いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

フェイル・セーフ革新。  fail safe , innovation

2010-02-02 19:54:39 | 日記
 技術立国と言われた時代が日本にもあった。日本製と言われるだけで、安全性、機能性、
確実性の高い商品として信頼されていた。創業者が、部品組み立てから事業を起こして、
便利で安全で生活に機能する商品化で、社会貢献を果たす「目的意識」が基盤の時代だ。

 時代は、個人能力の創生期から、大量生産・大量消費の経済成長期を経て、コンピュータ
化による経済効率スパイラル(spiral)期を現在進行中。
 創生期からの独創的な技術畑の中小企業は、大企業のピース(piece)に組み込まれて、
事業精神も目的意識、企業基盤も脆弱(ぜいじゃく)になった。

 大企業中心の経済活動は、安全性、機能性、確実性よりは、経済効率スパイラル効果が
重視されて、見かけの経済効率、成長率がステータス(status)となり、高い個人能力、技術
力は、画一的なコンピュータ化されて平均化して広汎に普及はしたが、それが、そこに社会
(貢献)性、目的(意識)性、創造性の忘却を生む、落し穴。

 鉄道車両の点検は、木づちでたたく車輪の音で亀裂、不具合を発見する、長い経験からく
る特殊能力(技能)が特徴。こういう「人感」作業というのは、ひとつひとつのマニュアル
のひとつの欠如も欠かせない、実は最高レベルの安全点検システム。
 部分的な正確性からすれば、コンピュータ化による透視技術の方が科学的で優れているの
かもしれないが、使い方次第の「心」の作用という、落し穴がある。

 自動車の車体検査。近年はコンピュータ診断で、科学的分析による効率化が中心技術。
 技術開発発信の日本のトヨタ。早くから海外進出の一翼を担って米国、欧州に販売生産拠
点を持つ。

 トヨタ車の安全性、機能性に構造的欠陥が発覚して、安全神話という信頼性を大きく損な
っている。スピードをコントロールするアクセルに床マットが挟み込み、スピードをコントロール
できずに大事故につながる重大構造欠陥。これを起因とする死亡事例も出て、欧米の数百
万台にも及ぶ大リコール事態だ。トヨタの信頼と株価も大暴落。

 実は、以前(07年)にも同様の欠陥が発覚していたものを、当時は安易に運転者の使用上
の不備として見過ごし、放置してきた問題のツケ。
 グローバル企業の経済効率スパイラルというステータスに溺れて、安全という「フェイル
・セーフ(fail safe):間違っても安全」という基本理念が忘却されていた。

 1月29日。東海道新幹線の横浜市内で架線が切れる事故で、4時間近く上下線不通で終
日ダイヤが混乱した(最終便新幹線内で夜を明かした利用者もいた)。
 これが、新幹線本体のパンタグラフ交換点検で、点検後の固定ボルト4本すべて着け忘れ
による単純ミスが大事故につながった。

 製造点検が「人感」から「機械化(コンピュータ化)」へ移行により、人の心から安全性
、確実性、機能性への「社会性」意識の根幹が消えていった。
 ことは、安全にかかわる。心に、「フェイル・セーフ(fail safe):間違っても安全」を確実に、
技術革新だ。

 
 
 
 

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