだが、沖縄とは文化が違うとはいえ、やっぱり僕から見ると遠からず近からずの関係を感じてしまう。台風が多いせいか、コンクリート製の建物が多いのは外見的な類似点だし、漢字文化圏という共通点も大きい。それとも台湾からの観光客を大学の近くて頻繁に見るからだろうか?
 もう一つに精神的な近さがある。亡くなった祖母も祖父も台湾育ちだし、東京の実家の母も台湾生まれだった。曾祖父は日清戦争後に台湾で建築技師をしていたらしいので、明治時代から私の母方の親族は台湾と関わりをもっている。小さい頃から台湾の話をかかえられないほど聞いてきた僕にとって台湾は精神的な故郷のような存在なのだろう。
 台湾にいた母方の親族は戦後、日本に戻り、今はその大半が東京に暮らす。私も東京で育ち、時を経て、今は台湾にほど近い沖縄にいる。なんだか南に向かわなくてはならない宿命を背負わされているのかと思ってしまうほどだ。「台湾に来た」と思う自分、しかし、きっと私のどこかに「台湾に帰ってきた」というもう一人の自分がいるに違いない。たとえ似ていたとしても、沖縄では我慢できなかったもう一人の自分が今、まさに満ち足りた時間を味わっているのだ。でも僕にはそれがわからない。もう一人の私は、私に語りかけることができないからだ。

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