いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ナショナリズムとグローバリズム。 nationalism & globalism

2010-02-24 20:02:10 | 日記
 オリンピックは、国を代表したアスリートの競技。国旗を胸に、国民の期待を受けて各国
代表と渡り合う。メディアでは、メダル獲得も国別に比較されてナショナリズム(nationalism)
を煽(あお)る。

 ゲームの「趣向(elaboration)」を楽しむエレメント(element)としてはナショナリズムを
煽るのもひとつののアイテム。アスリートにとっては、国民の投資、期待を受けて考えれば、
ナショナリズムを趣向を楽しむものとだけ捉えることは到底不可能な環境で、しかし、近年
の、特に冬のオリンピックではグローバリズム(globalism)がすでに支配している現実もあ
る。

 フィギュアスケートでは、日本生まれのアスリートが米国の代表として演技、アイスダン
スでは米国育ちのぺアが日本代表として和服のコスチュームで演技して、国境などない
世界観。
 
 日本代表の浅田真央さんのコーチはロシア人で、韓国のキム・ヨナさんのコーチはカナダ
人。そのキム・ヨナさんのホームグラウンドはカナダで、日本人アスリートも米国、ロシア
を拠点にしてトレーニングをするグローバリズム。

 高度なスキル理論とコーチング、経験(experience)を求めて、アスリート、ゲームには
すでに国境などなく、グローバリズムが定着している。
 オリンピックのナショナリズムは、ゲーム感覚の趣向を盛り上げるアイテムとしてはおも
しろいが、もうオリンピックでもメダル獲得を国別で煽るようなナショナリズムは、現状に
は合わないだろう。

 アスリートの本来の資質、潜在能力に別次元のプレッシャーをかけて、十分発揮させ
ないネガティブな要素は不幸だし、変に国威発揚に利用(かってのヒットラーユーゲント)
ということがあっては、ジャッジの公平性、公正性にも障害となる。

 オリンピックのナショナリズムは、ゲームを楽しむひとつのエレメント(element)とし
て考えるエンブレム(emblem)で、現状を反映したアスリート本人の精進(training)と努
力(efforts)、スキルと人間力の名誉をたたえるものと捉えていくのがいい。

 ところで、2月24日、バンクーバーオリンピック12日目のフィギュアスケート女子。
浅田真央さんが、ショートプログラムでオリンピック女子アスリートとして初めて「3回転
半(triple accel.)」ジャンプを成功させて、ジャンプも高く正確で問題のない演技(performance)
を披露して、「73.78」の高得点、高い評価を受けた。
 次に演技したキム・ヨナさんの「78.50」に次ぐ2位につけた。

 観客の反応は、演技途中の手拍子や歓声で、浅田真央さんの演技のほうが盛んだっ
たように見えた。観客の反応は、全般的にきわめて正直だったように思う。
 ゲーム感覚としてのナショナリズム以上に、わりと近くで姿を見て、話を聞く機会のある
ものとしての贔屓(ひいき)目の感情でもない、現実。

 高いレベルのフリー演技のコンペティション(competition)が楽しみになった。周囲の
騒ぎとは別の、淡々とした、浅田真央さんの「自然体」がいい。
 

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