いかに自分の得意の「ステージ」に相手を乗せて、勝負のアドバンテージ(advantage)
を取るのかの究極のゲーム展開(ultimate game deployment)。
(3)高橋は、世界一といわれるステップワークは評価どおり参加アスリートの中では抜き
ん出た得点力だった。ショートプログラムで3位という順位が結果として、フリーでの4回
転ジャンプの選択となった。
ショートプログラム3位では、フリー演技で4回転ジャンプを飛ばない限りは、ゲーム前
から上位を狙うチャンスを捨てることになるし、下位からの追い上げにも効果的な対応が出
来ないからだ。
厳しい選択の中で、フリーでは4回転ジャンプに挑戦して転倒、ステップワークで圧倒し、
表現力、スピード、芸術性ではほかに引けを取らなかったことが、結果として銅メダルを獲
れたことにつながり、幸運でもあった。
プルシェンコがフリーで落ちてくる確率以上に、4位以下のアスリートのフリーの成績に
よっては3位そのものも危うい状況にあった。現実に、転倒もあったがフリーに限っていえ
ば4位(ランピエル)、5位(チャン)のアスリートの方が得点が高かった。4回転ジャン
プ選択の危険性は大きかった。
ショートプログラムの高得点のアドバンテージというよりは、高橋の抜群のステップワー
ク、表現力、スピード、芸術性による高い見せ場がわずかに決定力となった。
それは、しかし、4位、5位のアスリートよりも果敢に勝負に出た人間力、度量、修羅が
上回った生き様での強さで、これも当然の帰結だった。
高橋には、たとえ相手の得意の「ステージ」でのゲームであっても、果敢にそのステージ
の中で挑み、ブレークスルー(break through)する意思がスケーティングから、表情から
溢れて見えたのだ。
(4)織田は、マインドコントロールの甘さ、性格がプレッシャーの中で、当然の帰結のよ
うに結果を左右した。周囲というよりは、本人自身が勝手に動いて、プレッシャーからのネ
ガティブな回避、問題をつくり出して、その問題の答えに応えようもなくスパイラル(spiral)
に自滅した。
高橋のいさぎよさ、生き様が教訓となるはずだ。こういうアスリートは、乗せると強いけ
ど周囲も乗せるのもむづかしくて、自分で勝手に動いてこけるタイプで、自分の得意のステ
ージに相手を乗せる余裕が必要だ。
経験と場数を踏んで精神的に落ち着きが出てくれば、スピードと特異のキャラクターがい
い方向に変化する潜在能力(potential)はある。
(5)小塚は、今回のオリンピックで日本人では初めて4回転ジャンプを成功させ、自己ベ
ストの得点をあげた。4回転ジャンプの成功がありながら、3回転半(トリプルアクセル)
ジャンプに失敗し転倒したのは、馴染みのない高揚感からくるエアポケットに陥ったのか。
20才で経験の未成熟、スキルへの確信の不安定要素からくる、当然の帰結だった。
しかし、彼の高速スピンの評価はライサチェクにも引けをとらない高い評価だっただけに、
20才の若さもあり、今後の成長次第では得意の「ステージ」の中での世界のトップアスリ
ートと渡り合えるアスリートになる資質(potential)は十分に示した。
ライサチェクは、置かれた状況、条件の中の用意周到な戦略で、得意のステージの中
で勝つべくして勝ち、そのほかのアスリートは不本意に置かれたステージの中で、当然
の帰結としての順位、結果となった。
オリンピックをステージにした、究極の五者五様。
を取るのかの究極のゲーム展開(ultimate game deployment)。
(3)高橋は、世界一といわれるステップワークは評価どおり参加アスリートの中では抜き
ん出た得点力だった。ショートプログラムで3位という順位が結果として、フリーでの4回
転ジャンプの選択となった。
ショートプログラム3位では、フリー演技で4回転ジャンプを飛ばない限りは、ゲーム前
から上位を狙うチャンスを捨てることになるし、下位からの追い上げにも効果的な対応が出
来ないからだ。
厳しい選択の中で、フリーでは4回転ジャンプに挑戦して転倒、ステップワークで圧倒し、
表現力、スピード、芸術性ではほかに引けを取らなかったことが、結果として銅メダルを獲
れたことにつながり、幸運でもあった。
プルシェンコがフリーで落ちてくる確率以上に、4位以下のアスリートのフリーの成績に
よっては3位そのものも危うい状況にあった。現実に、転倒もあったがフリーに限っていえ
ば4位(ランピエル)、5位(チャン)のアスリートの方が得点が高かった。4回転ジャン
プ選択の危険性は大きかった。
ショートプログラムの高得点のアドバンテージというよりは、高橋の抜群のステップワー
ク、表現力、スピード、芸術性による高い見せ場がわずかに決定力となった。
それは、しかし、4位、5位のアスリートよりも果敢に勝負に出た人間力、度量、修羅が
上回った生き様での強さで、これも当然の帰結だった。
高橋には、たとえ相手の得意の「ステージ」でのゲームであっても、果敢にそのステージ
の中で挑み、ブレークスルー(break through)する意思がスケーティングから、表情から
溢れて見えたのだ。
(4)織田は、マインドコントロールの甘さ、性格がプレッシャーの中で、当然の帰結のよ
うに結果を左右した。周囲というよりは、本人自身が勝手に動いて、プレッシャーからのネ
ガティブな回避、問題をつくり出して、その問題の答えに応えようもなくスパイラル(spiral)
に自滅した。
高橋のいさぎよさ、生き様が教訓となるはずだ。こういうアスリートは、乗せると強いけ
ど周囲も乗せるのもむづかしくて、自分で勝手に動いてこけるタイプで、自分の得意のステ
ージに相手を乗せる余裕が必要だ。
経験と場数を踏んで精神的に落ち着きが出てくれば、スピードと特異のキャラクターがい
い方向に変化する潜在能力(potential)はある。
(5)小塚は、今回のオリンピックで日本人では初めて4回転ジャンプを成功させ、自己ベ
ストの得点をあげた。4回転ジャンプの成功がありながら、3回転半(トリプルアクセル)
ジャンプに失敗し転倒したのは、馴染みのない高揚感からくるエアポケットに陥ったのか。
20才で経験の未成熟、スキルへの確信の不安定要素からくる、当然の帰結だった。
しかし、彼の高速スピンの評価はライサチェクにも引けをとらない高い評価だっただけに、
20才の若さもあり、今後の成長次第では得意の「ステージ」の中での世界のトップアスリ
ートと渡り合えるアスリートになる資質(potential)は十分に示した。
ライサチェクは、置かれた状況、条件の中の用意周到な戦略で、得意のステージの中
で勝つべくして勝ち、そのほかのアスリートは不本意に置かれたステージの中で、当然
の帰結としての順位、結果となった。
オリンピックをステージにした、究極の五者五様。