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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

新しいガムランのばち

2018年09月07日 | バリ

 バリで新しいガムランの舞台用のばちを友人のコマン君が制作してくれた。グループの衣装の色、楽器の特質などを詳しく伝えたところ、いろいろ悩んだようだが、できあがったのはこの写真のばちである。正直、びっくりするぐらい美しい仕上がりだった。もうこのばちで演奏するというだけでテンションが上がるほどである。
 ガムランという楽器にとってばちもまた重要である。その堅さや大きさによってその音、演奏の方法などが異なってくる。だからバリでは特に競技会などの場合は本番用のばちを慎重に、かつ比較しながら選んでいく。
 このばちの大きさも私の楽器に合わせてもらった。つまりイージーオーダーのこの世に二つとないばちということになる。とはいえ、ばちの運命というのははかないもので、何年かすると先端がつぶれ、練習用のばちになり、最後には廃棄されることになる。要は消耗品だ。このばち作りを職業とする私の友人はこういった。「今の僕はこれを仕事としている。そしてそれが楽しくてしかたがない。踊りの衣装作りがその体に合わせて衣装を作るように、ぼくは、それぞれの楽器に合わせて木を選び、たたきやすいばちをつくる」と。彼は彫刻家であり、演奏家でもある。だからこそ、芸術作品のように美しく、そして叩きやすく、美しい音を奏でるばちを作ることができるのだろう。まさに「モノづくりの技」とはこのことだ。


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