親族が集まったとき、子どもの一人が「人生ゲーム」をやろうと言い出した。病み上がりのPは、ちょっと後ろ向きだったのだが、子どものゲームを切望する「まなざし」に負けて、「じゃあ一回ね」と人生ゲームを開始することになったのだった。
集まったのは4人、幼稚園年中組、小学2年、中学2年、そしてP。なんとバラエティに富んでいる年齢!幼稚園の子なんて人生ゲームの本質的な意味もわからず、ただお金が増えることだけを期待しての参加である。もし、子どもたちが「すっからかん」になって泣き出したらどうしようと開始する前からPは頭を抱える。
人生ゲームでは、小さな車に男性か女性のどちらかをのせるのであるが、ここで小学生の子どもが不思議なことを言った。
小学生 「男の子を左側にさしてしまったから、右側に変えなくちゃ」
P 「えっ、どうして?」
小学生 「だって、うちの車の運転席は右側だもん」
実によく観察している。人生ゲームのコマは、たかが車ではなく、自分の家の車をイメージしているのである。
P 「じゃあ、おじさんの車は左側だよ。だってうちの車、ベンツだもの」
なんてPはなさけない大人なんだろう。子どもに見栄を張ってどうするわけ。そのときである。とんでもない横槍が入ったのだ。
幼稚園生 「おじさん。ぼくも、刺すところかえるね。だって、うちの車、フェラーリだもん」
いったい、何という会話をしているんだろうか。ちなみに、ゲームの結果は私がビリだった。フェラーリに乗ると言った見栄っ張りの幼稚園の子どもは2位でがっぽり儲けて大喜び、と思いきや、終わったとたん「おなかすいた」と母親のところに消えてしまったのだった。
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