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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

東京の二宮金次郎像

2009年12月22日 | 東京
 二宮金次郎ってどこの人かわかるかい?
 「おいら、わかんないや。でも山の方だと思うよ。印象なんだけど、二宮金次郎は海人(うみんちゅ)ぽくないし。」
 それじゃあ、二宮金次郎ってどんな人かわかるかい? 
 「そうそう、仕事しながら本を読み続けた読書家だよ。なんだか、そんな伝記を読んだ記憶があるけど、結果的に彼のその努力がむくわれて、何になったのかは忘れてしまったね。努力の過程が強調され、その結果が不明瞭なんて、不思議な伝記だ。それともぼくだけが忘れているのかもしれないが。」
 その二宮金次郎の銅像がどこにあるかわかるかい?
 「うーん・・・どっかで見たんだ。どっかで。どこだったろう? それが意外に身近な所でね。思い出せないだよ。身近っていっても、那覇とか名護じゃないんだよ。ぼくの身体的な意味での「身近」は沖縄だけど、精神的な意味での「身近」は東京だからね。二宮の像をみたのは、後者の「身近」の方さ。」
 で、どこだったのさ。
 「そうだ。思い出したよ。東京駅のね。何とかって、大きな本屋のビルがあるだろう?そうそう、八重洲ブックセンターさ。あの入口で見た。なんだか、本を読まないと偉くなれないぞって入口で言われてるみたいでね。あんまりいい気分がしなかったのさ。だから覚えてるんだ。そうだ、薪を背負ってた。やっぱり山の方の人なんだよ、彼は。でもなんだか不思議な光景さ。都会のオフィス街に、ぼくらと同じ目線で立ってるんだからね。銅像ってのは、上からぼくらを見下ろさなくちゃいけないんだよ。それもハトの糞まみれになりながらね。上野にいるじゃないか。わんちゃん連れてる銅像がね。あんな風にだよ。でも、ぼくがみた二宮金次郎はあまりにも「ぼく」とかわらない位置にいる。だからかもしれない。ぼくがあんなにも彼と目を合わせないように、その脇をそっと通りぬけた理由は……。」

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