いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治的「服装の乱れ」。  disordered uniform of politics

2010-02-22 19:24:42 | 日記
 シャツをスラックスの中に入れて帰国しただけで「話題(topics)」になる今日この頃。
オリンピック日本代表アスリートが、バンクーバーの空港に公式ユニフォームながら、タイ
をゆるめシャツをスラックスの外に垂らしたスタイル、いわゆる「乱れた服装(disordered
uniform)」で降り立ったことが、団長同席の謝罪会見にまで発展して、いかに「本質」と
かけ離れた、形骸化した「かっこうつけ」だけの論議だったのかがわかる。

 国を代表するアスリートということで、規律とか協調とか常識とか、一般的にはそれはそ
れで、備わっていてもちっともおかしくないし、けっこうなことだけれど、近年のオリンピ
ックアスリートといえば、プロ化志向が主流でアマチュアリズムはすでに過去のものとなっ
ており、「服装」が「人格」を評価するアイテムとはなりえない。

 むしろ、少しコケティッシュ(coquettish:あばずれ)なぐらいの方が、究極のゲームに
挑む極限の緊張をもてあそぶアスリートの余裕を漂わせて、いい組織があたふたと取りあ
げ、奔走するような問題ではないことは、その後の当のアスリートの姿を見ていれば理解
できることだし、「シャツを入れて帰国」したことが話題になるほど、むしろこの国の社会は
健全で平和ではないのに、随分とピントがはずれている印象を持つ。

 アスリートの本質は、「ひとり」で果実を求めることは不可能な、「チーム」としての協調性、
役割性、一体性を成立の前提としていることは理解できるはずで、今回の服装問題にそう
いうクレバーな周辺環境の整備、対応、努力が双方に求められた。
 「ひとり」の問題として取り上げることではない。

 さて、シャツを入れて帰国したその日本の社会は、どうか。2月21日に投開票のあった
県知事選、市長選で、政権政党の民主党が推した候補者のダブル敗北となった。
 地方選挙と国政は別物という言い訳は、地方分権を推進しようとする政府には「ない」の
がせめてもの救いで、国会議員にかかわる「政治とカネ」の問題に対する有権者の厳しい
評価と受け止めている。

 ここまでは、いいが、この政権、有言実行性にかけることが次々と証明されており、傍観
者の評論家的な、政治の中枢を担うものとしては、はなはだ無責任な信用性のない発言
を平気で述べては問題を放置したままのところが見受けられて、国民としては政治、経済、
社会の行く末が不安だ。

 「有権者の厳しい審判」を目前にして、当事者もこれは問題として認識している「政治と
カネ」について説明責任も、責任ある対応もしないままの果てのこの結果に、平然とコメン
トする政治的感覚には、これこそ本質的に政治的「服装の乱れ」(disordered uniform of
politics)にまったく気がついていない、心がそこまで行き届かない証しで、これこそはき
ちんとしたテーブルに乗せて猛省を促す話題なのだ。

 その結果としての、当然の帰結としての国民の審判であり、国会は、予算審議を前に
空転中。
 

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