永住外国人の参政。 suffrage of permanent foreign resident

　経済、文化、芸術、学術のグローバル化（国際化）で、「果実」のキャパシティ（capacity）
が各段に拡大して、多角的で多様な競合、相乗効果によるあたらしい情報、価値を創造して
、人類の未来、次世代社会を確実に先進的な住環境世界へとイメージしている。

　政治の世界だけは、狭いイデオロギー（ideologie）の確執に終始して、たとえば「核兵器の
ない世界」とか「気候変動影響の解消」とか「平和」についてもグローバルに「果実」を
共有できないでいる。
　
　経済他のグローバル化（国際化）で、国境を超えた人的対応が普通（ordinary）となり
、ＥＵ（欧州連合）に見られるように政治の世界を超えた経済、平和のユニオン志向の実験
的果実も期待され、ＥＵ大統領制導入で政治的志向も定着の段階に入った。

　日本も、留学生の受け入れ１０万人計画を過去に打ち出して、永住外国人（permanent
foreign resident）の受け入れとグローバル化（国際化）を推進している。
　この永住外国人に参政権（地方選挙権）を与えようという論議はかなり以前からあり、今
回、政権交代にあわせて民主党（幹事長）から提起されて、現実感を帯びた問題として国会
でも論議されている。

　民主党からの提案提起が、選挙関連を一手に掌握する幹事長からのものであったことも
あり、選挙での民主党勢力拡大目当て（制度導入の恩恵）の公算の強いものとなった。
　論議は、政権内でも(1)国際化、義務負担（納税）に適応して地方参政権を与える方向と
、(2)国益（地方分権、自治）尊重で反対する方向に二分している。

　日本に生活基盤を持ち、永住資格も取得して義務負担もして、社会活動を行っている永住
外国人の立場からすれば、日本人と同等の基本的権利の行使は認められていいという社会
的認知はある。

　一方、文化や慣習、生活に根差した伝統的価値観、宗教観からくる基本的な価値観の違う
外国人に、永住資格とはいえ参政権（地方選挙権）を与えることに国益（地方分権、自治）
維持への不安材料もあることは考慮する対象でもある。
　連立政権党の一部からは「対立が生まれる危険性もないわけではない。日本に帰化して対
応すべき」という見解もある。

　国際政治が狭いイデオロギーに支配されて、国防、国益偏重主義のなか、ＥＵのユニオン
体制も一部地域にとどまる段階の国際政治情勢で、外国人の意思が政治に反映される環境
は十分に整備されているとは考えにくいレベルだ。

　政治に参加する方法は、選挙権ばかりでない。生活基盤に根差した社会活動を通して、政
治のあり方に注文、意見を反映する機会、手段（公聴会）もある。
　グローバル社会で外国人の価値観、見方、意見（advisor）が日本の政治にも広く参考に
なることは大切だ。選挙権以外にそういう多様なステージを提供する工夫開発もいる。

　永住外国人（permanent foreign residnt）の参政権が、党利党略で計算されたものであ
ってはならない。